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概要編集

上方落語の演目のひとつ。桂南光などが得意としている。


近所にいる、知ったかぶりをして散々ケチをつけたあげく、料理は貪っていく男に「『ちりとてちん』という珍しい食べ物が手に入ったから食べるかい?」と嘘をついて、うっかり腐らせてしまった豆腐を食べさせてやろうという展開。思惑通り、ありもしない食べ物をさも知っているかのように食べ始め、ひどい目に遭う。

(なお、ちりとてちんとは三味線の手習いを示す擬音語であり、本題の演目のほか、素人浄瑠璃の笑い噺、軒づけにもこの音色が登場している)。


関東では酢豆腐というタイトルで知られており、いけ好かない数奇者を一杯食わせる展開は同じだが、冒頭の、それに至った糠味噌の下りはちりとてちんにはない。


ドラマ編集

NHKが制作し2007年10月1日~2008年3月29日まで放映した朝の連続テレビ小説

題名の由来は上述の落語の演目。


あらすじ編集

同性で、名前の読みも同じ幼馴染に劣等感を抱いて福井県の小浜で育ってきた主人公・和田喜代美が大阪に渡り、ひょんなことから落語の世界に飛び込んでいき持ち前のマイナス思考と要領の悪さで失敗を重ねながらも成長していく姿を描いたコメディタッチの人間ドラマ。



登場人物編集

和田喜代美/徒然亭若狭貫地谷しほり

この物語の主人公。小浜の塗り箸職人の家で育つ。

もともと想像力がマイナス方向にたくましく、さらに同姓同音の幼馴染が才色兼備の優等生であったことが重なり、劣等感を抱えた状態で大阪に向かい、そこでひょんなことから徒然亭草若の家に居候。落語家の道を進んでいくことになる。

要領は悪いが、後半以降では長年の落語家修行の積み重ねの結果が身に付いた様をそこここでみせる。


和田糸子和久井映見

喜代美の母。大らかな性格だが、時に突拍子もないことをする一面も。

(へしこ丁稚羊羹など)

物語中度々重要な役割を果たす。


徒然亭草々青木崇高

若手落語家で草若の2番弟子。高座に上がらなくなった師匠・草若の世話を焼くも、本人にかなり不器用な面がある。

その一方、高座に上がれば正統派と言われる丁寧な落語を披露する、稽古にも熱心な真面目で落語が大好きな性格。


徒然亭草若渡瀬恒彦

上方落語四天王の一角に数えられるほどの名落語家。しかし、とある理由で数年前に大きな高座に穴をあけていらい、酒浸りの生活を送っている。

物語の途中で高座に復帰。喜代美たちの優しくも厳しい師匠としての面を見せると同時に、伝統の継承、というテーマの一角を担うことになる。


余談編集

・視聴率自体は低かったものの、DVD販売は一転して過去最高を記録するなど熱狂的なファンの多い作品であり、朝ドラとしては珍しい番外編の制作やファンミーティングが行われた。

また、後年朝ドラ100作記念企画として行われた朝ドラ名場面投票では、本ドラマの1シーンが第1位に選ばれるなど、当時の視聴者に与えた印象は今も健在である。

(朝ドラ100:https://www.nhk.or.jp/archives/asadora/special/ranking02.html


また、この作品で徒然亭草原を演じた桂吉弥は一躍時の人となり、人気噺家の仲間入りを果たした。


関連イラスト編集

あのすばらしき徒然亭一門、再び。


関連タグ編集

NHK 連続テレビ小説

落語 徒然亭

福井県 小浜

酢豆腐

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