概要
『機動戦士ガンダム』において、巨大ロボットにチャンバラをさせるために考案した、「高熱の剣」。
その名の通り、刃の部分を赤熱化させて対象を溶断する実体剣であり、非実体剣のビームサーベルと比べると取り回しや威力は劣るが、信頼性が高く、安価なコストで製造できる上に種類によっては実体剣ならではのメリットもある。
例に上げると、何らかの故障で赤熱化させる機能が使用不能になっても実剣として継続的に使用できる点である。
主なバリエーション
機体によって特徴が異なっている。媒体によっては「ヒート剣」という呼称が用いられるほか、とりわけグフやイフリート改などグラディウスのような幅広の刀身を持つものは近年では「ヒート・ソード」という呼称が用いられることが多い。
グフ
片刃の曲刀の形をしており、刃が形状記憶処理が行われた高分子化合物で作られている。別名「グフサーベル」。
普段は柄のみ状態であるが、戦闘で瞬時に刀身を形成する。
ちなみに当初の設定ではビームサーベルであったが、後付け設定で現在の形になっている。
ドム
グフのものとは違い、純粋な実体剣で棒状の刃となっている。
熱量が高く切れ味も優れているが、その反面損耗しやすく基本的に使い捨てである。
グフ・カスタム
片刃の実体剣で原型機と違って伸縮機能は無い。
劇中では何故か赤熱しない状態で使用したためか、鉈のように質量を活かした斬撃でモビルスーツを叩き割っていた。
また、U.C.0096年に確認されたジオン残党軍のゾゴックはこのタイプを赤熱させ使用していた。
イフリート改
刀刃の双剣で両手に装備している。
ドム・グロウスバイル
鉈状で機体の全長に匹敵するサイズとなっている。
類似した武器
ヒート・ホーク
刃の部分が赤熱化する斧状の武器でヒート・サーベルの原型とも言える。
主にザク系統の機体が使用する。
ヒート・ロッド
グフやガンダムエピオンが使用する鞭状の武器。
赤熱化させて目標を切断したり、巻きつけて捕縛したりする戦法がメイン。
ヒート・ナイフ/ヒート・ダガー
その名の通り刃渡りが短剣程度まで短くなったヒート・ソード。
ザク・マシンガンなどの重火器のアンダーバレルに着剣可能な物もあり、エッジ部分だけ加熱する省エネ式になったゼー・ズールのヒート・ナイフや、足裏のスラスター排熱で加熱する仕込み武器になったクロスボーン・ガンダムのヒート・ダガーなど加熱方式にも変わり種が多い。
ロング・ヒート・ブレード
TR計画で開発されたビームライフルの銃身兼ヒート・ブレード。TR-1やTR-5で試験が行われたロング・ブレード・ライフルは予備兵装に過ぎないものであったが、TR-6のコンポジッド・シールド・ブースターのものは薄い砲身にヒート・ブレードを備えた両刃剣となり、実用的な形状となった。
ヒートショーテル
ガンダムサンドロックのメイン武器。
その名の通り、ショーテルの形をした二振りの曲刀でヒート・サーベルと同様に赤熱化する。
ヒート・ランス
円錐状の穂先が赤熱化するランス。
ヒート・ランサー/ヒート・ハルバード
幅広の穂先が赤熱化する戦斧。
ドム高速実験型やダグ・シュナイド専用イフリートの他、先端にも穂先を持つ「ヒート・ハルバード」をドム・ノーミーデスとトールギスFが携行している。
XM518 超振動クラッシャー「ヴァシリエフ」
ザムザザーの近接戦用武器。
高速振動で赤熱化させて蟹のごとく目標を挟み切る鋏となっている。
実用化について
現実ではハンダゴテやホットナイフなどといった「高熱で溶断する器具」が存在しているものの、ヒート・サーベルのようなサイズで金属も切断できるものを作るのは困難と思われる。
また、人間が携帯できるサイズのヒート・サーベルを作るとなると下の動画のような大きな熱量が必要となる。