概要
東方Projectに登場するチルノが『東方三月精』において披露したかき氷の味覚。
チルノが同作のエピソードである博麗神社の縁日の屋台で提供していた。
屋台では手回し式のかき氷製造の器具でチルノが手作りしていた模様である。
なお同屋台でのかき氷の味覚は「みずあじ」ただ一つ。他の選択肢は無い模様。
縁日の様子とチルノの屋台の状況
この縁日はかなり盛り上がっていたようで、参道には屋台が並び、参拝客も行き交ってる様子が描かれている。サニーミルクのおでん屋台やミスティア・ローレライの八目鰻屋台、河城にとりの射的など他多数の屋台が盛況である。
しかし一方でチルノの屋台には誰一人として足を止めている様子が見られない。
チルノも困惑している様子である。
器に山盛りされたかき氷たちはいつまでも食してもらえる機会を待っているが、作中でその想いが報われた様子は描かれていない。
参拝客たちはチルノの屋台以外の場所で楽しんでいる。
チルノの屋台は本殿に最も近いという露店の中でも「上座」のような立地での開店であったのが、一体何が悪かったのだろうか。
「みずあじ」とチルノ
この日の縁日では評価の芳しくなかった「みずあじ」であるが、いつの日か斬新過ぎるその「みずあじ」も評価される日が来るだろう。
チルノの様子を見る限り、縁日が「大みそか」に行われていたことが大いに関係するかどうかは氷の妖精であるチルノにはあまり関係が無い様子である。
「みずあじ」が受けなかった理由はシンプルすぎる味覚にもあるのかもしれないが、何よりの最大の阻害要因はその季節であったのである。
チルノの、「大みそか(真冬)に露店でかき氷を提供する」という自分の道を突き進むぶれないメンタリティはまさに「 最強 」である。
なお同縁日では冬の妖怪であるレティ・ホワイトロックの姿も見られるが、彼女と「みずあじ」との関連などの描写は無い。
本編でもあと七ヶ月もすれば、人々はその価値を再認識するかもしれない。
チルノによる「みずあじ」以外のかき氷
チルノは博麗神社で節分行事の一つとして豆料理を持ち寄った独自の節分イベントが開催された際にも露店を出している。その際の露店参加の条件が豆を使った料理などを提供することとあって、チルノもただの「みずあじ」ではなく「 氷あずき 」をメニューとしている。ただしどのような形で提供される「氷あずき」なのかは描かれていない。(例えばあずきについて餡子状のものをかき氷にのせるのか、はたまた凍らせたあずきそのものを称しての「氷あずき」なのかなど)
このときの露店の反響については明確な描写はないものの、このイベントの開催時期が立春の節分というまだ寒い季節であることもあり、やはり「かき氷」に足を止める客はない様子である。
その時期的寒さを捉える要素としては、同イベントに参加した霧雨魔理沙がマフラーをしていたり茨木華扇が冬服(冬服華仙)であったり等の点からみる事が出来る。
十六夜咲夜も暖かそうな装いをしている。
ただしイベント主催者の博麗霊夢はいつもの巫女服である様子である他、伊吹萃香も普段の涼しげないで立ちとほぼ同じ装いで登場している。
表記について
「みずあじ」については「水味」ではなく「みずあじ」という平仮名の表記であることも重要で、かき氷に関連して「水」と言えばシロップの一種としての砂糖水(さとうすい)を指し、この場合「水」は「すい」と読む。
「水味」では砂糖水をかけたかき氷を指す「氷水」(こおりすい)と混同されるため、「みずあじ」の意味するところを伝えるには平仮名である必要がある。
チルノも平仮名は書く事が出来る。
何より露店という老若男女子供まで幅広くターゲットにした環境もあって、「みずあじ」というひらがな表記は実によく映えるものでもある。
実際にある「みずあじ」
日本におけるかき氷は古くは平安時代を発して一般化の兆しの見え始める明治期を通して現代へと至る伝統的な氷菓の一つであるが、その初期からなんらかのシロップ様の甘味と合わせて食されてきた。
一方「みずあじ」に類するものとして「白雪」と呼ばれる食べ方があり、これはシロップ類をかけないものである。シロップ類などかき氷よりも温度の高いものが加わらないため、かき氷の食感を長く楽しむ事も出来る。
氷の鮮度や元々の水の状態が良い場合、かき氷状に精製しただけで供されるということも実際にある。
素材そのものを味わう和食文化に通じるものがあると言えるだろう。
水のおいしさそのものをPRしたい際には有用な方法である。
また第二次世界大戦後の困窮期などシロップが手に入らない時期はかき氷状に精製したものをそのまま食していたこともある模様である。
関連タグ
シャトレーゼ:ホワイトシロップ味のかき氷を『白州名水かき氷 こおり水』として発売。