「人形使いが自分が操る人形より弱いとでも思っているならとんだ大間違いだな…」
概要
身長164cm、体重52kg。57歳。
ドクロの覆面と黒子のような衣装がトレードマークで自らを機巧芸術家(からくりあるていすと)と称する傀儡師。
死体を加工した人形を鋼の糸で操り、指一本ごとに200㎏の重量を釣り上げる程の並外れた腕力と10万分の1mm単位の精密制御能力を持ち合わせており、人形無しでも糸(ワイヤー)だけで十分に渡り合える実力を有する。本人曰く「人形師が人形より弱いはずがない」
その目的は「技術の発展と最先端は戦いの中にある」とする結論から、戦火を巻き起こそうとする者の傍らに就いている。その為、普段はユーモアを交えた捉えどころのない態度を取りつつも、根は冷徹かつ冷血。
キャラクターのモデルは連続殺人犯エド・ゲイン。
京都編
夷腕坊の姿で活動。
志々雄真実に見切りを付け行方をくらませた後、更なるステータスアップの為に雪代縁に協力する。
ちなみに志々雄は夷腕坊の中に外印がいる実状に気づいていた旨が、後の作品で触れられている。
人誅編
人誅の仕上げに参號機夷腕坊・猛襲型で緋村剣心を苦しめ、更には神谷薫の屍人形(かばねにんぎょう)で「神谷薫の死」を演出して、剣心を生き地獄に落とし、剣心組も実質的に崩壊させた。
しかし、人誅が終わり外印も用済みとなり、縁から刺客として、数十人の達人をけしかけられるがこれを容易く返り討ちにした。
縁と袂を分かった後、外印は最高の「美」を誇る薫の屍人形を回収しようとするが、そのトリックに気付いた四乃森蒼紫に待ち伏せをされてしまい、そのまま蒼紫と戦闘になり、鋼線を使った戦術を披露するも追い詰められる。
そこで縁のアジトの1つを教えて、降参したふりをし、蒼紫を鋼線の罠に掛ける。そして、薫の屍人形の在り処を問うが「燃やした」と返答されて激昂。鋼線を着火し蒼紫を焼き殺そうとするが、逆に鋼線を利用されて自らも火の海に落下。本物の黒髑髏となった上、蒼紫は二度も掘り返されて土の緩くなった薫の墓穴に避難し焼死を免れて生存した(ただし、地下に潜んで直接的な焼死は免れても、あの規模の大火の中では普通に酸欠、あるいは熱気で咽喉が焼けた末の窒息死はあり得そうだが……)。
六人の同志で唯一の戦死者となった外印だが、最高傑作である薫の屍人形と同じく「燃やされる」末路は彼にとって皮肉でもあり、相応しい最期でもあったと評価できる。
蒼紫との戦闘の際に素顔を暴かれており、口調が狡猾で陰湿な老人のものに変化する等のキャラが一変したが、実際に人間の言動は装束によって大なり小なり変化するともされており、そこまで変ではない。
屍人形について
外印の手掛けた屍人形は高荷恵でも本物と錯覚してしまう程の出来であり、剣心の仲間に優秀な医師である恵がいたのも重なり、薫の屍人形によるダメージの演出を狙う一役になった。
屍人形に真っ先に気づいたのは蒼紫だが、それは御庭番衆の先代御頭達が残した資料の中に『影武者用の屍人形の技術』があったとの弁。
斎藤一も沢下条張が人誅同盟のアジトの1つから回収してきた、薫の調書と夷腕坊参號機の空洞から屍人形に気づいた。
薫の屍人形の初登場シーンは心臓に刀を突きさされ、左頬には十字傷を刻まれた薫のシーンは、当時としてもショッキングな描写で読者にも衝撃が走ったのでも有名。おそらく現在のネットかつSNSが当時に普及していたら、間違いなく騒動になっていたレベル。
ただし、薫の死体の正体が屍人形である経緯自体は、実はその前から外印が墓荒らしと推測される行動で材料となる死体を集めてたり、それで何かを作っている=猛襲型がそれであるかのようにミスリードされているが、八ツ目無名異は「あれ(猛襲型)が外印が作っていたもの……か?」と疑問を抱いているシーンや、戦闘時で外印自身が「芸術家として、造形美を極めた作品はいずれ必ずお見せする」発言等で伏線が張られていた。
また、前述の屍人形登場回が掲載された少年ジャンプの作者コメントでも和月氏は「少年漫画の王道はハッピーエンドであり、『剣心』も例外ではない」と、薫が実は死んでいない事が想像出来るコメントを寄せる等、読者のショックを極力和らげる措置をしている。
派生作品
原作では老獪な壮年男性だったが「仮面の下がブサイクやジジイでもウケん!」為に再筆版、キネマ版、実写版では若い美形の男性になっており、性格も異なる。
キネマ版では元・御庭番衆であり、現在は己の力量を試せる場を求めて裏社会を渡り歩く「死の芸術家(あるてぃすと)」として活動している。武器は縛殺細鋼糸(ばくさつさいこうし)と呼ばれる先端に錘を備えた鋼線。
戌亥番神と共に武田観柳に雇われ、神谷道場にて、斎藤と対決。糸を使って拘束し、優位に立つも力尽くで突破されて敗北する。
斎藤に「余裕がなかった」と指摘して強がるが自分を倒したのが右手の片手平刺突だった事実に察知(=手加減されていた)した為、最後の矜持も砕かれ、悲痛な叫びを上げた後に捕縛された。
実写版での演者は綾野剛。
こちらでは人形を使わず、ワイヤーや小刀、スリーブガンを使用。仮面をつけている理由は顔の左半分に花模様のような大きな火傷痕を隠すためとされた。
火傷のせいでまともな職に就けなかったことから、裏社会で活動し、観柳に雇われた過去を持つ。
しかしながら、観柳に恵の居場所を黙っていたり、恵に井戸に毒が放り込まれたヒントを教えたりと情が残っている部分も見られる。
最終的には剣心に敗北するも不殺に加え、恵の一件からか生かされることになるが戦いの最中「何が不殺の誓いだ…殺さずして、この闘いが終わると思うか?」と慟哭した辺り、本当は死に場所を求めていたのかもしれない。
これらのことから、全メディアでもっとも扱いの良い外印の声も多い。
関連項目
ヴィンスモーク・ジャッジ:「科学は戦争で進歩する」と同様の思考を持つ男。掲載紙も同じである意味『先輩・後輩』とも評する。
ミストバーン、キルバーン:亡霊を思わせる外見、糸を使う、人形を使う、真の本体は別に潜んでいる等の類似点がある。
ザボエラ:「老人」「常に強者に取り入って甘い汁を吸う」「最終的に仲間から見放される(手柄を立てないと処刑される)」「怪物の死体を凝縮して生み出した生物兵器に乗り込んで操作する」など外印とよく似ている。その最期も駆け引きの末に討たれるというものだった。
劍客兵器:劍客兵器側では雹辺兄弟も髑髏の仮面で顔を隠しているが、こちらの素顔は割と整っている。
江渡貝弥作:同じくエド・ゲインをモデルとしたジャンプキャラ。