エレン・イェーガー
えれんいぇーがー
プロフィール
概要
容姿
髪の色は原作では黒髪、アニメではこげ茶色。まだ少年らしさが残る鋭い顔つきだが、キースや異母兄弟によれば、父親にはあまり似ておらず母親似である。
アルミンからは「目つきが凶悪で悪人面」と評されている。
15歳までは短髪であったが、1年後の16歳から髪が少し伸びている。
名前
名前の綴りは編集担当者によれば「Eren Yeager」。Erenと綴る場合はトルコで一般的な男性名となる。
性格
ぶっきらぼうで無鉄砲。直情型で猪突猛進。
しかし、10歳の頃から、堕落した駐屯兵団の大人たちをはっきりと糾弾したり、友人のアルミンが町の少年にいじめられているのをいつもミカサと助けに向かうなど、非常に強い正義感を持つ。
自分を曲げない意志の強さと、逆境でも必要であればプライドを捨てて自ら前に進もうとする気概を持つ。また他者の憤りや嘆きを敏感に察知する感受性もあり、荒削りながらリーダーシップを見せる。
一方で、全てを投げ打つ程の純粋過ぎる正義感は「死に急ぎ野郎」と同期から呼ばれる程の危うさも内包しており、それは時に、リヴァイをして「誰にも止められない化け物」と言わしめる程狂気染みている。
アニメ1期では幼少期の頃は嘘をつくと耳が赤くなる癖が付加されていた。また絶望すると自分の無力さを自嘲して笑うことがある。ハンネスが死亡した際には泣きながら笑い、サシャが死んだときにもその笑いが出てしまい、ジャンやコニーから疑いの目を向けられることになった。
経歴
845年(10歳頃)の幼い頃はウォール・マリア南側の壁外への扉があるシガンシナ区で、医者の父(グリシャ)と母(カルラ)、そしてミカサの両親が亡くなってからは彼女も一緒に生活していた。アルミンによって「壁の外の世界」を知らされると、「いつか壁の外に出て世界中を探検する」という夢を持つようになる。そのため、唯一壁の外へ行く調査兵団に憧れを抱き、入団することを目指していた。
だが、超大型巨人出現によるシガンシナ区への巨人侵攻によって家と母親を失い、巨人への激しい憎悪から「この世界から巨人を一匹残らず駆逐する」と心に誓う。
なお父親とは母親の死後に会っている筈なのだが、エレンはこの辺りの記憶を失くしており、思い出そうとすると激しい頭痛に襲われる。
シガンシナ陥落によりウォール・マリアの更に内地、ウォール・ローゼへと避難するも、劣悪な環境での農地開拓に強制従事させられる。
その後12歳で104期訓練兵に志願。格闘術が優れており、104期生の中では5番という成績を収める。
850年に15歳で訓練兵団を修了し、調査兵団を希望。
ウォール・ローゼ南部のトロスト区攻防戦で巨人に喰われた際、巨人化能力を発現し、その能力を使った作戦により人類は100年に渡る巨人との戦いで初めて勝利を収めた。
この事でエレンを人類の希望とする信奉者まで現れるようになるが、そうした事態やエレンの忠誠心・安全性への疑念から、彼の身柄をどうすべきか有力者の間で権力争いによる議論が起こるも、エルヴィン・スミスの意向で調査兵団がエレンを正式に迎え入れ、リヴァイの監視下に置かれる事となる。
以後は「エレンの存在」と「父に託された生家の地下室の秘密」が人類反撃の鍵となること、及び第57回壁外調査以降、それが理由なのか知性ある巨人達がエレンを攫おうと狙ってくることから、リヴァイ班を始めとする調査兵団に守られながら戦闘に参加する事となる。
旧リヴァイ班が亡くなった時や同期の中に壁内の人類を抹殺しようとしる巨人化能力者がいると知った際には葛藤していた。レイスや父、グリシャの事をよく知るようになるにつれて自身の存在意義について悩んでいたが、キースから母・カルラの想いを聞いて立ち直った。
また最近は年の離れた異母兄がいた事が判明した。
再び、女型の巨人と交戦した際にはミカサとの連携で生け捕りに成功。ウォール・ローゼ地区に巨人が出現した際に生身で戦闘に参加し、ウトガルド城で窮地に陥っていた仲間を助けている。目の前で母親を食い殺した巨人と遭遇して窮地に陥った際には無垢の巨人を操る謎の力を発動して敵を撃退した。
ウォールマリア最終奪還戦では生身で超大型巨人を討伐し、超大型巨人の本体をうなじから引きずり出して捕らえた。奪還後は生家の地下室に辿り着き、世界の真相と本当の敵の存在を知ることになる。壁外の巨人を粗方駆逐して海に到達した際は涙するアルミンをよそに、「海の向こうに居る敵、全部殺せば、オレ達自由になれるのか・・・」と新たな敵に思いを馳せた。
なお、父親から「始祖の巨人」と「進撃の巨人」を受け継いでおり、15歳の時点でユミルの呪いにより余命8年の命だと判明した。
マーレ編
プロフィール
身長 | 183cm |
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体重 | 82kg |
年齢 | 19歳 |
所属 | 調査兵団 → イェーガー派 → 進撃の巨人として単独で進撃 |
19歳になり身長が13cmも伸びており、体重も19kg増え、髪も後ろで束ねることができる程の長さになった。
854年、シガンシナ区での戦いから4年後、負傷兵としてマーレに潜入。
タイバー家当主ヴィリー・タイバーによる世界へ向けた演説が行われる中、ライナーを呼び出し再会を果たす。潜入生活を経て壁の中も外も同じであるという結論に達したことを明かした。マーレの偏向教育を受けてきたライナー達の立場にも理解を示すエレンだったがヴィリーがパラディ島に宣戦布告した直後…
「多分…生まれた時からこうなんだ」
「オレは進み続ける」
「敵を駆逐するまで」
巨人化してヴィリーを捕食し、マーレ軍幹部を全滅させた。その場にいた軍人や住民を巻き込んだ戦闘になり、強力な硬質化能力を持つ戦鎚の巨人に追い詰められるも事前に呼んでいた調査兵団と共闘を開始。マーレ軍と調査兵団、巨人達が入り乱れる戦闘を経て戦鎚の巨人の継承者であり、ヴィリーの妹であるラーラ・タイバーを捕食した後、パラディ島へ帰還する。帰還後は兵団により牢に閉じ込められていたが、戦鎚の巨人の力を使って脱獄し、ジークと合流するためシガンシナ区へ移動する
「戦わなければ、勝てない」
「戦え、戦え」
天と地の戦い
シガンシナ区へ移動したエレンだが、そこへマーレ軍が始祖奪還のために襲来し巨人化しての戦闘となる。
一瞬の虚を突き巨人化を解いてジークと接触しようとしたその刹那、ガビに狙撃されエレンの首が宙に飛んだが、エレンの首がジークに触れたために意識は「死さえ存在しない世界」に行く。そこは始祖ユミルが死後も王の命令で延々と巨人を作り続ける空間であった。エレンは死さえ存在しない世界でジークの作戦への協力を拒否し、始祖ユミルを味方につけることで遂に「始祖の巨人」を掌握、パラディ島の3重の壁の硬質化を解き「地鳴らし」を発動。
「道」を通して全てのユミルの民に「パラディ島以外の全てを滅ぼす」と宣言し、幾千万の超大型巨人を従え、また自身を終尾の巨人へと変化させた。
…あれは
…あ……
…ヤツだ……
進撃の巨人だ
「駆逐してやる この世から 一匹残らず」
エレンは世界連合艦隊が集結するカリファ軍港を壊滅させたあと、飛行船を破壊するべくスラトア要塞へと向かう。スラトア要塞にてマーレ軍の飛行船により爆撃を受けるが、始祖の巨人の能力でジークの獣の巨人を生成し、飛行船を撃ち落とした。
その後、飛行挺にて終尾の巨人(以下エレン)の元に来たアルミン達と戦闘となる。エレンは飛行船を撃ち落としたときと同様に、歴代の九つの巨人を生成しアルミン達を圧倒する。
しかし、ユミル・フリッツに食われ「死さえ存在しない世界」にいたジークと、同じくユミル・フリッツに食われたアルミンが協力し「トム・クサヴァー」、「グリシャ・イェーガー」、「エレン・クルーガー」、「ユミル(104期)」、「マルセル・ガリアード」、「ポルコ・ガリアード」、「ベルトルト・フーバー」を目覚めさせ、その6人により歴代の九つの巨人が次々と倒されてしまう。
ジークとアルミンも「死さえ存在しない世界」から脱出し、アルミンは戦闘に復帰、ジークはリヴァイに自らを殺害させ、王家の血との接続が失われたことで地ならしは停止する。
その後、ジャンが飛行挺に巻かれていた爆薬を始祖の巨人の首に巻き爆破。するとエレンの首が付いていたところから、巨人化能力の元凶たる「光るムカデ」が出現する。「光るムカデ」はエレンの切り離された首へと向かうが、それをライナーが体を張って阻止し、その間にアルミンが超大型巨人になり始祖の巨人を吹き飛ばした。
だが、エレンも「光るムカデ」もまだ生きており、エレンは超大型巨人の姿となりアルミンと対峙。一方の「光るムカデ」は体から脊髄液を含むと思われるガスを出し、ガスを吸ったスラトア要塞にいたジャンやコニー、ガビ、ライナーの母であるカリナ・ブラウンらが無垢の巨人となってしまう。「光るムカデ」はそれを引き連れて始祖の巨人へと向かった。
始祖の巨人と超大型巨人の死闘の末、リヴァイが始祖の巨人の前歯を破壊し、ミカサが口の中へ侵入。口の中にいたエレン(本体)の介錯を務め、エレン・イェーガーは死亡。(ユミル・フリッツも死亡したと思われるが、「死さえ存在しない世界」に存在する人物なので死亡という表記が正しいかは不明。)それと同時に、「光るムカデ」が消失し、全ての巨人の力も消失(ユミルの呪いによる寿命もなくなり、継承から13年以上生きられるようになった)。無垢の巨人になってしまった人々も元の姿にも戻った。(ラガコ村にいるコニーの母も元の姿に戻った)
この戦いは以後、「天と地の戦い」と呼ばれるようになる。
自由を知りたかった少年よ・・・さようなら
エレンは、実は「天と地の戦い」の前に104期生と「死さえ存在しない世界」で会っており、そこで自分の本当の目的などを話していた。そして、その記憶は一度消去され「天と地の戦い」が終了すると共に戻るようになっていた。
エレンの目的は「パラディ島以外の全てを滅ぼす」ではなく、「巨人の力をこの世から消し去る」と「自分が悪役になり、アルミン達を悪役である自分を討ち取り人類を滅亡から救った英雄に仕立て上げる」だった。エレンがアルミン達を突き放していたのも理由はここにある。
また、845年にダイナ巨人がベルトルトを無視してカルラ・イェーガーに向かったのは、そこでベルトルトが食われるとアルミンが生き返ることがないので、それを阻止するためにエレンが始祖の巨人の力で過去のダイナ巨人を操作した結果、ということが判明した。
また、地鳴らし発動時に言っていた「オレの目的は、オレが生まれ育ったパラディ島を守ることにある」についても、地鳴らしにより人類の八割を殺し、すぐに報復できないようにするためであることがわかった。
地鳴らしに関してエレンは、「地表の全てをまっさらな大地にしたかった 何でか わかんねえけど やりたかったんだ」と発言しながら、生まれた直後、父が自分をエレンと名付けたときの記憶を思い出すという謎めいた表現がされており、その真意は不明だが、「壁の外に人類がいることにがっかりした」というのも地鳴らしを発動させた理由の一つなのかもしれない。
地鳴らしを行った理由が不明瞭だった原作にアニメである程度のフォローと説明があり「何処にでもいる普通の男の子」が世界滅亡を促す力を持ってしまったからこそこの惨劇が起こった。と明確に明かされており、どこにでもいる男の子が突然世界を滅ぼす力を手に入れてしまいその力に飲み込まれて暴走してしまった。
「天と地の戦い」は、自由を求めて進み続けるエレンは鳥籠のようにも見える骨に囲まれ、地鳴らしという壁を超えられず虫のような姿で地を這い、人同士の相互理解を選んだ調査兵団は翼に乗って空を征くという皮肉な構図となっている。
また、自由であることに固執し不自由の象徴としての奴隷を憎んだエレンは、自覚があったかは不明だが自身が「自由という思想の奴隷」に成り下がっていた。
いついかなる時においても自由を求め続けた巨人は、皮肉にも自らは奴隷に身をやつし、憎しみ合いのしがらみから解き放たれた仲間たちに引導を渡されたのだった。