ギャーソリン
ぎゃーそりん
概要
敵組織である『大宇宙侵略大走力団ハシリヤン』が集めている、人間の発する悲鳴を元にして生み出されるエネルギー。
彼らが地球へと侵略の魔手を伸ばしたのも「地球ナワバリ計画」の一環としてギャーソリンを地球人から発生・捻出することが狙いだが、それを必要とし何の目的で使おうとしているかは未だ不明。
少なくともバクアゲ1の時点までに、以下に列挙したポイントが確認されている。
また、苦魔獣が倒されると溜め込まれていたギャーソリンも暴走し、ハイウェイ空間を経由して倒された苦魔獣が再生・巨大化する性質が、ブンブンの台詞によって示唆されている。その際、サンシーターのメンバーであるヤイヤイ・ヤルカーが、暴走状態のギャーソリンを体内に取り込み、後に吐き出すプロセスを経て再生・巨大化が行われるのだが、その間のヤルカーも我を失った状態にある様子から、視聴者の間では 「この両者の間に何らかの因果関係があるのではないか?」 と見る向きもある。
キャノンボーグが魔改造した際、副作用としてヤルカーを経由せずに巨大化が生じる場合がある。
この場合ギャーソリンを無駄に消費してしまう為、「無駄食いするだけで大失敗」と見なされる。
人間の悲鳴、つまり恐怖や絶望等のマイナスな感情から発せられるエネルギーなので、それらの感情が軽減されると消えてしまう性質がある。しかし苦魔獣に回収された分は消えない。
備考
ネーミングは車の動力源であるガソリン、それに悲鳴の代表的なオノマトペである「ギャー」に由来しており、企画者104の松井大による渾身のアイディアである旨が、番組公式サイトにて言及されている。
ガソリンも、ガソリンスタンドなどで扱われている物の大半は、灯油などとの区別を図る為にオレンジ系統の色で着色されている。
関連タグ
モンスターズ・インク:「人間の悲鳴からなるエネルギーを回収する」点で、多くの視聴者から想起された作品。ちなみに本作品が放送された2024年にアメリカの女子高生がこの映画から着想を得て、ギャーソリン宜しく騒音からの発電に成功している。
以下、ネタバレ注意!
ギャーソリンの実態
バクアゲ36でI.S.Aに召集された振騎玄蕃、焔先斗&ビュン・ディーゼルによって明かされたギャーソリンの実態……それは「ハシリヤンのボスたるワルイド・スピンドーの〈生命エネルギーの根幹〉」 であった。
3人の言葉を要約すると「ワルイド・スピンドーはギャーソリンを得た分だけ生きられ、それに伴い力も増していく」 と答えている。
上記の真実の発露により、「ハシリヤンはマンモス規模でありながら、トップが自らの利益の為だけに興された矮小な組織」である実態が明かされた。
しかしバクアゲFINALにおいて、スピンドーはギャーソリンの絶え間ない供給で自身を延命している実態が発覚。宇宙中の悲鳴をエネルギーとして掌握していると思われた巨悪が、実際は悲鳴に依存してこの世にしがみ付いている皮肉めいた真実を晒した後、ブンブンジャーに自分の信じていた物全てを覆される事で己の敗北を悟ったスピンドーはギャーソリンの供給を止め、既に迎えていた寿命を受け入れ散る最後を迎えた。
こうしてトップのスピンドーが死にハシリヤンは壊滅するも、彼が宇宙全土に広げたギャーソリンの生産・運搬システムは手付かずのまま残された。そしてギャーソリンの利用技術(※隊長や苦魔獣のギャーソリン大強化体/大暴走体が凡例)がある程度確立されている事や「ハシリヤン利権」によりギャーソリンの精製システムに大小なりとも喰い込んだ闇の権力者の存在から、やがてスピンドーと同じくギャーソリンによる延命技術を編み出して悲鳴を独占しようとする者が現れる可能性も高い状況ともなった。
実際、闇の権力者らはそれを見越してハシリヤン利権に乗り、ハシリヤンの飼い殺しにされる境遇へ甘んじつつも機会を窺っていた事が常槍の物語退場時の発言からも読み取れ、何より中核であったスピンドー本人が「自分が死んでも悲鳴を独占しようとするものが必ず現れる(意訳)」と散り際に言い残している。だが見方によっては、ギャーソリン=悲鳴をエネルギーに変える方法が確立され、それを独占しようと“悪=力を持っているも己が我欲に振り回された者”らが弱者を巻き込みつつお互いを蹴落とそうとする、醜く愚かで滑稽な絵面でもある。
そして、悪党共の内輪揉めの背後でギャーソリンが際限無く蓄えられていく構図が生まれてもおり、このままでは「勝利者もいないまま宇宙規模で人々の営む文明社会が腐り落ちて滅ぶ最悪の未来」も想定し得る現状でもあった。
この混迷する現実の前に、I.S.Aのトップに立った調の要請を受けたブンブンジャーは夢へ挑むと同時に、ハシリヤンが宇宙中に残してしまったギャーソリンに関わる存在と戦う=悲鳴を上げる弱者の元へ駆け付けるヒーローとしての活動を続ける事を決めた。
それこそが、誰よりも悲鳴を嫌いつつもそれにハンドル(生き様)を握られてしまったスピンドーへの回答であり、彼へ誓った「悲鳴の無いバクアゲな歓声の溢れる世界」へと続く唯一の道であるが故に。
関連タグ(ネタバレ)
ドン・アルマゲ:宇宙規模の嘆きと苦しみ=負の感情エネルギーから生まれた思念体で、『際限無く蓄えられ続けた末に自我が生じたギャーソリン』とも呼べるだろう存在。自分に隷従する者らが造り出した巨大組織も、それに虐げられる弱者も等しく負の感情を搾取する資源としか考えない価値観を持つが、上述したヒトの醜さや愚かさ等が高まって自分を誕生させた事実を反映しただけとも考えられる。なおこちらは宇宙全土の負の感情を自分1人だけへ集める事に拘り、その結果負の感情を精製するシステム諸共滅ぶ最期を迎えた。