イソウロウグモ
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いそうろうぐも
イソウロウグモとは他の蜘蛛の巣に勝手に居候する習性の蜘蛛達のことである。
ヒメグモ科イソウロウグモ属Argyrodes の蜘蛛の総称。
体は基本的に小さく、大きい物でも精々1cm程度。胴は三角錐状でやや尖っており、Argyrodes に「銀のような」という意味があるように多くが黒い体に銀色の光沢のある部分を合わせ持つ。
その生態は他の蜘蛛の巣に勝手に入り込んで居座り、そこに掛かった獲物を勝手に食べる労働寄生と呼ばれるもの。ニートかよ!大きく複雑な巣を寄生先として好み、その巣の主が普段パトロールしない端っこの方で生活する。自分で巣を作ることはなく、交尾すら他の蜘蛛の巣の隅の方で行ったりもする。
労働寄生すると言ってもその関係性はその一言で纏められるようなものではなく、活動に様々なパターンがある。例としてジョロウグモの巣にはシロカネイソウロウグモが住んでいることが多いが、そのイソウロウグモの光沢で反射した光が蛾などを巣に誘い込んでいる可能性がある。これにより巣に掛かった昆虫は、イソウロウグモにとっては大きすぎるのだがジョロウグモにとっては美味しい餌である。そして巣に掛かってもジョロウグモが食べないような小さな虫などはイソウロウグモが食べる。こうした相利共生の関係が成り立っている…かもしれない。
一方で、居候するに留まらず巣の主が脱皮して無防備な瞬間を狙って殺して食べたり、その幼体を狙うイソウロウグモも知られる。普通に巣の主にはメリットがないイソウロウグモも存在し、その在り方は様々なのだ。
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