「……一つ掘っては金のためー 二つ掘っては国のためー 三つ掘っては憎しみのため……」
「石油に纏わる喜悦も利便も呪詛も憎悪も欲望も全て・・」
「一滴残らず私のもんだ! 人間なんかにくれてやるものか!」
概要
種族 | 饕餮 |
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登場作品 | 東方剛欲異聞:ラスボス/自機、東方獣王園:プレイアブルキャラ |
二つ名 | 無敗の剛欲同盟長(東方剛欲異聞)、本命の剛欲同盟長(東方獣王園) |
能力 | 何でも吸収する程度の能力 |
テーマ曲 | 強欲な獣のメメント 有機体全てのメメント 〜 Memory of Fossil Energy. |
畜生界の組織で騎士と評される剛欲同盟の同盟長を務めている子羊の姿の神獣。
剛欲同盟は埴安神袿姫から「プライドだけが高く実力は他に劣る」と評されているが、同盟長自身の実力はあえて自分を小さく見せているだけで、畜生界でも向かうところ敵無しとされる程の強力な実力の持ち主。部下からは「無敵に等しい能力を持っていて、頼りになりすぎるボス」と慕われている。
そしてその実力を持ちながら賢く冷静で無駄な争いは避ける性質を持っている。敵と相対した時も脅しても通用しない場合は抱き込む事を検討し、それも駄目なら表面的でも協力関係を結ぶことを試み、それも難しいと判断した場合は早々と撤退するといった行動を取って、無闇に争いを起こそうとはしない。またこの性質は彼女の率いる剛欲同盟のモットーが漁夫の利であることからも窺え、他の組織には不誠実かつ卑怯な手段が大好きだと倦厭されている(吉弔に関しては実質同類なのだが)。
饕餮本人は部下を持つ事に執着せずに何でも自分で行動する事を好んでいるようで、部下達もこれに感化されてか自分達で勝手に行動する者が多い。
『東方鬼形獣』の頃から存在を匂わせていたが『東方剛欲異聞』から本格的に登場。東方鬼形獣で動物霊達が埴安神袿姫打倒のために活動している最中、その騒ぎに乗じて饕餮は旧地獄の地底深くに眠っていた石油の海に目を付けていた。その石油を自身の組織のために全て独り占めし、集めた石油を使って畜生界のみならず地上の欲を全て自らの物にしようと目論んだ。
石油を封じに来たor利用しようとする自機勢の事を石油を奪い取ろうとする泥棒だとして攻撃を仕掛けてくる。
ただ本人の談では、石油の地上流出事件には関わっていないとの事だが…?
後述にもあるように能力が強過ぎるため、どの自機を選んでも最終的には敗北・撤退を余儀なくされる。
唯一の例外として彼女の能力だけは通用するため、彼女を自機にすることで饕餮との決着を迎えることが出来る。
そして2022年10月20日に饕餮のストーリーも追加。異変解決後を描いた後日談となっており、饕餮は隠岐奈との約束通り旧血の池地獄の管理を行なっている。しかし最近になって旧血の池地獄に足を踏み入れる者が増加。その原因を調べる為、地底の各地を巡る事となる。
『東方獣王園』では旧血の池地獄で知り合った天火人ちやりを傘下に加えて参戦。地上の土地の所有権が無くなったのを良い事に地上支配に乗り出す。
また、この作品で八雲藍とは過去に仲間であった事が判明した。
種族
饕餮
中国神話の神獣。
貪欲で大食漢で、実体霊体、有機体無機体問わずに何でも丸呑みにして食べてしまう。
体は牛か羊で、曲がった角、虎の牙、人の爪、人の顔を持つ。
中華の凶象「四凶」の一角。
炎帝の血を引く縉雲氏の子であったが、度重なる横行が災いして三皇五帝の一人である舜帝に他の四凶ともども世界の果てへと流刑に処された。一方でその凶暴さゆえに「毒を以て毒を制す」として、さらなる外界から来る魔の脅威への対抗勢力としても機能する。
饕餮はその無尽蔵の貪食ぶりから、同じ魔性さえ食らうとされ、青銅器の魔除けの「饕餮文」という紋様として鼎などに描かれた。
また名前の由来としては、饕餮には武器(兵器)製造が得意な不死身の軍神蚩尤説があり、炎帝末期に反乱を起こした部族の長で多くの兄弟と配下には風神と雨神がいたが黄帝との戦いに負けて捕まり処刑されて体と別々に埋められた。後に、兵主神として祭られている。
更には親の龍にはなれなかったという竜生九子の一匹という説もある。
ちなみにライバルである吉弔も龍の子供なのでその点では似た存在と言えなくもない。
能力
何でも吸収する程度の能力
部下曰く「無敵に等しい能力」。
物体はおろか力や欲と言った実体の無いものまでありとあらゆる物を吸収してしまい、その上呑み込んだ物を理解して自分の力にしてしまうというもの。
また、彼女自身も貪欲の塊そのものであり、欲がある限り再生するため滅する事は実質不可能らしく、攻撃すらもその貪欲さ故に吸収してしまうため、正攻法では倒す事すらできず、正に無敵に等しい能力と言える。
実際作中では博麗霊夢や霧雨魔理沙は彼女の攻略に打つ手が全くなく、そのまま敗北して地上へ戻された程であり上記の評価は決して過大では無い。
唯一自身を倒し得る存在である彼女との戦いでは、終始余裕を見せていた上にパワーアップというアドバンテージを得たが、最終的にはお腹が空いて巨大化してしまい吸収しか行えない状態を狙われて完全に破壊されている。(その状況で無ければ完全に破壊する事は叶わず逃げられてしまう。)
剛欲異聞でプレイアブル化した際は、水を大量に吸収する事で水で出来た龍のような姿になり、大口を開けて突撃する技を披露している。カラーは水の青色、石油の茶色、血の池の赤色の三色。
『東方獣王園』のストーリーにおいては戦って負ける場面もそこそこある。
ただ、吸収した物は自身の性格にも影響を与える為、『東方剛欲異聞』ではお礼を言ったり普通に会話をしていたがあれでも話の通じにくい狂暴な性格となっていた方らしい。
容姿
白色のモコモコ髪が特徴的なセミロングの頭に、青いリボンを巻いた真っ赤な羊角を二本生やしている。
瞳の色は赤色で羊のような横長の瞳孔に変化する瞳を持っている。
背が低く(ドット絵では霊夢よりも背が低い)、幼い少女のような姿ながらギザギザとした歯とリング状のピアスを付けたエルフ耳をしており、上記の羊のような特徴も相まって中国神話に語られる饕餮らしい凶悪そうな顔つきをしている。
服装は饕餮文のパーツが入ったワンピースのような衣装で、その下に赤色の肩出しインナーを着用している。
ちなみに裸足である。
また手には自分の背丈よりも大きい巨大な金属の先割れスプーンを持っており、これをスコップのように扱ったり、振り回して武器として扱う。
余談だが描き手によっては尤魔の瞳にハイライトが入らない事がある。というのも原作グラフィックではハイライトが小さく描かれており視認し辛いため。また、スプーンの柄尻にも饕餮文の彫金がされているが、通常 (スプーンを片手で持っている方) の立ち絵では柄尻が見切れて視認できないために描かれないことが多い。
自分の姿を小さくしている事が剛欲異聞中で明かされており、剛欲同盟が空と巨体で戦う組織である事を含めて彼女が巨大化する伏線になっている。
『獣王園』では基本的な容姿や衣装は変わっていないが、打って変わって狂暴そうな顔つきは鳴りを潜め、口元もギザ歯が見えなくなっている。…そして胸がとても大きい。きれいなとうてつ
「二件目ラジオ」での対談によれば、元々ZUN氏の原画にはギザ歯はなかったらしいので、こちらが本来の饕餮の容姿なのかもしれない。
もっとも、『剛欲異聞』時は石油の食べ過ぎで、いつもより狂暴化しているらしいので、その影響が容姿にも表れていたとも考えられる。
自分の姿だけじゃなく吸収する事で自分の性格さえも自由自在に変化させる事が出来るのは珍しいタイプかもしれない。
スペルカード
東方剛欲異聞
- 採取「世界の在り方を変える黒い水」
- 蒸留「強引で未熟な蒸留装置」
- 剛欲「この世に存在してはならない暴食」
- 採血「ガイアの血液」
- 精錬「呪われた血液の追憶」
- 「剛欲な獣神トウテツの夕餉」
- 「お腹を空かせたグリードモンスター」
東方獣王園
- 宿怨「ゴージライザー」
- 「アブソーバーファントム」(ストーリーモード限定)
- 「底辺の暴食」(ストーリーモード限定)
二次設定
登場前の「イマジナリー饕餮」
東方鬼形獣の時点で驪駒早鬼の口からオオワシ霊属する剛欲同盟の組長が饕餮であることが確定していたが、饕餮本人が登場しなかったため二次創作ではその間イマジナリー饕餮という二次創作キャラをそれぞれ制作していて補完していた。
カップリング
よくあるのは剛欲異聞本編の行動からフランドール・スカーレット(尤フラ)や摩多羅隠岐奈(おきゆま)、畜生界の組長ということで吉弔八千慧や驪駒早鬼とのグループ(三組長)が見られる。
更に、八雲藍とは過去に仲間であったことが明かされた。(尤藍)
姿の変化や性格の変化
剛欲異聞が頒布された直後にサラサラした長髪の穏やかで家庭的な大人の女性に変化するネタが生み出されたりもした。
その他にも解釈違いネタとして使われたりしている。
他作品ネタ
手に持っている先割れスプーンからスガキヤ、能力繋がりでカービィのパロディが描かれることも。
東方キャラの日
二次創作イベントタグ「東方キャラの日」では「10月12日は尤魔の日/10月12日は饕餮の日」が提案された。由来は、「10(とお→とう)」「12⇒10(テン→て) 2(ツー→つ)」で「とうてつ」の語呂合わせ。
関連イラスト
関連タグ
八雲藍:昔の仲間
東方鬼葬剣:尤魔と同様に饕餮や蚩尤をモチーフにしているキャラが登場する東方二次創作STG
饕喰楽まぐら 八蘇神秋雨:鬼葬剣での饕餮と蚩尤がモチーフのキャラクター