『まんがからだ事典』は、1986年から88年にかけて、学研の「学習まんが辞典シリーズ」(ひみつシリーズの姉妹レーベル)から全3巻が刊行された人体学習漫画。
第1巻は楠高治と小山田つとむの合作で、2・3巻は楠が単独で執筆している。
内容
人体をテーマにした学習漫画では定番の、小さくなって体内侵入するシチュエーションで構成されている。内臓の描写は全般的にリアル傾向だが、必要に応じてウィルスや免疫機構が人格を持ち潜航艇に乗った主人公たちと意思疎通が可能な形状で描かれる場合がある。各巻ごとに取り扱っているテーマは以下の通り。
基本設定
1巻冒頭で、全巻を通じた主人公のケン太くんとミコちゃんが1巻のみ登場するヒロシくんとマリちゃんと合流して4人で下校途中に話題となった人体に関する疑問の数々を研究所の博士に聞きに行く場面から始まる。
博士は1巻と2・3巻で別人だが、助手のお兄さんは全巻で登場しミクロ号に乗って人間の体の中を探検するケンタくんやミコちゃんたちに様々な解説を行う。
ミクロ号
自由自在に縮小化し、飛行機能やワープ機能を搭載した潜航艇。楠高治デザイン(1~3巻共通)は1人乗りで、小山田つとむデザイン(1巻のみ登場)は3人乗り。
3巻では、タイムトラベル機能を持つ大型母船のエッグ号も登場する。
各巻
1994年に内容の一部を改訂した新訂版が刊行されている。旧版と新訂版は表紙デザインが全く異なるが、漫画部分の内容は共通している。
第1巻 食べ物のゆくえと血液
前半ではケン太・ミコ・お兄さんの3人でそれぞれミクロ号に乗り、レストランでステーキランチを注文した女の子(メインイラスト)の体の中へ侵入し、口から食道、胃、小腸……と消化器官を通過する食べ物がどのように変化して行くのかを学習する。
後半では小腸で吸収された栄養分や呼吸で肺から採り入れられた酸素が血液を循環して行くメカニズムを取り上げている。
第2巻 頭のはたらきとからだの動き
ケン太くんとミコちゃんの2人でお兄さんの体の中へ侵入し、研究所と交信しながら博士(1巻とは別人)の解説を聞き脳と神経の構造について学習する。
第3巻 子どもから大人へ
ケン太くんとミコちゃん、博士、お兄さんの4人でエッグ号に乗って過去の世界にタイムトラベルし、ある女性の体内で排卵から受精、着床を経て出産に至る過程を学習する。