うまい棒(=10円)をもらえた方がよっぽど嬉しい。
概要
初登場は『ドラゴンクエストⅡ』。シリーズにもよるが、ほぼ全てのキャラクターが装備できる。初代『ドラゴンクエスト』のたけざおに代わるドラゴンクエストシリーズ恒例の最弱武器。
ビジュアル面も「30~50cmほどの木の棒の端を布か革の帯を巻いて柄にしてある」感じと、とても簡素。
「なぜひのきなのか、樫のほうがまだマシだ」と思う人もいるだろうが、樫はこんぼうで使われている。堀井雄二曰く、「かしのぼう」だと菓子の棒と勘違いされそうなのでひのきにしたそうだが、ひのきにした所で火の木の棒と勘違いされる事に変わりはなかった。
それを踏まえたのか、後発の作品では「かしのつえ」が登場している。…これもこれで「菓子の杖」(飴でできた奴)かと勘違いされそうだが、また後にはそれ(キャンディケイン)も実装されたりしている(なぜか打撃武器ではなく鎌扱いだが)。
多くの場合は魔法使い系キャラの初期装備(例:ムーンブルクの王女、ブライ)だが、場合によっては主人公の武器である事も。『ドラゴンクエストⅢ』に到っては王様から賜る武具の一つとして登場している。
これでよく魔王討伐なんて頼んだものである。
『ドラゴンクエストⅧ』ではこんな見た目ながら剣のカテゴリに入っており、やろうと思えばひのきのぼうで「ギガスラッシュ」を撃つなどというお遊びも出来る。
また、オーソドックスな木の棒なためか錬金素材としての使い道はそれなりにある。
『ドラゴンクエストⅪ』では「片手剣」に分類され、序盤から店売りされているが、主人公の初期装備より弱く、わざわざ買うプレイヤーも少ないため旧作に比べて影が薄い。しかし今作の片手剣には「ドラゴン系への与ダメージが+10%」が共通効果として付与されており、当然ひのきのぼうも該当している。
ちなみに、漫画『ドラゴンクエスト 幻の大地』では、背負っている剣が抜けなかった間、主人公のボッツがこのひのきのぼうを使っていた。剣のような形に削られている。
『ドラゴンクエストⅧ』で剣に分類されているのはこれが元ネタなのだろうか?
また、『ドラゴンクエストⅪ』とのコラボ武器として『NieR:Automata』にも登場。
攻撃力は低いものの、強化することでクリティカル発生率が高くなり、装備中、フィールドの宝箱と敵へのダメージ数値がドラゴンクエスト風になる。
採用された理由は、ヨコオタロウ氏の「ドラゴンクエストと言えばひのきのぼう!」という熱い思いによるものであり、その思いが届いたのか最初はリストラされる筈だった『ドラゴンクエストⅪ』でも続投が決まり、作中においてNieRでのCGモデルがそのまま流用されている。
そしてみんなのトラウマと悪名高い『ドラゴンクエストⅤ』の幼少期のゲマ戦だが、実はスーパーファミコン版で万策尽くしてゲマに勝利すると4096の1という極めて低確率でひのきのぼうを落とすことがある。
なんで「ひのきのぼう」なのか、それともゲマが舐めプでひのきのぼうを使っていたのか、謎は尽きない。ただやりこみプレイの一環で、このひのきのぼうを狙うマニアックな苦行を敢行するプレイヤーもいる。