概要
正式名称は「ロックマンX コマンドミッション」。
ロックマンXの中でも珍しい非ナンバリング作品かつ初のアクションジャンル以外のゲーム作品である。雑誌『電撃PlayStation』でプロデューサーは本作の位置について「今までのシリーズが連載漫画だったら、コマンドミッションは劇場版」と語っている。
本作の時間軸は、カプコンから出版されている攻略本には「X7より数年後」の『西暦22XX年』である。そのためX7、8が219X年、本作が220X年と考えられる。
なお、勘違いされていることが多いが、現在はロックマンゼロはXシリーズから数百年後となっているため時間軸は重複しない。
本作の開発時点ではXシリーズから100年後の設定であったため、エックスのアーマーをデザインしたイラストレーターによると、ゼロシリーズのテイストを加えたデザインであると言及している。
また、アクションではなくRPGであり、比較的戦略性が求められる。しかし、スピーディーさは失われておらず、恐らくX7よりはスタイリッシュである。
シリーズで唯一シグマが登場しない作品でもある。
登場する動植物系レプリロイドは名前が「・」で区切られておらず、『ロックマンゼロ』に登場するアステファルコンやハヌマシーンを思わせるネーミングになっている。
主題歌は安倍麻美(元・モーニング娘。の安倍なつみの実妹)が歌う『情熱セツナ』(CMソングにも採用された)とCapricious cometが歌う『Parts』。
物語を、説明する
西暦22XX年、この地に落下した小惑星2202XABの破片から未知の鉱物"フォースメタル"が採取された。
"フォースメタル"応用技術はレプリロイド工学に革新をもたらし、この地にはフォースメタル鉱石を採掘するための巨大施設、人工島ギガンティスが作られた。
人工島の運営は順調に見えた、が…
あるとき、島の一部のレプリロイドがリベリオンを名乗り武装して反乱を起こす。政府は、反乱の首謀者である「イプシロン」を"イレギュラー"と断定。ギガンティスに、イレギュラーハンターチームを派遣した。
今回はエックスとアクセルとゼロ以外に、ギガンティスに住む個性豊かなレプリロイドをも使用可能。しかし、ある人物は…。
人物が、登場する
エックス達
CV:櫻井孝宏
お馴染みの主人公で小隊を率いるレプリロイド。これまでの活躍が認められた為か、いつの間にかB級からS級ハンターに昇格しており、有名人となっている。本作では従来のシリーズのように苦悩回路による敵に対しての甘さが無く、優れたリーダーシップを発揮し、小隊長として責任をもち部下を大切にする、昔のシグマみたいないい上司となっている。
しかし、「悪いもの」に対してすごく敏感で頑固でありマリノが盗賊だと知ったら「君」から「お前」と呼び方を変えたり、スパイダーに出逢った当初は「お前の様な薄汚い…」とかなり偏見を持った台詞を放っていたが、彼らと交流し理解を深めてからは一切発しなくなる。
今回は潜入作戦用の特殊アーマーを使用している。
デザインはロクゼロの時代をイメージしたものだという(時間軸がゼロシリーズと近い為)。
全体的にバランスがよく、2種類あるハイパーモードはどれも使い勝手が良い。
アクショントリガーは「チャージショット」
敵全体を攻撃できる使い勝手の良い技。
ボタンを押し続けるとウェポンエネルギー(以下WE)が溜まり、それに応じて威力が上がる。
最大まで溜めると攻撃が必ずクリティカルになる。
CV:置鮎龍太郎
エックスの親友であり、あのワイリーの最高傑作。彼もS級ハンターに昇格している。序盤でシャドウに裏切られて行方不明になるが、中盤で再登場し、エックス達と合流する。ハイパーモードの「アブソリュート・ゼロ」の姿は一見の価値あり。
本作では逆に彼の方が、従来のエックスに近いキャラとなっており、エックス程でないしろ、悪いものに偏見を持ち、さらに序盤でシャドウに裏切られたために「ギガンティス出身」であるだけで敵意を表すようなレプリロイド不信に陥っていた。因みにマッシモはエックスに「理解してくれるまで時間がかかる」とフォローしている。
ステータス・ハイパーモード共に攻撃特化だが防御性能はパーティキャラでかなり低い。
アクショントリガーは「コマンドアーツ」
一定時間以内に技のコマンドを入力し、その後ゼロが入力に成功したコマンド技を連続で繰り出す
というもの。コマンドによって技の性能が変化する。入力受付時間はWEの量で決まる。
CV:高山みなみ
新世代型レプリロイドのプロトタイプ。恐らくこの作品の前にX8は経験している。X7ではひよっこのやんちゃ坊主であり、エックスも肝を冷やしていたが、この作品では単独で作戦行動できるくらいのS級ハンターである。物語中盤で登場し、早速エックス達の命を救う大活躍を見せる。
Aトランスによって敵レプリロイドの奥義を模倣することが可能。マリノと並んで素早く、アクショントリガーの攻撃パターンは豊富だが決め手に欠ける。
アクショントリガーは「DNAチェンジ」
使用時点までに倒したボスのDNAパターンをコマンド入力し、ボスに変身して攻撃を行う。
WEによってコマンド入力受付時間が長くなる。
CV:神奈延年
序盤で登場する賞金稼ぎ。当初はエックスの賞金を狙って襲い掛かるが同僚の死を知ってエックスと共闘する。結構クールで仲間思い。
中盤でエックス達を救うために犠牲になる。んだけど…
アクショントリガーは「フォーチュンカード」
ドローポーカーを行い、手札の内容によって攻撃が変わるというもの。
WEの量が多ければ最初の手札の配役が良くなる。
CV:川津泰彦
「鋼鉄のマッシモ」と呼ばれるギガンティスの英雄…の弟子であり、彼の背中を追いかけている臆病者なレプリロイド。しかし、師匠の死と敵のリベリオンとの激戦をえて、彼は次第に師匠を超える戦士に育っていく。演出の派手な攻撃にパワータイプなステータスだが、属性攻撃に弱い。
間違われがちだが、イントネーションは「マッシ↑モ↓」である。
アクショントリガーは「ベルセルクチャージ」
相手に強力なレーザーを放つ。発動時に各種ボタンを連打することで、威力を上げたり状態異常を
付加させることが出来る。WEの量で連打の入力受付時間が長くなる。
CV:鈴木麻里子
くノ一レプリロイド。エイリアが霞むくらいのいいボディをしている。ハイパーモードで生足を見せるなど、かなり艶めかしい。
義賊であり、稼業に誇りとこだわりを持っている。中に凄い機能を持つシナモンを懐柔して盗もうとしたがリベリオンに横取りされ、腹いせにリベリオンをボコボコにするためにエックスの仲間になる。スピードもあり、バランスタイプである。ステータスは簡単に言うと素早さが高く、体力と攻撃力は低く、他が標準的。ハイパーモードで連続行動が可能。
アクショントリガーは「エモーショナルリール」
スロットを行なって、その結果に応じて技の内容が変わる。
WEが多ければ、スロットの回転速度が遅くなり、狙った目を出しやすくなる。
CV:野中藍
天使みたいなデザインのレプリロイド。中に「フォースメタル・ジェネレータ」という機器を内蔵し、フォースメタル技術の発展に重要なシステムを持っている。その機能を活かしてリベリオンにボロボロにされたマリノを回復させる。
サポートが主だが、ハイパーモードの「アイアンメイデン」状態のシナモンは物理的に強い。防御力はパーティキャラの中で一番高い。専用の隠し武器が見た目に反して凶悪(5ヒットで1発ごとにランダムでステータスダウン効果がある)。
アクショントリガーは「エンジェリックエイド」
全キャラ中唯一、味方を回復させるアクショントリガー。
スティックを回転させることで回復量が上昇する。
WEの量で入力受付時間が延長される。
CV:神田朱未
リベリオンに拘束され、強制労働されていたレプリロイド。ピンク髪で胸の「77」という模様が特徴である。救出後はオペレーターとして活躍する。
エックスが好きなのだが、どいつもこいつも朴念仁であり…
CV:堀秀行
「レジスタンス」の司令官。序盤でリベリオンに囚われるが、スパイダーと共闘したエックスによって救出される。「ネジの一本までお前に抵抗する」というレプリロイドらしいセリフは有名。
(シナモンの右下)
CV:龍田直樹
シナモンを造った科学者。カモノハシ型であり、サイズはペンギーゴとほぼ同じ。
政府やリベリオンにシナモンを「利用される」のを嫌い、加担を断っていたが「自分の意志で戦う」シナモンの言葉に渋々彼女をエックス達に託す。
CV:龍田直樹
マッシモの師匠。「臆病で弱い自分を変えたい」と訪ねてきた彼を鍛え上げ「マッシモ」の名とアーマーを託した。
CV:田中亮一
エックス達にリベリオン討伐を頼んだ連邦政府の大佐。電波障害に遭いやすく、エックス達に断片的な情報だけ伝えてすぐ通信が切れる。
彼の名前「Redips」を逆さから読むと…
リベリオン
(右上)
CV:堀之紀
リベリオン総帥。フォースメタルを使ったレプリロイドの完成形であるが、暴走して今に至る。フォースメタルによる強化は計り知れず、エックスバスターを片手で防ぐなど、桁外れた性能を見せる。フォースメタルによるレプリロイドの可能性を開くために反乱を起こした。
イレギュラー扱いされているが公式で「イレギュラーの定義から外れている」と言われている。
とはいえ、自分の意思で反逆したイレギュラーが1年後に発表された作品に登場しており…。
CV:増谷康紀
騎士道精神に溢れたレプリロイド。ダブルビームランスを駆使した高速戦闘を得意とする。リベリオンであるが、余計な犠牲を出すのを嫌い、誤って民間レプリロイドを傷つけると治療するなど非常に紳士的。
実はイプシロンのプロトタイプ。
CV:小山裕香
リベリオンの紅一点レプリロイド。リベリオンの思想に心酔し、イプシロンのために手段を択ばない戦い方をする。ビームウィップを使って敵を痛めつける、ドSな女王様気質である。
CV:塩屋浩三
遮光土器型のレプリロイド。幹部であるが忠誠心は無く、フォースメタルを手にするためにイプシロンの下にいるだけである。終盤にてフォースメタルを手にしたが…。
元は声楽家型レプリロイドで、小型ビット「Qビット」や破壊音波発生装置を装備した戦闘型に改造された。
性格は加虐心旺盛であり、人を小馬鹿にしたような態度を取る。
明確なモチーフがあるレプリロイドでは珍しい非生物型である。ちなみに『ロックマンゼクスアドベント』では巨大メカニロイドとして「クレイド・ザ・ジャイアント」が登場しているが、無関係だと思われる。
CV:増谷康紀
2話のボス。雷属性の山猫型レプリロイド。ズル賢い性格で語尾に「ニャ」が付くのが特徴。スパイダーの雇い主であり、占領されていたセントラルタワーにてアルを囚えていた。
スパイダーに裏切られ、タワーの爆破に乗じて逃走を目論んだが、最後はエックスと組んだスパイダーに敗れて計画の尽くを叩き潰された。サーベルタイガーよろしく、両頬には三日月状の牙が確認でき、両腕から伸びるクローや雷を落とす「ドメガサンダー」、回転して敵にぶつかる「ローリングアサルト」が武器。
CV:郷里大輔
3話のボス。元軍人で岩盤破砕用トリケラトプス型レプリロイド。残忍な性格で「アクア・コロシアム」にて捕虜達を弄ぶように破壊する。更に…
こんな見た目だが、水属性であり、大波を発生させる「タイダルウェーブ」、冷凍攻撃の「ショックゲイザー」、角から発射される光弾「アビスプレッシャー」などの武器を有している。ナナらレジスタンス兵をティアナ海底収容所に拘束するなどステージまで『水』に縁がある。
ナナを踏み付けた挙句、かつて倒した鋼鉄のマッシモを侮辱した為にマッシモの怒りを買った為に倒された。
CV:塩屋浩三
4話のボス。高速演算処理人型レプリロイド。姑息な性格。ガウディル研究所でフォースメタル・ジェネレータを持つシナモンを攫おうとした。
因みにロックマンXDiVEにも、オウムガイのような見た目で第二形態のマッドノーチラスがボスとして登場している。
CV:高塚正也
5話のボス。強化軽量装甲ツバメ型レプリロイド。ギガンティスに派遣されていた元政府軍の一員で、名の通り紳士的な言動を好む(燕尾服から着想を得たのだろうか)。ウルファト生産工場のメインコンピュータ“デュボア”を使ってプレオン兵を操りつつ、レジスタンスを襲撃しようとした(デュボアは彼の音声データしか受け付けない仕様で、死に際に暴走させるが、これを逆手に取ったアクセルの変身により停止された)。
杖から火炎「ゲヘナフレイム」を発射する他、モチーフに違わぬ高速戦闘を展開する。戦闘力はゼロと互角。
CV:郷里大輔
6話のボス。スフィンクスあるいは阿修羅像のような姿をしており、正面を向いた顔によって属性が炎、水、雷のいずれかに切り替わり(ボディの色も変化する)、浮遊する6つの腕「阿修羅ナックル」と合わせた変幻自在の戦いを得意とする。
ギミアラ採掘所にフォースメタル研究所があるというデマを流し、エックスらを閉じ込めて爆破を目論んだが、スパイダーに道連れにされて倒された。
CV:高塚正也
凶悪そうな武者を思わせる姿をした6話の中ボス。腕から伸びる青い刀と大砲「雷牙」で武装している。
イレギュラーハンターでもあり、ギガンティスに土地勘があるためか、序盤でエックスとゼロと共にギガンティス・ラグラノ廃墟へ潜入するが裏切り、ゼロが行方不明となってしまう。
超フォースメタルで強化された状態でエックスらを苦しめるが、帰還したゼロを加えたエックスらに倒された。死に際に雷牙でエックスらを狙撃しようとしたがスパイダーに防がれ、投擲されたカードを食らって今度こそ爆散した。
性質は残忍かつ嘘が巧みなのだが、「全てのレプリロイドの理想」の為にイプシロンらに協力しているようであり、イプシロンへの忠誠心を窺わせる発言をしている。
デプスドラグーン
連邦政府軍極東司令部所属のタツノオトシゴ型レプリロイドで、老獪な口調で話す。
上半身がタツノオトシゴ型の騎士で下半身が緑色のリュウグウノツカイに似たメカニロイドで構成されている。槍から放つ雷鳴撃などの雷属性の能力を有する。
戦闘BGMはどういうわけかマッシモのテーマの流用。
隠しボス
CV:堀秀行
「我、最強なり!!」
セントラルタワー特別封鎖区画のボスで、階層ごとに「ワンテイル」、「ツーテイルズ」といった尻尾の数に応じた強さを持つ同形機が複数存在するキツネ型レプリロイド。見た目は同じモチーフのキュービット・フォクスターと比べて拳法家のようなアジアンな出で立ち。
エレメンタルチェンジによる「ドギガファイア」/「ドギガブリザード」といった属性技、気功波を放つ「滅殺波動拳」、飛び蹴りを放つ「穿弓尾」などの様々な技を使いこなす。
一流アイドルになるために、日々ダンスと歌のレッスンに明け暮れているが、その姿をエックスらに見られて戦闘に突入する。
ラフレシア型の女性レプリロイドだが、ラフレシアをモチーフにした服装を着た人型といった方が正確なフォルムをしている(動植物モチーフには珍しいデザインである)。デフォルメされたひまわりのような杖で武装しており、戦闘ではベラドンナーという同形機と共に戦う。
戦闘BGMはなぜかマリノのテーマの流用…女性型だからであろうか?
カモノハシ型レプリロイドで、顔のような模様が描かれた巨大な棍棒「ナグールD」で武装しており、背中には巨大ドリルを装備したメカニロイド「ホール・ド・K」を背負っている。
サイズはアイシー・ペンギーゴのように小柄で、口調もかなりコミカル。
彼もBGMがマッシモのテーマ曲の流用。
その他
CV:高塚正也
レジスタンスの副官。男性レプリロイド。 第2話で登場する。
上半身はごく普通の人型レプリロイドの胴体だが、下半身はホバー装置と一体化しており、脚部が
無い。 囚われているアル長官を救出すべくセントラルタワーに乗り込んでいたところ、ある部屋でエックスと遭遇。 自分一人の力では無理だと理解しており、エックスもアル長官を助けに来たことを知ると総督府への出入りが可能になる自分のIDをエックスに託した。
その後は追っ手を食い止めるべく部屋からエックスを突き出した後、リベリオン兵を巻き込んで自爆してしまった。 囚われていたレジスタンスの1人によると、アル長官に拾われて以来親のように慕っていたとのこと。 また、スパイダー曰く”駆け出しの賞金稼ぎだった時の相棒で、自分のくだらないミスで敵にやられた“らしい。そのためか、彼のIDを見てスパイダーはジャンゴーを裏切り、エックスの味方になった。 会話時には何故か口が動かない。前述の過去のミスとの関係は不明。
余談
飽くまでもナンバリング本編から約100年後の外伝シリーズという扱いで本作に登場したキャラたちは時間軸の都合上、以降のシリーズに登場することはなかったが・・・・・・・・・
2019年に公開された新作スマホアプリ「ロックマンXDIVE」のタイトルトレーラーにマリノとシナモンの姿が確認された。
その後の開発中の映像でマリノがプレイヤーとして操作されているのが確認され、敵だったフェラムまで操作キャラになるらしい。また2020年1月30日にはマッシモの姿も確認されており、彼らは現在立派な操作キャラとなっている。