山形新幹線
やまがたしんかんせん
概要
大まかに分けて、以下の2つを指す。
- (1):東京駅(東京都千代田区)から上野駅(東京都台東区)・大宮駅(埼玉県さいたま市大宮区)・福島駅(福島県福島市)・山形駅(山形県山形市)を経由して新庄駅(山形県新庄市)までを結ぶ、JR東日本の路線の通称。
- (2):(1)のルートを運転するミニ新幹線(新幹線電車を使用して新幹線と在来線の直通運転を行う特急列車)「つばさ」の通称。
東京駅〜福島駅間はフル規格の新幹線(標準軌の高速新線)であり、正式な路線名は東北新幹線。この区間では、「つばさ」は東北新幹線の「やまびこ」(E4系を使用していた列車は「Maxやまびこ」)と連結して運転される場合が多い(単独運転の列車もある)。
山形新幹線の開業当初、同区間における最高速度は東京駅〜上野駅〜大宮駅間が110km/h、大宮駅〜宇都宮駅〜福島駅間が240km/hだった。2012年3月17日に山形新幹線の一部列車で宇都宮駅〜福島駅間の最高速度が275km/hに向上し、同年9月29日には全列車の宇都宮駅〜福島駅間の最高速度が275km/hに統一された。2021年3月13日には、上野駅〜大宮駅間のうち埼玉県内の区間の最高速度が全列車で130km/hに向上した。今後は2024年春から2026年にかけて、大宮駅〜福島駅間の最高速度が順次300km/hに引き上げられる予定。
福島駅〜山形駅〜新庄駅間は軌間を狭軌(1,067mm)から標準軌(1,435mm)に改軌した在来線であり、正式な路線名は奥羽本線。狭義ではこちらの区間を指して「山形新幹線」と呼称する場合が多い。1992年7月1日に福島駅〜山形駅間が日本初のミニ新幹線として開業。1999年12月4日に山形駅〜新庄駅間が延伸された。軌間を改軌しただけなので、最高速度(130km/h)などは在来線と変わらない。保安システムにはATCではなくATSが使用され、踏切や単線区間も存在する。なお、同区間の普通列車については「山形線」の愛称が用いられている。
福島駅の新幹線用ホームは新幹線(東北新幹線)と在来線(奥羽本線)を接続するアプローチ線が下り線の1本のみ(上下線共用)であり、山形新幹線の列車(および連結する東北新幹線の列車)が発着できるホームが下り線の1本(14番線)しかない。このため、上り列車は福島駅への発着時に東北新幹線の下り本線を平面交差する必要があり、ダイヤ上のネックとなっている。この平面交差を解消し、輸送障害時のダイヤ復旧時間短縮を目的として、上り線のホーム(11番線)に接続する上り専用のアプローチ線を新設し、従来のアプローチ線を下り専用にするための工事が行われており、2026年度末に完成する予定。