概要
2022年8月、Wild Bunchプロダクションにより発表されたウェスタンパンクRPG。
正式名称は「ARMED FANTASIA To the End of the Wilderness」。
かつて「SCE三大RPG」と言われたゲームタイトルの一つ「ワイルドアームズ(以下、WA)」シリーズの精神的続編で、製作スタッフにはかつてWAシリーズを手掛けた面々が再集結している。
トータルゲームデザイナー兼シナリオライターはWAシリーズの生みの親でTVアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの原作を務めた金子彰史氏、BGM作曲はWAシリーズで数々の楽曲を手掛けたなるけみちこ氏と上松範康氏、キャラクターデザインはWA5とWAXFのキャラクターデザインを務めた佐々木知美氏、そして主題歌はWAシリーズの主題歌の多くを唄った麻生かほ里氏が歌唱を務めており、ゲームシステムと世界観、音楽など作品全体からWAシリーズの遺伝子を強く感じられるものとなっている。
本作品は「Kickstarter」というクラウドファンディングサイトにて“ダブルキックスターターキャンペーン”という企画のもと、「シャドウハーツ」シリーズの精神的続編「ペニーブラッド」と共に発表され、協力する形で2022年8月30日にクラウドファンディングがスタート。
平均支援金額は2万円を超え、キャンペーン開始初日で最低目標金額である7500万0000円のミニマムゴールを達成、締め切り日である2022年10月1日時点で最終支援金額は3億7932万8385円に達した。この支援金額はKickstarter史上、13番目に多い金額とされている。
現在、キャンペーン終了により支援の受け付けは終了しているが、バッカーストアにてリワード(返礼品)を予約購入するという形で引き続き支援できる。
現時点では明確な発売日は不明であるが、リワードの発送予定日から推測するに少なくとも2025年3月以降と思われる。
対応プラットフォームはsteamを始め、PlayStation 5とXbox Series X|Sにてリリース予定。なお、Nintendo Switch版のリリースは予定されていないが、制作期間中に任天堂の新規ハードが発表された場合、その任天堂新規ハードでプレイできるようにするとのこと。
進捗状況
2023年12月時点では「中盤付近のダンジョンの制作に着手」「メインシナリオは一通り完了したが、これから内容をブラッシュアップする」とのこと。
ストーリー
繰り返される出逢いと別離に少年は、道なき荒野に己の進むべき<道>を見出していく
冒険の舞台は、ゆっくりと、だが確実に進行する荒野化現象に加え、頻発するカイジュウ災害に脅かされている明日無き大地――ロンデニアム。
夢も志も持たず、風に吹かれるがままに旅立った渡り鳥の少年イングラムは、いつしか世界管理機構である「聖鍵教会」と、反教会武装勢力「イコノクラスタ」の巨大な闘争に巻き込まれていく。
“キミガ、ヒキガネニナルノダ”
背負った赤い運命に屈することなく、仲間たちと共に大地を、大空を、大海を駆け抜けていくイングラム。
やがて待ち受けるのは、世界の裏に埋葬された1000年の秘密と真実。踏まれた野の花と少女の涙に応えるべくイングラムが下す決断、そして――
(プロジェクト日本語サイトより引用)
世界設定
「ウェスタンパンクRPG」と銘打っている通り、世界設定はWAシリーズを踏襲した「口笛と荒野の西部劇風ファンタジー(に特撮・SFネタをプラス)」である。
しかし、本作品はあくまでWAシリーズとは連続性が無い独立した作品という扱いであるため、トニーや ラギュ・オ・ラギュラ、守護獣などは登場しないもよう。
用語
- 彼方の大地「ロンデニアム」
本作品の舞台。
WAシリーズの舞台である惑星ファルガイアの様に大地から緑が失われ、荒野化が進む世界。
- カイジュウ
ロンデニアムを跋扈する人類の脅威であるモンスターの総称。
- 聖鍵教会(せいけんきょうかい)
ロンデニアムの司法、インフラ、経済活動を一手に担う「世界管理機構」とも称され、未来を開闢する“鍵”となる事を理念とする統治組織。
教皇が最高権力者であるが、教皇の座が永らく不在であるため枢機卿が代わりに組織の指揮を務めている。
カイジュウに抗するために聖鍵教会が開発した「Aether Reaction Maximizer(エーテル反応増幅炉)」の意味を持つ機械兵器。
生物が持つ魔力素「エーテル」を増幅する機構を持ち、エーテルを増幅させる事により使用者の能力を大きく向上させる。
- 渡り鳥
ロンデニアム各地を旅する冒険者の総称。
- イコノクラスタ
聖鍵教会の社会管理を支配と捉え、教会と対立する反教会武装勢力。
登場人物
主人公一行
あるきっかけから広大な荒野へ羽撃いた6人(+1匹)の渡り鳥たち。
祖父の死をきっかけに、流浪の冒険者「渡り鳥」となった少年。17歳。
弁が立ち、世渡り上手。
初期装備は「銃」。
人々を守る、「聖鍵教会騎士団」に所属する少女。19歳。
元・騎士団長の娘でもある。
初期装備は「槍」。
イングラムの幼なじみである少年。18歳。
昔交わした親友との約束を果たすべく、渡り鳥となった。
初期装備は「杖」。
錬金術師のお嬢様。23歳。
怪物に家族を皆殺しにされ、復讐を誓う。
初期装備は「砲」。
隻眼の偉丈夫。30歳。
かつては教会に所属していたが、現在は賞金首として追われている。
初期装備は「刀」。
退魔一族の末裔。14歳。
人と関わることは苦手だが、お供であるストリッシェとは心を通わせている。
初期装備は「拳」。
(手に乗っている小動物)
ソレイユの相棒である、「イズナ」という小動物。オス。
人語を理解できるが某カゼネズミや某亜精霊、某ポペピ・ピペポ族2匹の様に人語は話せない。
彼と心を通わせるソレイユは彼の言葉を理解できるらしい。
イコノクラスタ
- セツナ・カルペディエム
兎の耳と尻尾を持つ青年。
人間以外の原生生物の因子を取り込んでおり、それによって常人よりも圧倒的に高い出力で複数のARMを扱える「因子適合者」。
- アルカイン・ホエーレン
我が強い故に連携が苦手な他幹部の間をよしなに取り持つ大番頭であるモノクルを着けた肥満体型の男性。
ロンデニアムが荒野化した理由を知る数少ない人物で、世界をあるべき姿へと戻すためにイコノクラスタを結成した。
誰かの危機に颯爽と現れ、僅か0.01秒でその身に騎士然とした白銀の鎧を身に纏う変身ヒーローで、多く語らず去っていくため正体は不明。
イコノクラスタ内では新参者だが、一目置かれている。
- キミクィス・ミュカルメル
表の顔は交易で財を成すミュカルメル商会の代表者だが、裏の顔は神出鬼没の幽霊船でロンデニアムの海を支配する女海賊。
競争と発展が無い経済は停滞どころか衰退と捉え、教会の市場体制の破壊を目論む。
聖鍵教会
- アグニジャ・ハーゲンタフ
教会職員と教会騎士を統べ、ロンデニアムの未来開闢を指揮する男。
判断力と実行力を併せ持つ「平凡な男」で、不足な事態に対しては騎士たちの先頭に立つことも厭わない。
キャラ紹介から読み取れる限り、教皇の代理を務める枢機卿はこの人物と思われる。
システム
ARM
パーティメンバーが扱う、いわゆる武器。
- スピードに秀でる「銃」
- 盾とセットで扱い、防御を得意とする「槍」
- 属性攻撃を得意とする「杖」
- 範囲攻撃を得意とする「砲」
- 一撃のダメージに特化した「刀」
- 状態異常を付与する「拳」
- 攻防一体の「銃剣」
- デバフを得意とする「鞭」
- 受けたダメージを力に変える「鋸」
以上の9種類がある。
最初は1人1種しか装備できないが、レベルを上げることで装備できる種類が増えていく。
スキル
キャラクターは、ARMにセットした「モジュール」によってスキルを習得する。
モジュールにはコストが設定されており、キャラクターの「TP(チューンポイント)」を越えてセットすることはできない。TPはレベルアップによって上昇していく。
同種のモジュールを複数装備することで強化されるスキルも存在する。
スキルには、以下の3種類がある。
コマンドスキル
プレイヤーが選択して発動するスキル。いわゆる、魔法や特技のポジション。
セット可能なARMの種類が決まっている。
リアクトスキル
後衛時、条件が満たされた場合に発動するスキル。詳しくは後述。
セット可能なARMの種類が決まっている。
サポートスキル
ステータス強化などの常時発動スキル。
どのARMにもセットすることができる。
ガジェット
WAでいうグッズのようなもの。
フィールドで様々な効果を発揮する特殊なアイテム。
例えば、障害物を破壊したり、スイッチを起動させる「バクダン」などがある。
エンカウントジャッジ
WAにあったエンカウントキャンセルシステムを進化させたようなもの。
エンカウント時にキャンセルボタンを押せば、デメリット無しに戦闘を回避できる。
逆にキャンセルボタンを2回押すことで、パーティに有利な状況で即座に戦闘を開始できる。
クロスオーダータクティクス
本作はオーソドックスなターン制バトルを採用しているが、敵味方の行動順が確認できるようになっているのが特徴。
また、後述の「オーダーチェイン」の発動を狙う際にも重要な要素となる。
オーダーチェイン
味方の行動が連続し、さらに同一ターゲットを攻撃している場合に発動する。与えるダメージが増加したり、状態異常の効果が向上する。
なお、敵もこのシステムを活用してくるため、注意が必要。
フォースブレイク
フォースゲージを消費し、行動順に割り込むことができる。
必殺技を放ったり、味方との協力技を繰り出したりなどができる。
前衛と後衛
本作は6人パーティとなっているが、実際に戦闘に参加するのは前衛の3人のみである。
前衛3人は自身に対応するパートナーを1人設定することができ、それを「クロスリンケージ」と呼称する。クロスリンケージしているメンバー同士は、以下の効果を得られる。
前衛・後衛の入れ替え
コマンド中、パートナーと交代が可能。
後衛となっているメンバーは、ターンごとにHPが回復していく。
リアクトスキルによる追撃
前衛メンバーが条件を満たした際、後衛メンバーが追撃を行う。
オーダーチェインも発動するため、上手く使いこなせば大幅なダメージアップが見込める。
条件はスキルごとに異なるため、前衛と後衛のARMの相性が重要になってくるだろう。
サポートスキルの共有
前衛・後衛はそれぞれのサポートスキルの効果を共有できる。
同じARM同士でパートナーを組めば、その性能を更に特化できるだろう。
逆に、弱点を補い合うような組み合わせをするのも手だ。
余談
タイトルについて
本作のタイトルは、WAの仮タイトル「アームファンタジア」から来ていると推測されている。
元ネタは、渋谷のゲームセンター「ゲームファンタジア」。なお、最終的には、「テイルズオブファンタジア」と名前が被るためにタイトル変更を命じられたという。(WA10thアニバーサリーファンブックより)
関連イラスト
関連動画
- ティザーPV
- バトルイメージ映像
- フィールドテスト映像
- メインテーマソング「Limitless ー果ての未来へー」
関連タグ
ワイルドアームズ:金子彰史氏を始め、多くのスタッフがかつて手掛けたゲームシリーズ。本作はこのシリーズの要素を多く受け継いでいる。
戦記絶唱シンフォギア:金子彰史氏が原作を務めたTVアニメシリーズ。作中の随所にWAシリーズをオマージュしたネタや用語が登場するため、WAシリーズからのファンから「ワイルドアームズ6thシンフォギア」と呼ばれているトカ、いないトカ。
プリンセッション・オーケストラ:金子彰史氏が企画原案を務める2025年放送予定のTVアニメ。シンフォギアシリーズのようにWAシリーズをオマージュしたネタが登場するのかは不明。
ペニーブラッド:シャドウハーツシリーズの精神的続編。アームドファンタジアの企画と協力する形でクラウドファンディングが行われ、無事に目標金額に達して開発が決まり、現在鋭意制作中。