概要
感動詞。「やれ」を重ねて使う言葉。以下『デジタル大辞泉』より抜粋、編集。
1. 困難や不安が解決したとき、大きな感動を覚えたときなどに発する語。「―、これで安心」「―、たいへんな人もいたものだ」
2. 予期しない困難に出あったとき、疲労・落胆したときなどに発する語。「―、困ったことになったぞ」「―、いやになってしまった」
3. 他人の不幸などに同情して発する語。「―、かわいそうに」
4. 呼びかけるときに発する語。おいおい。
pixivでは、キョン(涼宮ハルヒシリーズ)の表情や、空条承太郎(ジョジョの奇妙な冒険)の「やれやれだぜ」を主題にしたイラストが多く目立つ。
ついでに光戦隊マスクマンのオケランパの口癖でもある。
やれやれ系主人公
昔の男主人公像といえば、見るからに屈強そうな男気溢れる熱血マッチョマン、真面目好青年、キザな天才、あるいはその逆の天然馬鹿、どスケベ、弱気、不良などであったが、2000年代のライトノベルブーム頃からか、いずれもと違う「やれやれ系主人公」という属性が目立つようになった。
「小説家になろう」であったり、エロゲー、ライトノベルに多い(特に異世界転生)。
その特徴として見受けられるのが以下である。
- ストーリー開始前は特に喧嘩に強いわけでもなく、かといって頭や顔が良いわけでもない、どこにでもいる普通の少年
- ひょんなことから苦労なく圧倒的な力(多くは魔法や超能力、ストーリー開始後に授かった(チート)能力など)で敵を翻弄し実績を上げる(俺TUEEE)
- やたらと女子に好かれ、作中に登場する多数のヒロインから思いを寄せられる。恋愛感情とまで行かずとも知り合いの大半が美少女(ハーレム)
- 強敵を(あっさり)倒したり、好意を寄せられた美少女が権力者の身内だったりでギルドマスターや領主、騎士団長、はては一国の大臣や国王クラスの大物からも一目置かれる存在になる
- なのに、本人にはその気がなく仕方なく巻き込まれたからやっているだけで、モテることにも一目置かれるのにもうんざり気味(「やれやれ」)である。キャラによっては非モテなモブ男子や対立する権力者(ブサイクな悪徳商人や腐敗貴族が鉄板)からあからさまに嫉妬もしくは憎悪されるが、こちらも好意同様にうんざりしている
- そんな内面を反映するかのように、「やれやれ」以外にも「大げさに肩をすくめる」「あからさまにため息や欠伸をする」「頭や頬をポリポリ搔く」「鼻くそや耳くそをほじる」といった、退屈や無気力を強く感じさせる仕草が癖になっている
- 女性からの好意の場合、むしろモテていることすら自覚がない。ヒロインが顔を赤らめて好意を伝えても「ん、何か言ったか?」などと返し、「な、なんでもないわよバカ!」と怒らせてしまうのもお約束(難聴系)。ツンデレヒロイン、理不尽暴力ヒロインとも親和性が高い
- 常に受け身がちで主体性がなく、強引な展開やキャラに流されるようについていく
その辺にいそうな凡人の主人公が非日常に巻き込まれるといった手法は読者、特に無気力無関心が強いとされる「さとり世代」以降あたりとか「冷笑系」が共感しやすく、そんな主人公が立派に活躍する様はカタルシスを感じやすい。
この手法で生み出された主人公は受動的であり、話を進めやすいというメリットが有る。
しかし、やりすぎると逆に読者から「主体性がない」「目標がない」と思われてしまうこともあるので注意。
なお、「やれやれ」を口癖として持つキャラだからといって「やれやれ系主人公」扱いされるかは別問題である。
概要に挙げた承太郎は「女子(ただしモブキャラ)にモテるがうんざりしている」「圧倒的なパワーで敵を倒す」という特徴には当てはまるが、やれやれ系扱いされづらい。
なにしろ、どう見ても喧嘩には強く男前な美形であり、何より明確に「母親を救う」という目標を持っているからである。
関連タグ
熱血主人公(やれやれ系とは反対)