人間か!? マシーンか!?
底知れぬ戦闘能力を秘め
巨大な犯罪ゾーンに出現した
史上最強のバイオレンス・ヒーロー!
概要
荒廃しきったデトロイトを舞台にロボット警察官に改造されてしまった警察官マーフィーが繰り広げるSFアクション映画。
1987年、ポール・バーホーベン監督による1作目が公開。低予算だったにもかかわらず大ヒット。シリーズ化やTVドラマ化、アニメ化、アメコミにもなった。
ストーリー(映画三部作)
ロボコップ
未来都市『デルタシティ』の建設に伴いさらなる治安強化と犯罪撲滅を挙げて、オムニ社では警官に取って代わるロボットの開発が進められた。その過程で開発されたロボットED-209のデモンストレーションを実施するが、犯人役を射殺してしまう最悪の事態が発生。
その件で開発責任者のジョーンズは会長からの失望を買い、代わって別計画を進めていたモートンの案が採用される。それには、人間の素体が必要だった。
そんな中、デトロイト市警に配属されたばかりのアレックス・マーフィー巡査がクラレンス一味に殺害され殉職。オムニ社はその機に、彼の遺体から生体部分を部品として利用。ロボット警察官『ロボコップ』がここに誕生した。
ロボコップ2
新種の麻薬『ヌーク』がデトロイト市内で蔓延、深刻な問題となっていた。そして、それを取り締まるはずのデトロイト市警はオムニ社との労使交渉で連日ストライキを行使。そのため治安はますます悪化の一途をたどっていた。
この状況に業を煮やしていたオムニ社は、ロボコップ=マーフィーを上回るロボコップ2号機の製作に取り掛かるが、いずれも肉体の喪失と精神崩壊で発狂した末に自殺するという悲惨な結果に陥っていた。それを見据えていた心理学者のジュリエット・ファックス博士は「機械の身体を受け容れるのは警官よりも、むしろ力を欲する犯罪者」と結論付け、開発の主導権を得る。
その素体適合者として『ヌーク』の製造と密売で悪名を轟かせていた、とある男に目を付ける。
ロボコップ3
オムニ社は日本企業『カネミツ・コーポレーション』に買収され、遅停していたデルタシティ計画の着手に。それに伴い結成された、私設特殊部隊『リハッブ』による住民立ち退き並び強制収容所送りを執行する。
反対派の住民たちはそれに異を唱え、レジスタンス組織を結成し、リハッブ隊、およびオムニ社に対抗していた。そして、これら両者の戦いで治安はさらに悪化し、「リーパーズ」と呼ばれるギャング集団も台頭するように。
リハッブの司令官マグダゲットはデトロイト市警にも住民の強制退去に協力を要請、ロボコップにもその命令を下すも、ロボコップ本人はそれを拒否。アン・ルイス婦警とともにレジスタンス側に付くが、それにともないルイスはマグダゲットの凶弾の前に倒れてしまった。
オムニ社のデルタ・シティ建設が停滞しているのを知り、カネミツ本社からは忍者ロボット「オートモ」を派遣する。
スパイのためにレジスタンス本部は襲撃され、徐々に数が減っていく。
女子供すら手をかけるオムニ社やリハッブ隊に対し、署長を始めとする警察官達はバッジを捨てると、レジスタンス側に付く。
これに対して、逮捕されたリーパーズを戦力に加えたリハッブは優勢に進行し、レジスタンスを殲滅せんとする。が、飛行ユニット「フライトパック」を装着したロボコップにより、形勢逆転する。
後日、オムニ社CEOを引きつれたカネミツ会長本人がレジスタンスの前に現れ、深々とお辞儀を。オムニ社CEOがロボコップに、「君には負けたよ。確か、マーフィーと言ったかな?」と問いかけるが、
「そう呼べるのは友達だけだ。君達にはロボコップだ」と言い放つのだった。
シリーズ一覧
映画
タイトル | 公開年 | 監督 |
---|---|---|
ロボコップ「RoboCop」 | 1987年 | ポール・バーホーベン |
ロボコップ2「RoboCop 2」 | 1990年 | アーヴィン・カーシュナー |
ロボコップ3「RoboCop 3」 | 1993年 | フレッド・デッカー |
ロボコップ(リメイク)「RoboCop」 | 2013年 | ジョゼ・パジーリャ |
配給はオライオン・ピクチャーズ(1~3)、MGM(リメイク)。
『2』『3』の脚本にはフランク・ミラーが参加している。
TVシリーズ
タイトル | 話数 | 放送期間 |
---|---|---|
ロボコップ:ザ・シリーズ「RoboCop: The Series」 | 全23話 | 1994年~1995年 |
ロボコップ:プライムディレクティブ「RoboCop: Prime Directives」 | 全4話 | 2001年 |
権利元への資金援助の見返r…もとい映画版のヒットを受けて制作された。2つとも映画版とはキャスト&スタッフも異なるためパラレルワールドになっているが、『ザ・シリーズ』の脚本は没になった『2』の物を元にしているため一応続編と言えなくもない(脚本家も同じだし)。
アニメシリーズ
『ロボコップ THE ANIMATION』としてアメリカのみで放送(全12話)
日本では吹き替え版ビデオソフトとして全4巻が発売された。
向こうの大人の事情で敵を射殺するシーンは無く、敵はロボットやモンスターが登場するなど、キッズアニメらしくアレンジされている。
メタルヒーローとの関係
一部デザインは東映の『宇宙刑事ギャバン』からの引用である(デザイナーの村上克司快諾の下でのもの)。
その後、『機動刑事ジバン』などにロボコップの設定が「逆輸入」されている。
異名として
大相撲高見盛関や、元K-1選手ミルコ・クロコップなど、その風貌や仕草などで『ロボコップ』の異名を戴く有名人も少なくない。
キャラクターとしてのロボコップ
詳細は当該項目を参照。
関連動画
吹替の帝王シリーズ
余談
ロボコップの撮影はデトロイトじゃなくてダラスである。これは当時のデトロイトが、あまりに治安が悪すぎて撮影に適さなかった、というのもあるが、デトロイト市街は20世紀初頭ぐらいからの古い高層ビルが多かったため、どうやっても近未来都市のイメージを出せなかったという理由もあった。
それで近未来的な高層ビルが建ち並んでいたダラスが、イメージに合っていたのでロケ地に選ばれることになった。
関連タグ
ガジェット警部:主人公の警官が死亡するけど、サイボーグ化して蘇る。
エイトマン:殉職した警察官(こちらは刑事)が、ロボット体を得て復活するという点が共通。ただしこちらは、「記憶をロボットのボディに移植する」というもので、生体要素は存在しない。
電脳警察サイバーコップ:題名や登場ヒーローの外見(特に口元あたり)など、ロボコップのオマージュと思われる要素が散見されている。
キンタロス 恐竜グリード:ロボコップが頭部のモデルに使用されたライダー怪人。
仮面ライダードライブ:警察官が変身する平成仮面ライダー。仮面ライダーといえば改造人間で、「警察官の改造人間」繋がりと言いたいが、ドライブは改造人間ではない。
ターミネーター:ロボコップVSターミネーターでの登場。中にはエンドスケルトンが装甲を着こんでロボコップ化した物も登場する。
なお、2020年にはモータルコンバットにて再び共演した。