【概要】
2019年7月21日に投稿された星のカービィの二次創作動画。
投稿者は「ナゾのクリエイター集団」を名乗っていた。
元動画は現在削除されているが、有志によって再アップされているため視聴は可能。
【動画の内容】
内容はカービィがもぐもぐ食事をする1分ほどの短編動画。カービィの声はアニメカービィのものを使用している。第1話ではご飯を美味しそうに食べている。
食べる前にカービィが食べていいかを確認するような動作を取り、それに対し頷くように画面が上下に動くため、撮影者がいる設定らしい。
動画の最後には「グッズや同人誌もよろしく」との宣伝メッセージもあった。
動画は投稿直後から注目を浴び、総合ランキング1位を取るなど人気を博した。
アニメカービィが言葉をしゃべる場面がなかったため、外国人ユーザーにもとっつきやすい内容だったのも人気を後押ししていた模様。
【炎上】
とまあ、内容自体はよくある手書きMADに近いものだったのだが、間もなくして本動画は炎上。
問題とされたのは「非公式・二次創作であることを示す記述が一切なく、見る人によっては公式作品と誤解しかねない状態でグッズなどの宣伝をした」点で、著作権侵害に当たるとの指摘が多数上がった。
「公式アニメの音声を無断で使っている」点ももちろん問題なのだが、これに関しては似たようなMAD動画が多数存在する以上今更という意見もある。
公開の約2週間後には製作者のアカウントが一斉に削除される。これに関して当時のまとめブログで「任天堂法務部から何らかの警告を受けたので慌てて消した」とされていたが、これに関してはデマという説が濃厚。
【釈明漫画】
後日、関係者を名乗る人物がSNSにて「もぐもぐカービィが炎上するまで」というタイトルで釈明漫画を掲載した。同人物は動画作成中の線画なども掲載しているため、関係者なのは事実と思われる。
漫画の内容としては
・自分たちはコミケによく行く中学生4人組である
・コミケで見た作品に感銘を受け、自分たちでも何か作りたいと思った
・父親がたまたま持っていたアニメカービィのビデオを見てそれを使うことにした
・親戚のおばさんがたまたま動画作成向きのPCを持っていたためそれを借りた
・グッズの売り上げはメンバー1人の交通費(5万円)に充てるつもりで、お金儲けする気はなかった
・著作権について指摘するコメントは大量のコメントに埋もれて気づくのが遅れた
・仲間内では「他の人もやってるのになんでダメなの?」という意見もあったが、二次創作は全て犯罪なのでもっと炎上すべきと判断した
・メンバーの中にはショックで寝込んだり連絡が取れなくなった人もいる、十分反省しているからこれ以上叩かないで欲しい
といったもの。
だが、これも投稿直後から
・中学生だけでコミケに行くのは不自然(2019年時点では中学生のみの参加に規制等はなかったが、あまり一般的ではない)
・仲間とは「LINEで知り合った」とされているが、LINEの機能上年齢確認があるため中学生だけで知り合うのは不可能
・中学生をコミケに行かせるために5万もの交通費を出す親も不自然
・DVDすら下火になりつつあるご時世に再生可能なビデオデッキ&テープを「たまたま」所持している父親(「ネットから不正に音声を拾ってきたわけではない」ことのアピールとも)
・中学生がビデオテープから音声を吸い出して加工できる機材・技術を持っているのは不自然
・動画制作向きのハイスペックPCをこれまた「たまたま」所持しているおばさん
・文章にやたらと平仮名が多く、無理やり中学生感を出そうとしているように見える
・「他の人もやってるのになんでダメなの?」←子供の無邪気な意見を装っているが、作者の本音ではないかと指摘
・そもそもショックで寝込んだ云々と言いつつ、それなりのクォリティの漫画を短時間で描き上げている
といった突っ込みどころから、本当に中学生かどうか疑わしいと疑問の声が相次ぎ、
「『子供のしたことなら仕方ない』みたいな擁護を狙った安易な考え」「素直に謝れば治まった話なのに往生際が悪い」と火に油を注ぐ結果に。
さらに二次創作勢からは「責任転嫁」「二次創作全てを悪として扱うな」と猛反発を浴びた。
のちに関係者と思しきSNSアカウントが多数発掘されたが、現在はすべて削除されている。
【余談】
この事件の少し前には「ドラクエ花札事件」という著作権関係での似たような炎上騒動があった。
これはドラクエファンの女性が独自にドラクエの花札を作ったのだが、のちに公式がドラクエの花札を発売した際に「先に作ったのは私なのに許可を得る連絡は来てない、デザインをパクられた」とSNSでつぶやいたことが発端。
この女性サイドの人間からの擁護も多少はあったが、多くのユーザーからは「花札は任天堂のもの、ドラクエはスクエニのもの。何の権利もないあなたに何故許可を取る必要があるのか?」「パクるも何も、花札の柄に合うモンスターなんて限定されてくるし、ある程度似通うのは当たり前」「二次創作でお金まで儲けて、盗人猛々しい」といった批判が相次いだ。
女性はSNSで謝罪したものの、炎上は治まらず特定班によって女性の個人情報が特定される事態に至り、女性はそのまま姿を消した。