概要
1970年から1971年まで週刊少年マガジンで連載されたジョージ秋山の漫画作品。
飢饉や疫病が蔓延する末法の世に産み落とされた少年・アシュラの目線を通し、極限状態での生命のあり方、人と獣との違いとは何か、人は何のために生きるのか、等のテーマを扱った作品。
カルト的人気を誇る怪作である。
第1話から飢饉によって壊滅した村々を彷徨う狂女が、人肉を喰らってでも子を産み育てようとするという衝撃的な内容で始まる。
その後も身寄りはなく、獣同然に人肉を喰らい生き延びるアシュラの姿や残酷な現実がありありと描かれる為、連載開始直後から有害図書としてバッシングを受ける事となった。
編集部から出された声明では「主人公が法師との出会いを通して人生の拠り所を確立していく作品」と企画意図が説明されたものの、結局同誌ではそうした展開までは描かれる事がなく最終話となった。
その後10年後に突如として『週刊少年ジャンプ』に読み切りとして完結編が掲載されており、当初説明された通り、アシュラが現実とどう折り合いを付けていくのかが描かれた。
2012年、さとうけいいち監督によりアニメ映画化された。アニメ制作は東映アニメーション。
あらすじ
時は平安時代末期。
飢饉により人間が互いに喰らい合う修羅餓鬼地獄が広がる中、一人の発狂した妊婦がいた。女は生まれた子にアシュラと名付け必死に育てるものの、飢えに耐えきれずアシュラを焚火で焼いて喰おうとする。
落雷の衝撃で川に流され、難を逃れたアシュラは生きるために人を殺して喰らい、野生児として育つ。
やがて様々な人との出会いを通じ、人間らしい感情や理性を学ぶが、同時に自分自身の哀れな身の上を苛むようになる。