概要
主人公の父親であり、アリアハンが誇る勇者。バラモス討伐のため世界を旅していたが、ネクロゴンド火山における魔物(HD-2D版『ドラゴンクエストⅢ』にてこの魔物はレヴナントという魔物であったことが判明した)との死闘を最後に消息を絶つ。主人公が物心つく前に旅立った為、主人公は父の記憶をほとんど持っていない。
HD-2D版では各地でオルテガの軌跡を知る事ができるようになり、その中ではサマンオサの戦士サイモンやドワーフのほこらにいるドワーフなどとも旅をしていた事が明かされた。また、ムオルにおいてなぜオルテガが「ポカパマズ」と呼ばれているのかはこれまでは不明だったが、HD-2D版では数々の武勇から「オルテガ」の名を聞きつけ魔物が襲いに来るため、戦いに疲れたオルテガが本来の名を捨て名乗った偽名であることが明かされた(それでも戦いの日々は続いた為徒労に終わったようだが…)。
パパスやアーウィンが我が子に名付けようとした「トンヌラ」といい、どうもドラゴンクエストシリーズの父親はネーミングセンスが尖っている様子。
後に大けがをし、記憶を失いながらも、異世界であるアレフガルドで生き延びていたことが判明。
そこで大魔王ゾーマの存在を知り、一人ゾーマの城に乗り込むが、ゾーマの配下であるキングヒドラとの一騎打ちに敗れ絶命(ファミリーコンピュータ版のみ『かつにはかったが どうやら さいごのちからをつかいはたしたらしい』という専用セリフが用意されているものの、理論上チートなしにオルテガが勝つことはできず、セリフから分かる通りどちらにせよ死んでしまう)。その様を我が子に目撃されていたが、目をやられていたため自分を看取った者の正体を知らずにこの世を去った。HD-2D版では主人公もオルテガの死に悲しむ暇がなく、そのままゾーマ討伐へと向かうというシーンが描かれた。
成長した我が子に看取られ最期を迎える描写は『ドラゴンクエストⅢ』のシナリオ上きわめて重要なシーンだが、スーパーファミコン版以降のリメイク版『ドラゴンクエストⅢ』では本編クリア後にオルテガを復活させる手段が追加されている。
『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード ビクトリー』における「宿王誕生」(DLCのSPカード「やまびこのさとり」によるとどめの一撃)のエフェクトではキングヒドラ戦の直後にアッサリ蘇生している。
なお『小説 ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…』ではキングヒドラを含むゾーマ八魔将のうち四体までを討ち取っているが、小説版オリジナルキャラクターであるチコに倒されている(オルテガを火山の火口に突き落としたのも彼女。この時代はまだレヴナントがいなかったので仕方なしか)。またカンダタとも面識があったことになっている。
ちなみに勇者と褒め称えられているが、彼が勇者と呼ばれるようになった過去の実績は不明。
容姿について
ファミリーコンピュータ版
スーパーファミコン版
海外版
グラフィックは、ファミリーコンピュータ版のエリミネーターの色違い、スーパーファミコン版以降の軽装のダンディな斧使い(『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』ではこちらの姿に近いデザインとなっており、以降の作品の『星のドラゴンクエスト』や『ドラゴンクエストライバルズエース』、HD-2D版『ドラゴンクエストⅢ』もこの姿に準じている)、海外版『ドラゴンクエストⅢ』にのみ登場する、鎧を着込んだ剣士の3パターンが存在する。
開発初期のデザインはリメイク後のような姿であったが、ファミリーコンピュータ版の覆面マントにパンツ一丁のインパクトが強く、後年も(公式を含め)度々ネタにされている。ちなみにファミリーコンピュータ版における戦闘時以外のグラフィックは「あらくれ」の流用。容量削減のためとはいえ、ほかに選択肢もあるだろうに…また、スーパーファミコン版のROM自体には覆面パンツマスクのグラフィックも入っていたりする。
ちなみに、『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』には、ファミリーコンピュータ版と同デザインの「オルテ『カ』」というモンスターも登場する。
また、ファン間では先祖返り的な意味で後の子孫達をこの格好にする二次創作ネタも稀にあったが、これは最悪の形で公式ネタになることになった。
担当声優・俳優
声優
- 戸谷公次:『CDシアター ドラゴンクエストⅢ』
- 東地宏樹:『ドラゴンクエストライバルズエース』『ドラゴンクエストⅢ HD-2Dリマスター』
俳優
- 柳瀬大輔:舞台『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』
余談
オルテガの余談
なお、勇者の血縁者かつ自身も勇者だと断言されているのは、2021年現在でも彼だけである(『ドラゴンクエストⅡ』の二人の王子・王女及びその親はあくまで『勇者の子孫』、『ドラゴンクエストⅤ』のグランバニア王は魔性の者であるため)。
また、よくよく考えてみるとムオルやネクロゴンド火山で複数の魔物に対して一歩も退かず激闘を繰り広げたり、敵の攻撃を回避することで軽装の防御力を補ったり、マグマに落ちたのに死んでなかったり、山岳地帯や海を我が身一つで渡っていたりと主人公にも真似できないとんでもない行動の数々を見せたことから、これらの条件をすべて満たせるため「一人だけ『ドラゴンクエストビルダーズシリーズ』のシステムで生きてる」と冗談交じりに言われることもある。
王様の余談
上述の通り、『ドラゴンクエストⅢ』が大ヒットし何度もリメイク版が制作されるたび、オルテガに関する設定や描写も増量され変化していったが、一方でそんな大勇者となったオルテガの実子である主人公が旅立つ際のアリアハン王からの餞別品は、50ゴールドとこんぼう・ひのきのぼう・たびびとのふくの貧相な装備セットのままで当初から一切変わっていない(無論主な理由はゲームバランス。というかそれ以上でも以下でもないのだが)。
かつてはこうした王のケチ臭さについて反論する考察もあり、所詮オルテガもたくさんいる自称勇者たちの一名であり、王は多少の名声など本気で認めてはおらず、そんな連中にいちいち豪華な贈り物をする余裕など無いからである・・・などと辻褄を合わせようとする説も一理あったのだが、現在はこうしたリメイク後の描写とはますます噛み合わなくなり、いっそう王様やアリアハン国が単なる恩知らずのケチという解釈が強まることとなった。
HD-2D版においてはオルテガが一人で旅立ったことについて
「オルテガは出立時から圧倒的に強かったので共に戦える者がいなかった」
「当時ルイーダの酒場のような施設が無く、有力な協力者を募る手段が無かった」
と説明されており、ルイーダの酒場はオルテガの悲劇を悔いた王様が「冒険者を集めて支援し、オルテガの意志を継ぐものが現れた時にその助けとなれる者を見つけられるようにしよう」と私財を投じてつくられたものであったと明かされた。つまり王様は直接的な物品による支援ではなく、施設に投資し人材のベースアップによる支援を選んだという解釈である。
またネクロコ゚ンド火山への突入直前に王様に会いに行くと「オルテガが戦死したネクロゴンドに何かあることは分かっていた、しかし旅立ったばかりの勇者が近付くには危険すぎる場所のためそのことはあえて伝えずにいた」という話を聞ける。そこから更に解釈を広げると、勇者の旅路についても「極端に強い装備を持たせ危険な戦いに突っ込ませるより、相応の装備で相応の相手と戦い、着実に経験を積ませたほうがより確実に生き残れるだろう」という思惑があったとも考えられる。
関連タグ
ドラゴンクエストⅢ 父親 勇者(DQ3) エリミネーター カンダタ