概要
2010年05月01日にニコニコ動画へ投稿された、小雨大豆と酔狂倶楽部制作【酔狂文庫】のショート動画集。
動画内のタイトルは「春の怪談 物語ができるまで」となっている。
以下のショート動画が収録されている。
なぞなぞ1
真っ白なお顔と身体(からだ)。
4本足でピョンピョン跳ねるよ。
大きなお目々は真っ赤っ赤。
長ーい耳と突き出た前歯がチャームポイント。
さて、これなぁーんだ?
河童
〝河童〟という生き物…。
その好物は……人間である。
しかし、その真の恐ろしさはその繁殖力である。
この生き物は一度の出産で50以上の卵を産み、それが年に3度も行う性質を持つ。当初は生息数が多かった鬼や人間よりも、僅か3年で国中に溢れ、飢饉や疫病よりも人間を侵す恐ろしい存在へと瞬く間に駆け上っていったのである。
しかし、ある発見により防衛手段を身に付けた人間達によって数を減らされた河童達は…。
食虫植物
その人は周りからよく優しい人と言われる。
雨に降られて困っている娘(こ)がいれば、傘を差し出し助けてあげて、「お金に困っている」と言われれば、快く貸し出し面倒をみてあげている。
そして「酔ってしまったの」と呟かれれば、優しく部屋まで運びこみ…
バラバラにする。
その美しい足、腰、両手と、こんなにもバラバラにしたい衝動にかられたのは初めてだった。
だが誰も私が殺ったとは気づくまい。だって私は食虫植物…。
優しい顔で人を欺く食虫植物なのだから……。
信号機爺さん
真緑色(まみどりいろ)の爺さんがいた。
その衝撃的な姿にはじめ目を疑ったが、好奇心には勝てず男は勇気を出して『なぜ緑色なのか』と聞いてみた。すると緑色のじいさんは『一生食べなくても腹の減らなくなる薬があると言われ試しに買って飲んでみたのだか、一晩経ったらこの様(ざま)だ。』と言った…。
だから薬を買った店に行って、どういう訳だか聞いてくると東へと歩いて行った。だが翌日。昨日と同じ場所で男はじいさんと再会し…その姿は……真黄色(まっきいろ)だった。
黄色のじいさんは『緑色を治す安い薬を買わされ飲んでみたら、一晩経ってこの様(ざま)だ。』と言った…。
だから再び薬を買った店に行って、どうして黄色になったのか聞いてくると東へと歩いて行った。だが翌日。またも男は同じ場所であのじいさんと出会った。その全身は……真っ赤(まっか)だった。
赤色のじいさんは薬を買った店での出来事を語り出す…。
なぞなぞ2
ブヨブヨとした大きな体。
鼻は大きく潰れて、ちょっとヘンテコなお顔だよ。
でも好き嫌いはほとんどなくて、何でもおいしそうに食べちゃうんだ。
さて、これなぁーんだ?
物語ができるまで
これは一人の美しい女性が辿る数奇な人生の始まりの物語…。
昔々の大昔、まだこの世に鬼という生き物がいた時代のお話です。
関連動画
- 単体動画【酔狂文庫】なぞなぞ(長さ 0:33)
- 単体動画【酔狂文庫】食虫植物(長さ 1:03)
- 本動画【ショートショート】物語ができるまで(長さ 20:10)