ドルメン大帝
どるめんたいてい
この記事は『未来ロボダルタニアス』および様々な作品のネタバレを含みます。未視聴の方は注意。
人物
性格
よく言えば圧倒的な威厳とカリスマ性を持っている、悪く言えば冷酷な性格と評価できる。
活躍
本拠地ザール星にある石像から声のみを発し、その姿を見た者はいない。
ドルメンの正体(終盤のネタバレあり)
その正体はエリオスの支配者パルミオン皇帝のクローンであり、エリオスの隠された風習により影武者としてこの世に生を受けている。
エリオスにとってクローンはオリジナルの影武者、またはオリジナルの身に何かが起きた際の生体部品として位置づけられており、役目を終えれば非人道的な扱いを受けるのが常であった。
この制度に強い憎しみを抱いたドルメンは密かにエリオス帝国友好軍であったザールの実権を握り、エリオスに対して反乱を起こして壊滅させ、更には全銀河の制覇に乗り出して数々の惑星を支配下に置いた。
つまり、被害者と思われたエリオス帝国こそが本作の元凶である実態が判明した。
最終決戦で姿を現し、パルミオン皇帝と思われたが戦いの中で太陽の光が刺し込むと、クロッペン同様に肉体に影響を及ぼしクローンと発覚する。
専用のベムボーグに搭乗してダルタニアスを迎え撃つドルメン大帝だったが、最期は怒りに燃える楯剣人に敗北したものの……。
「この世界に我々クローンがいる限り……いや、クローンを必要とする世界が存在する限り、
我々の憎しみと悲しみが消え去ることは無いッ!! いつかまた、反逆の炎が燃え上がる時が来る!」
……と、最期まで自身を蔑み、弄び、踏み躙った者達への憎悪を曇らせず、壮絶な呪詛を叫びながら人工太陽へ投身自決を遂げる形で命を散らせた。
生体部品として人権も与えられずに育てられた彼にとって、全ての人々は憎しみの対象であり、クローンである自分が彼らを支配する行為だけが、彼なりの復讐であったのかもしれない。
しかし、エリオスとは関係も無い地球を含めた他の星々に対する侵略行為は、八つ当たり以外の何物でもない。それに加え、同じ境遇のクローンであるクロッペンを道具扱いした挙句に切り捨てるなど、劇中で彼が犯した数々の罪はエリオスと同等かそれ以上の非道さであり、彼自身どこまで自覚していたかは不明だが、最終回での数々の恨み節もこれまでの所業を省みると矛盾に塗れている。
ただしクロッペンもクロッペンでクローンを差別したり戦わずして怖気づいた等々、理不尽かつ一方的な理由で先代カブト将軍を処刑しているがドルメンは理不尽かつ一方的な理由で部下を処刑した場面はただの一度もないので、一概にどちらが悪いか判断できないが、クロッペンを切り捨てた決断に関しては「自分に最も近い存在がクローンを差別する姿を見て(または知って)失望したのでは?」とする擁護の意見がある点も留意すべき。
関連タグ
ラスボス 黒幕 悪のカリスマ 大帝 クローン 哀しき悪役 愛さえ知らずに育ったモンスター どうしてこうなった
繭(selector)(WIXOSS):ドルメンと同じく、悲惨な生い立ちが原因で世界全てに対して憎悪を向けたラスボス。ただし彼女はドルメンと違い最終的には改心し、救済されている。
ズ・ザンバジル(超電磁マシーンボルテスV):ドルメンと同じく、皇室の血を引きながらその生まれ方で差別されてきた過去が原因で、世界全てに対して憎悪を向けた、長浜ロマンロボシリーズの敵君主の一人。
城ヶ崎賢志 我妻京也(ヒューマンバグ大学):ドルメンやザンバジル、繭と同じく、悲惨な生い立ちが原因(更に言及すると城ヶ崎と我妻は共に、愛する者を外道に奪われる凄惨な過去もある)で世界全てに対して憎悪を向けたラスボス。ただし城ヶ崎は救済されず孤独で寂しい最期を遂げた…。
小湊圭一(ヒューマンバグ大学):ドルメンやザンバジルと同じくその生まれ方が原因で差別されてきた過去が原因で、世界全てに対して憎悪を向けた哀しき悪役。ただし彼は自身と同じ外道に家族を殺された過去を持つ人物に自身が抱いていた母の愛への曲解を正されるという、ドルメンやザンバジルに比べればまだ救いのある最期を迎えている。
ポセイダル(重戦機エルガイム):ドルメンと同じく、由緒ある王朝から迫害を受けていたが復讐した後は堕落の人生を送るラスボス。それ故か『スパロボGC(XO)』では「彼」が率いるポセイダル軍とザール星団(それとグラドス)で星間連合を形成する。
ラウ・ル・クルーゼ(機動戦士ガンダムSEED):ドルメンと同じく、人間のエゴでクローンとして生み出された経緯が原因で、自らを生み出した世界全てに対して憎悪を向けたラスボス。
次大帝プロイスト(ガイキングLOD):こちらも出自がドルメンとほぼ同じであった事実が最終回で判明するが、それ以前は甘やかされて育ち権力をタテにやりたい放題していたので、視聴者からの印象はまるで違う。
海道義光:中の人繋がりの敵首領。ただしこちらはドルメンと違い同情の余地は微塵もない。
家鳴匡綱:中の人、高齢、組織の長繋がり。ただしこちらは威厳溢れる容姿をしたドルメンとは正反対で、だるまのような顔つきで人の上に立つ人物としては疑問があり、最後まで命乞いせず壮絶な呪詛を叫びながら散っていくという悲劇的な印象を与える最期を遂げたドルメンとは真逆で、死の間際に命乞いをした。
ドン・アルカゲ:スーパー戦隊シリーズに置ける同類項。こちらも「オリジナルを超える強大な存在になろう」としたが、自身の境遇に悲観したりコンプレックスを持たないどころか、誇りにする異質な精神構造となっている。