概要
『ピカチュウバージョン』『ダイヤモンド・パール・プラチナ』『ハートゴールド・ソウルシルバー』『ソード・シールド』『スカーレット・バイオレット』、および該当する作品のリメイク版に存在するシステム。
通常はモンスターボールの中に入れてあるポケモンをボールから出した状態で直接連れ歩ける。各バージョンでシステムが大きく異なる。以下、バージョン毎に紹介していく。
作品毎の内容
ピカチュウバージョン
ゲーム開始時に貰うピカチュウが主人公の後ろをついてくる。手持ちにさえ入れてあれば、何番目に並んでいてもピカチュウが後ろに現れる。それ以外のポケモンが後ろをついてくることはなく、ピカチュウが手持ちに居なければ他のシリーズ同様に主人公一人で歩く。
ピカチュウバージョンがアニポケの設定を反映したものであり、このつれあるきシステムも「ピカチュウはモンスターボールに入るのを嫌がり常に出た状態でついてくる」という設定によるもの。
後ろを向いてピカチュウに話しかけることもでき、そのときの機嫌によって様々なアクションをする(顔グラフィックの表示およびアニメに登場するピカチュウの声優である大谷育江氏の声に限りなく似せた鳴き声再生)。
ちなみに、このピカチュウの機嫌がなつき度のルーツだったりする。
このように「IDが一致するピカチュウ」に関して特別なシステムが存在するため、『ピカチュウバージョン』には野生のピカチュウが一切出現しない。『赤・緑・青』に転送してからのバグ技でも行わない限り、つれあるきシステムの対象になるピカチュウが2匹以上になる事は無い。
なお、IDが一致していてもライチュウになるとつれあるきの対象ではなくなる。あくまでピカチュウのみ。ただしピカチュウバージョンのゲーム内ではアニメの設定同様、ピカチュウにかみなりのいしを使おうとしても嫌がられて進化させられないため、『赤・緑・青』に転送してそちらで進化させて戻すといった手順を踏まないとライチュウにはならない。
DPt版
ヨスガシティのふれあいひろばで特定ポケモンのみ行うことができる。一定歩数歩くごとにポケモンがアクセサリーやきのみを拾い、話しかけることで手に入れることができる。
連れ歩けるポケモンは、『ダイヤモンド・パール』ではピカチュウ、プリン、ピッピ、コダック、アチャモ、キノココ、エネコ、パチリス、フワンテ、ミミロル、ピンプク。『プラチナ』ではこれに加えて、シンオウ御三家およびその進化系の9匹がふれあいひろばで連れ歩くことができる。
リメイク作の『BDSP』においてはふれあいひろばに一度でも訪れると、どのポケモンでも通常のフィールドでもつれあるきができるようになった。
HGSS版
手持ちのタマゴでないポケモンのうち、一番前に並んでいるポケモンが後ろについてくる。種類の限りはなく、あらゆるポケモンが後ろに現れる。
手持ちが1匹も居ない状態はゲーム開始直後の御三家のポケモンを貰う前の時だけであり、原則として徒歩時は常に何かしらのポケモンが後ろについて回る。
- 狭い場所や一部の施設・通路では自動的にポケモンが引っ込む。体格の大きなポケモンは連れ歩けない場所が多くなる。
- 先頭のポケモンがひんし状態になっている間は、二番目以降のポケモンが順に繰り上がって後ろを歩く。ただし先頭のポケモンが体格の都合で引っ込んでいるだけの場合、二番目以降が勝手に出てくることはない。
『ピカチュウバージョン』と同じくゲームの進行に直接の影響を及ぼすことはないが、話しかけることによりポケモンの状態をある程度知ることができる。
- なつき度の高低によって反応が変わる。
- HPが減っているなど状態が悪いと、苦しそうな様子を見せる。
- その時いる場所の雰囲気によって違う反応を見せる。例えばポケモンリーグでの決戦前では緊張した様子を見せる事がある他、水辺や雨が降っている場所にいるとほのおタイプなどの水を弱点とするポケモンは嫌そうな様子を見せるのに対し、みずタイプのポケモンは逆に嬉しそうにする。
- どのポケモンも基本的に用意された数パターンの反応を示す為、例えばミュウツーが断崖(がけっぷちゲートなど)で恐くて震えたり、最大までなついていると主人公に抱き着いたりする等、ポケモンによっては図鑑テキストにそぐわないような(微笑ましい)仕草も見せる。
Let's Go! ピカチュウ・イーブイ
初めてのポケモン(常に肩や頭に乗るスタイル)以外は登場する171種すべてが連れ歩き出来る。ポケモンと一緒に行動していることを具現化したもの。動画を見たほうが早い。
『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ“完全版"公式ガイドブック』のクリエイターインタビューでディレクターの増田順一は「愛情は相棒のピカチュウやイーブイに注いでほしいのですが、『てもち』のポケモンもやはり大切にしてほしい。そう思ったときに、便利などうぐを見つけてきてくれる連れ歩きを思いつきました。連れ歩きのポケモンには、相棒のピカチュウやイーブイとはまた違った愛情を抱けると思います」と、相棒以外にもう1匹ポケモンを連れ歩きできる仕様にした理由を回答している。
ソード・シールド版
第8世代でまさかの復活。
シリーズ初となる有料追加コンテンツ『鎧の孤島』『冠の雪原』の新天地、「ヨロイ島」と「カンムリ雪原」にて解禁される(ヨロイじまへの移動にはニンテンドーeショップで販売されているバージョン別に対応した「エキスパンションパス」の購入が必要)。
システムとしてはDPt版とHGSS版を統合したようなものになっていて、上述の2つのエリア内のみ可能になる。
解禁の条件は「ヨロイ島」ではダクマの入手、「カンムリ雪原」ではフリーズ村に行くと自動的に解禁される。
範囲こそ限定されてしまうが、ヨロイ島・カンムリ雪原共に複雑に入り組んだ広大なオープンエリアとなっているため、窮屈さや使いづらさはあまり感じられない。
今作のつれあるきでは以下のような特徴がある。
- なかよし度の上昇
今作では過去作のポケパルレ・ポケリフレに相当するポケモンキャンプという機能があるが、ヨロイ島でのつれあるきでは連れ歩いている間、一緒に歩くポケモンのなかよし度が上昇するようになっている。
- 各ポケモンの特徴を反映
ポケモンの大きさやスピード、移動方法などが図鑑の設定やポケモンキャンプでの仕草を基準にそれぞれ異なっている。
大きさについては、流石に大きすぎるポケモンは多少スケールダウンしているが、ほとんどのポケモンは図鑑の大きさに準拠している模様。
移動については脚力やスピードのあるポケモンならプレイヤーの走りどころか自転車の走行にも付いてこれるし、逆にスピードの遅いポケモンはゆっくりと付いてくる。
水辺を泳ぐポケモンは水辺では泳ぎ、陸地では浮遊して付いてくる。
逆に浮遊できるポケモンであれば水上でも浮遊しながら付いてくるが、陸上でしか行動できないポケモンは過去作同様、水上では一旦ボールの中に入り、陸地に戻ると再び出てくる。
つれあるきができるポケモンは現在配信されているDLCでの追加ポケモンを含めた第8世代で使用できるポケモン全て。久々の復活なのでポケモンたちの仕草を観察してみるのも一考。
剣盾のつれあるきについては「ヨロイじま」ではマスター道場、「カンムリせつげん」ではフリーズ村にいるポケモンごっこに話しかけると、つれあるき機能のON・OFFが可能。
BDSP版
原作再現に重きを置いている為、ソード・シールド版に続き続投。ただし、こちらはDPt版の項目でも少し出た通り、一度でもふれあいひろばに訪れるとその後は通常のフィールドでもつれあるきをすることが可能となった。
.........のは良かったのだが、このつれあるきには大きな問題がいくつか存在した。
まず、原作再現を意識しすぎた故か(真相は定かではないが)つれあるくように設定したポケモンのサイズが総じて小さくなりすぎている。
特に酷いのは伝説のポケモン全般であり、曲がり角などでのポケモンの引っ掛かり等を配慮した結果、伝説の威厳もクソもないサイズに縮小された。
これだけならつれあるきのスムーズ化を配慮した結果としてまだ納得はできなくもない......が、問題はこれだけではなかった。
なんと、つれあるきの際にポケモンが移動するモーションがソード・シールド版はおろかLPLEよりも明らかに劣化していたのである。
具体例をあげるとするならばアーボやイワークなどの胴長なポケモンが酷く、LPLEやソード・シールド版では体をうねらせたり現実のヘビのようにジグザグに動きつつ前進していたのに対し、BDSP版ではまさかの体勢を一切変えずに某自動掃除機の如くスライドするというものであった。この仕様はそらのはしらに鎮座する伝説のポケモンレックウザも例外ではなく、先述の縮小化の件も相まって伝説としての威厳を粉々に砕かれてしまっていた。
終いには、ふれあいひろばでつれあるきを解放したが最後、アイテムを手に入れる為にアバター1人分程しかない狭い道に入った結果つれあるきのポケモンに来た道を完全に塞がれ、そのままオートセーブの餌食及び詰むという致命的なバグまで発生した。
その後公式からバグの修正がなされ、アイテムを取ろうとしたら詰んだという事態は起こらなくなった。
スカーレット・バイオレット版
今作はシンボルエンカウント方式であるため野生ポケモンにポケモン入りボールを投げ当てるとそのまま戦闘になるが、ボールが当たらなかった場合はそのまま連れ歩きに移行する。
ポケモンはある程度主人公を追従するが、基本的にポケモンは主人公より移動速度が遅いためある程度距離が離れると自動的にボールに戻る。
また、つれあるきが進化条件になっているポケモンが数種存在する。
さらに派生として「レッツゴー」というシステムが存在する。
フィールド探索中に指定した方向にポケモンを向かわせ、移動先に落ちている道具を拾ってこさせたり、「おまかせバトル」と称して野生ポケモンと自動戦闘させてレベル上げをしたりと自由度が高くなった。
ただし、おまかせバトルで敵ポケモンを倒すと「ポケモンのおとしもの」はちゃんと入手できるものの、獲得経験値は通常バトルよりも少なくなる調整がされている。そのため、わざマシン作成のための素材集めや移動を優先したい時に向いている形式。
スター団イベントでは強制的にこの形式を使うことになる。