「人形遣いは人間遣い。腹話術は読心術。真似るのはその声色だけでなく、その内なる声・・・」
「人は、悲しみの中では生きてはゆけない・・・」
概要
人形浄瑠璃の名家の跡取り息子・左近とその相棒の童人形・右近が様々な事件を解決していく和風推理漫画で、『週刊少年ジャンプ』にて1995年23号から1996年1号まで連載された。
元々この作品は『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』など別の週刊少年漫画雑誌での推理漫画の大ヒットを受けて連載が開始されたが、結局短期の連載で終わった。それでも一定のファン層を獲得しており、その後の小畑健の活躍の影響もあって打ち切り作品としては異例の文庫化がされたほか、2005年にはコンビニコミックスとしても刊行されている。
なお原作を担当した写楽麿とは、かつて週刊少年マガジンにて『100万$キッド』『あいつはアインシュタイン』(双方ともに石垣ゆうき作画)を、小学五・六年生で『ザ・ドラえもんズ』(三谷幸広作画)を、週刊少年チャンピオンで『ブラック・ジャック創作秘話』(吉本浩二作画)を、少年ジャンプでは他に『力人伝説』などの原作シナリオを担当した宮崎まさるの別名義である。(由来はシャーロック・ホームズとフィリップ・マーロウに依る。シャーロック→写楽、マーロウ→麿、としてそれを合成したもの)
1999年10月8日から2000年3月31日までWOWOWにてトムス・エンタテインメント製作でアニメ化もされたが、こちらも穴埋め番組として再放送されたに過ぎなかった。だがその人気から2001年には本来放送するはずだったアニメの穴埋め番組として再放送された。(なお、そのアニメは当初の予定より3か月遅れでのスタートとなっている)
人間が抱える『悲愴』や『狂気』といった心の闇を強調した描写や、リアリティを追求した殺人現場や死体現場の描写はみんなのトラウマといっても過言ではない。
あらすじ
主人公の橘左近は人形浄瑠璃の名門、橘家の跡取りにして人間国宝・橘左衛門の孫である。
彼は相棒の童人形・右近と共に数々の怪奇殺人事件を解決し、その裏に潜む人の心の闇を紐解いていく・・・・
登場人物紹介
橘左近(たちばな さこん)
CV:緒方恵美
主人公。年齢設定は不明だが見た目は16.7前後。漆黒の髪に人形のような端正な顔立ちの青年。
普段は気弱で口数が少なく大人しいが、右近を操ることで天才的な洞察能力を発揮し、殺人事件を解決していく。四季を通して襟が歯車状の黒服姿。
右近(うこん)
CV:くまいもとこ
左近の相棒でもう一人の主人公。明治初期に人形師・三代目小泉卯之助によって作られた傑作童人形。
赤い髪に山伏のような黄色い着物と白袴という格好。まるで魂がこもったように動き、口下手な左近の言葉を代弁する。左近と全く正反対の性格で、豪放でおしゃべり。
薫子とはよく喧嘩になる。
橘薫子(たちばな かおるこ)
CV:山田美穂
左近の叔母だが、年齢が近いために「薫子姉さん」と呼ばせている。警視庁捜査一課の刑事(警部補)
だが、おっちょこちょいな性格で「迷推理」ぶりを発揮している。右近とは事あるごとに言い争う言わば「喧嘩友達」のような関係。