イコライザー(映画)
いこらいざー
デンゼル・ワシントン主演のアクション映画。原題は『The Equalizer』。
1984年から1989年にかけて放送されていたテレビドラマを元にした映画。日本では『ザ・シークレット・ハンター』の名で放送されており、話の大筋や登場人物はほぼ同一。
内容は『パニッシャー』や『必殺シリーズ』のような「警察も手だし出来ないようなマフィアや悪党を秘密裏に処刑する」王道の“闇の処刑人”ストーリー。
違いは
- ドラマでは主人公のロバート・マッコールは白人だったが、映画ではワシントンは演じるので黒人。
- ドラマでの舞台はニューヨークだが、映画ではボストン。
- ドラマでは最終回まで私立探偵だが、映画ではホームセンター店員、「2」はフリーのタクシードライバー、最終作は不明。
- ドラマでは新聞広告で依頼主とやり取りするが、映画では1作目のスタッフロールの前に「曰く付きの便利屋」的なサイトを作っているシーンがある。
2018年に続編である『イコライザー2』が公開されている。2023年9月1日、最終作『イコライザー3』が公開。日本では同年11月24日『イコライザー THE FINAL』のタイトルでプレミアム配信開始。
普段はホームセンターで働き、夜は不眠に悩まされる為近所のダイナーレストランで読書にいそしむのが趣味のロバート・マッコール。
そんな彼がいつものダイナーレストランで、テリーという売春婦の少女と知り合う所から物語は加速していく………。
CV:大塚明夫
本記事のサムネイル画像の上の人物であり、本作の主人公。ホームセンターに勤務するごく普通の男性。年齢は不詳だが50代と推定される。
勤務態度や人当たりは良好で、同僚のラルフィが受けようとしている警備員試験を合格させるためにトレーニング指導や食事管理を行うなど面倒見が良く、職場の誰からも親しまれ信頼されている。
しかしかつては海兵隊員で後にDIAこと国防情報局に所属していた凄腕の工作員であり、殺しの腕も超一流という裏の顔を持つ(日本版では説明が難しいのか元・CIA所属となっている)。
正義に沿わず、悪事を働き金や権力をほしいままにする悪人やクズを見ると「スイッチ」が入ってしまい、敵、自分の持ち物、周りの物や道具、敵の位置などを瞬時に記憶し計算、最短で全員殺すルートや方法を思考し始める。
このマッコールの能力について、「2」でのワシントンと監督のインタビューによると「スポーツ選手がアドレナリンが一気に分泌すると極限まで集中力が高まり、野球のバッターが150キロ以上の剛速球もまるでスローボールに見えて簡単に打ち返したり、サッカーのゴールキーパーが相手の弾丸シュートもふわりとしたシュートに見えてあっさりキャッチしてしまうのと一緒です」との事。
戦闘の際には普段の温厚な態度からは想像できないほど冷徹に、一切の躊躇なく致命傷を叩き込み、作中では拳銃で武装したギャングはおろか防弾チョッキや自動小銃で武装した元軍人らを相手にしても最終的に全員始末してしまうという、化け物じみた殺人技術と身体能力を持つ。
前述の経歴から武器製造技術、工作技術も恐ろしく高く、作中では模型や時計に小型カメラを仕込んでアパートの自室に忍び込んだテディや汚職警官達の様子や会話を逆に監視したり、ホームセンターでの戦闘ではガス缶と電子レンジを利用した即席の爆弾、有刺鉄線と土嚢を利用したブービートラップなどを即興で制作し敵を始末している。
自身の私生活は極めて質素であり、最低限の家具と趣味の読書の為の多数の本しか置いていない。その質素ぶりを前述の汚職警官達は「修道士の部屋かよ」と評している。
かつては妻がいたが、何らかの理由で劇中では既に故人であり、マッコールがDIAを引退したのも妻が死んだ事と関係があることが示唆されているが、2でも最後まで詳細は明らかにはならなかった。
なお、デンゼル・ワシントンはロバート・マッコールを演じるに当っては強迫性神経症の症状を意識したと語っており、また「2」では「悪人に対して『悪事をやめないと、お前の子供を殺す』という脅迫を行なう」事も平気でやる人物として描かれている。
また、いつも読んでいる本も亡き妻の愛読書という裏設定が有り、これらの事を考えると、「正義の味方」「ヒーロー」と言うよりも「手段を選ばないダークヒーロー」「過去のトラウマにより『正義の狂人』『悪人狩りを行なう風変わりな狂人ないし犯罪者』と化してしまった者」とも言える人物。
- テリー
CV:潘めぐみ
ダイナーレストランでマッコールと知り合った少女。歌手を夢見ており、マッコールにもその夢を話していた。
ロシアン・マフィアの下で売春婦を強制させられており、ある日暴行を受け入院してしまうほどの大怪我を負った。
この事を知ったマッコールは、法で裁けない悪を裁く為にロシアン・マフィアと対決するようになる。
終盤で無事に退院し、真っ当な生活に戻ることをマッコールに話している姿が描かれている。
- ラルフィ
CV:桜井敏治
マッコールと同じホームセンターに勤務するマッコールの同僚。
年齢はマッコールより一回り下だが、かなりの肥満体型である。
ホームセンター警備員登用試験の為にダイエットをしており、マッコールに指導を受けている。
優しい性格で母親が切り盛りする店が借金取りに放火された際には、警備員になる夢を諦めて母を手伝おうとしていた。
終盤では勤務中に押し入ってきたロシアン・マフィア構成員らに人質にされるも、マッコールの機転で開放されラルフィ自身も逃げるがその後引き返し、マッコールと協力するなど重要な役割を持った。
- スラヴィ
ロシアン・マフィアのメンバーで売春業を取り仕切っていた男。
テリーなどの売春婦を半ば強制的に仕事をさせており、歯向かった女性の顔をバッテリー液で焼くなどの悪事を働いていた。
テリーに暴行を行い入院させた張本人でもあり、テリーの同僚から経緯を聞いたマッコールがテリーを売春業から開放させる為にスラヴィの元に赴いて手切れ金を用意するもスラヴィは「はした金」だとしてマッコールの要求を蹴ってしまう。
このやり取りでマッコールはスラヴィを「貧しい少女達に無理やり売春業をさせている上に、金の事しか考えていないクズ」だと判断し、スラヴィと取り巻きを含めた6名をたった23秒で全員始末し、ロシアン・マフィアへの宣戦を布告する。
- テディ・レンセン
CV:山路和弘
ロシアン・マフィア構成員殺害事件で、マフィアのボスであるウラジミール・プーシキンから派遣された元KGB所属の解決屋。
戦闘力はもちろんのこと洞察力や頭脳にも優れ、事件現場に着くなり事件の真相を「ギャング間の抗争」ではなく「殺人術に長けた第三者の誰かに始末された」とすぐに看破した。
その後、ギャングの事務所に出入りしていた人物の洗い出しや殺しの手口などの分析などを行い、マッコールをマークするようになる。
情報収集の際に他ギャングメンバーを暴行したり、関係者を殺害するなどの暴力をも辞さない危険な人物であり、マッコールとも直接対決するようになる。
テディは偽名で本名はニコライ・イチェンコ。