「自分は○○されたんだぞ!お前のような××な奴に何がわかる!」
概要
敵役が対立する相手に敗れた際、その動機が過去の理不尽や被害からくるコンプレックスであり、さらに自分を打ち破った相手がそれの土足で踏み込んだ際にしばしば激情とともに叫ぶ台詞。
敵役が本当に理不尽な被害者である場合もあれば、自分が可哀想だと思っているだけの一方的な加害者である場合もあるが、創作では汎用性の高さのあまりジャンルを問わずあまりに使われすぎているため、その使用率の高さに反して反論がテンプレ化されがちでSNSではたまに大喜利が開かれる。
少なくともこのような構文に対して相手が論破されることはめったにない。
また、変化形として敵役をあざ笑う新たな敵役に「あいつは可哀想なやつだった!お前のようなやつに彼のことはわからない!」と、本人以外が発言する場合もある。
構文の一例
「お前に何がわかる」「お前に俺の何がわかる」…基本形
「あなたに彼の何がわかるの!?」…恋人目線
「お前みたいなやつに俺のような〇〇の××がわかってたまるか!」…下から目線
「あなたのような輩に我々の○○が理解できるとは思えませんね」…上から目線
反論のパターンの一例
同情的なパターン
- (自分もそうだったから)わかるよ
相手が自分と同じ境遇、あるいはそれ以上に悲惨な下位互換であるパターン。
同胞が見つかると同時に境遇に負けていない心の強さを示され完全論破となる。
- 話してくれなければわからない
敵役自らが対話の窓口を閉ざして円満な解決を自分から放棄していたパターン。
「これまで何度話しても無駄だった」という場合もあるが、少なくとも対立していた側は同情的であるので和解できる事が多い。
同情しないパターン
- わからない
敵役が同情部分を差し引いてもアレすぎたため、同情を拒否されるパターン。
いくら悲しき過去があったとしても、もはや加害者でしかない。
- あなたはただの犯罪者です
主に刑事ドラマに限って非常によくあるパターン。
警察官にとって、法を破ったものは動機の貴賤を問わず等しく犯罪者である。
- どんな理由があっても殺人者の気持ちなんて、分かりたくない
1つ上と似ているが、名探偵コナンや金田一少年の事件簿等の少年探偵作品で使われている。主人公(又はその仲間)が殺人を犯した犯人に対して(どんな悲しい事情があっても殺人をしてもいい理由にならない為)返している。
むしろ追い打ちをかけるパターン
- 知りたくもない
対立する側が率先して対話を拒否するパターン。
敵役の事情はどうあれ、もはやそれが関係ないほどまでに相手の怒りを買ってしまっている。
- うるせえ!死ね!
もはや問答無用!というパターン。
敵役に大事なものを奪われた復讐者や、頭が悪く直感で善悪を判断する愛すべき馬鹿、理屈よりも感情で動く好漢などによくみられる。
相手は最初から感情論で動いているので、今更情に訴えかけてもどうにもならない。
極めてまれでやや異なるパターン
- 自分が分からないことを認める
拒絶に似ているが、こちらは「自分と相手が根本的に異なるから、分かってあげられない」という本心であるため、上っ面の安い同情や哀れみ以上に相手の心を動かすパターンとして用いられる。ただし、同情系のパターンのように逆効果で余計に怒りを買うケースもある。
- 被害に遭った主人公が謝意を信じない
これもまた極めてまれなケースで、厳密では敵役ではない人物が主人公への謝意や誠意を示そうとしても、既に信じなくなったケース。このケースでは露骨な媚び売りやご機嫌取りが目当てで本心では見下しているケースの方が圧倒的に多く、後述の二つは本当にまれなケース。近年ではコードギアスの枢木スザクが最悪の形で自身を裏切ったルルーシュ・ランペルージの謝意を一切信じなくなるほか、ストラテジックラバーズの主人公東山浩太がヒロインの幾島実憂が一度自分を騙したことを詰って、信じなかったケース。
pixivでの扱い
汎用性が高すぎるため、タグ検索してもなかなか出てこないのが難点。
「お前に何がわかる」「お前に俺の何がわかる」でもう検索が面倒くさい上、「お前に俺の~」の前半部分だけでも一人称と二人称の組み合わせが膨大すぎる上、「何が~」以降の後半部分も「気持ち」「苦しみ」などなど変幻自在なので構文としては同じであっても文章としては統一されたタグがほぼ存在しないのが現状。