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ウォーシップガンナー2

うぉーしっぷがんなーつー

『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』とは株式会社コーエーから発売された海戦アクションゲームである。
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『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』とは、2006年に株式会社コーエーから発売された海戦アクションゲームである。


概要編集

鋼鉄の咆哮』シリーズの1作ではあるが、長らくシリーズの開発に携わってきたマイクロキャビンが開発から離脱、新たに『亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー』から参加したシェードが開発に加わっている。

このためか過去作品と比べて無双シリーズ色の強いゲームバランスとなっている。


ゲームシステム編集

大まかなゲームシステムは前作『鋼鉄の咆哮 ウォーシップガンナー』を継承しているが、『亡国のイージス2035』から逆輸入した要素も見られる。

  • 白鳥章

本作では主人公の艦長に明確なキャラクター設定が行われたことから、過去作品のように階級が上下するようなことは無くなった。その代わり白鳥章という功績勲章が導入された。勲章の等級が上がることによって開発できる装備が増えたり、開発資金の割引が行われるようになった。

  • 装備開発

本作ではドック艦「スキズブラズニル」の艦内工場で装備を開発・生産するという設定になっており、開発が完了した装備は所持数無限となる。過去作品では敵艦や超兵器を撃沈したときにしか入手できなかったレア装備も、一度入手すれば開発ツリーに入り開発可能となる。

  • 自動兵装

前作では飛来する魚雷・ミサイルを迎撃する際には迎撃モードに入らなければならなかったが、本作では特定の兵装スロットに機銃などの兵装を装備しておくことで自動的に魚雷・ミサイルを迎撃できるようになった。

また速射砲などの兵装は迎撃モードに入ると自動的に敵艦も迎撃してくれるようになった。そのため敵艦の多い戦域はAGSを装備して迎撃モードを起動することで対処が容易になった。

  • 回避兵装

亡国のイージス2035』では迎撃モードの代わりに導入されていた回避兵装だが、本作では通常兵装の中に「チャフグレネード」、「囮投射機」などの回避兵装が新たに実装された。

囮投射機は装備できる艦種が限られるため扱いづらいが、チャフグレネードは終盤のミサイルを大量に撃ち込んでくる敵艦や超兵器に対して事実上必須の装備となる。

ちなみにECMも補助兵装として実装されているが、過去作品の電波妨害装置の位置づけになっている。

  • 軍事機密

『亡国のイージス2035』でも特定の輸送船を撃沈すると電子設計図が入手できたが、本作でも一部のステージに登場する輸送船や輸送機、施設などに軍事機密が隠されていることがある。

機密情報は『亡国のイージス2035』と同じ白紙設計図のほか、実在艦の設計図、武装の開発書など多岐にわたる。

また施設は地上だけでなく海中に隠されている場合もある。海中に隠されている秘密基地は一部の対潜兵装でなければ攻撃できない。

また地上の秘密基地の軍事機密は救助ヘリを使って回収する必要がある。

  • 急速前進・急速旋回

『亡国のイージス2035』では上ボタン(前進)やL1・R1ボタン(旋回)を2回連続で押すことによって急速前進・急速旋回が可能となったが本作でも引き続き実装された。

補助兵装の「急速前進」、「急速後退」、「急速旋回」を装備するとより能力が向上する。攻略本ではこれらの補助兵装を装備しないと使用できないとされているが実際には装備しなくても使用可能である。

急速旋回時にはシュルツの「面舵一杯!」「取舵一杯!」という音声が流れるようになった。


潜水艦編集

PC版の『鋼鉄の咆哮3』に引き続き潜水艦の設計・操作も可能となった。ただし3Dということもあって海底地形のマップも必要となるためか操作可能なステージは限られる。ストーリー上で潜水艦が使用できるようになってからはドック画面で出撃可能なステージか否かが表示される。

バッテリー残量などの要素はなく無制限に潜航が可能である。


フリゲート編集

本作から新たに実装された艦種。駆逐艦のうち戦後に建造された艦をモデルにした船体が新たに実装されこの艦種に類別されている。従来の現用駆逐艦船体も並行して実装されている。

本作では補助兵装の搭載可能数が艦種によって異なり、フリゲートは最多の10種装備が可能。ヘリポートを初めから装備しているためそのままヘリコプターおよびVTOL機の運用が可能である。


ヘリコプター編集

本作から新たに実装された艦載機。

  • 攻撃ヘリ

対艦ミサイルを搭載するヘリコプター。PS2版では過去作品でミサイルを積んでいた攻撃機もほとんどが爆弾に差し替えられてしまったため唯一ミサイルを運用できる航空機だった。

  • 対潜ヘリ

爆雷ないし対潜ミサイルを搭載するヘリコプター。

  • 救助ヘリ

海面上にあるアイテムや漂流兵などを回収してくれる。

地上にある秘密基地の軍事機密を唯一回収できる機種である。

アイテムや漂流兵を回収する姿がどう見てもアブダクションのため円盤機がいないことを残念に思った艦長もいたとか。


ルート分岐編集

過去作品ではPC版の『鋼鉄の咆哮3』でのみ存在したルート分岐だが、本作では序盤のステージの行動次第で主人公の艦の副官に着任する人物が変化し、艦長とそれぞれの副官の交流を中心にしたストーリーに分岐する。

公式では各副官の国籍に分かれた「ウィルキアルート」、「ドイツルート」、「日本ルート」と記述されているが、ファンの間ではもっぱら副官の名前で呼ばれている。

参加する作戦や交戦する超兵器も異なり、同じステージでも副官によって交戦する敵が異なる場合も。

前述の装備開発の解放もルートごとに異なり、ウィルキアルートでは大口径魚雷と生体兵器、ドイツルートでは誘導魚雷とプラズマ兵器、日本ルートでは酸素魚雷と光学兵器が開発可能となる。


ストーリー編集

欧州大戦の終結から20年余りが経った1939年3月。

列強による軍拡競争が進む中、欧州大戦直前にロシア帝国から独立したシベリア極東の小国ウィルキア王国では近衛軍と国防軍による軍事演習が行われようとしていた。

しかし国防軍艦隊は近衛艦隊に向けて実弾を発砲、それと同時にクーデターを挙行した。

クーデターの首謀者である国防軍のヴァイセンベルガー大将は自らを元首とするウィルキア帝国の建国を宣言。世界征服に向けて列強への武力攻撃を開始した。

国王と共に祖国を脱出した近衛軍。その1艦を率いる近衛海軍少佐ライナルト・シュルツは帝国の野望を阻止し失われた祖国を取り戻すために世界の海で戦う。


登場キャラクター編集

CV:竹本英史

本作の主人公。ウィルキア近衛海軍少佐。28歳。

海軍学校を首席で卒業したエリートで、亡命政府樹立後は事実上の主戦力として各地の戦場を転々とする。

シリーズ初の明確なキャラクター付けが行われた艦長ということもあって発売当初は賛否が分かれた。

ステージ中にもステージ開始時の「総員、警戒態勢!」や潜水艦操作時の「潜航開始!」「浮上!」など指示を出す音声がある。

CV:私市淳

ウィルキア近衛海軍中尉。27歳。

シュルツの海軍学校時代の後輩で、鬼教官の筑波に軽口を叩くムードメーカー気質。

近衛海軍の駆逐艦「フンディン」を率いているが、ウィルキアルートでは横須賀の戦闘で「フンディン」を失いシュルツの副官に着任する。

しかしそれ以来艦内では何者かが不穏な通信を送っている様子が確認されるようになる。

ドイツルート・日本ルートの序盤では「フンディン」を率いて援護してくれる。

CV:郷里大輔

日本海軍特務大尉。57歳。

シュルツの海軍学校時代の恩師で、生徒たちからは鬼教官として恐れられていた。

ヴェルナーが「古式ゆかしい頑固親父」と評したように古き良き日本の親父気質の人物であり、良かれと思って余計な気を遣ったシュルツを殴って修正することもあるが、ナギの冗談にユーモラスに答えるなど気さくな一面を見せる。

若かりし頃に欧州大戦に参加し、大破して指揮系統を失った艦を指揮して戦線を維持し、殊勲を上げた武勇伝があり、腰の短刀はその殊勲から賜ったもの。

横須賀での戦闘では駆逐艦「大月」を率いて援護してくれるが、日本ルートでは「大月」は機関故障に伴い放棄されシュルツ達に合流する。

しかしそれ以外のルートではシュルツ達を逃がすために囮となって親帝国派の艦隊に突撃し「大月」諸共消息不明になってしまう。

CV:鈴木麻里子

ドイツ共和国軍技術中尉。28歳。

兵器及び戦術の研究において博士号を持つ優秀な人物。技術交流の一環としてウィルキアを来訪していたところでクーデターに巻き込まれ、祖国から乗ってきた「潜水艦513号」で逃亡中にシュルツの乗艦と遭遇。助けられて解放軍に合流する。

以後は解放軍の戦術補佐官として超兵器の能力分析などに協力する。

ドイツルートではヴェルナーと筑波が合流しないためシュルツの副官を務める。

CV:佐藤朱

ウィルキア近衛海軍少尉。23歳。

シュルツの乗艦の通信長。外部からの通信や情報を取りまとめてシュルツに報告する。副官不在の際には副官代行をも務める。

『亡国のイージス2035』の菊政聡美とは違い副官着任時にはシステムボイスは副官に一任しているため、ステージ中で彼女の音声が聞ける機会は限られる。

CV:小林通孝

ウィルキア近衛海軍大佐。46歳。

ウィルキア近衛艦隊の副司令だったが、クーデターの際に司令が戦死。司令代行として活動していたが、解放軍編成に伴い解放軍司令に着任する。

「人を補佐する方が向いている」と自覚しており、他に適任者がいないことから職務をこなしている。

そのためか自ら前線に赴くことは無く、優れた戦略立案と采配でシュルツ達をサポートする。

CV:藤本たかひろ

日本海軍大佐。52歳。

欧州大戦以来の筑波の戦友で、当時の殊勲で得た軍刀も筑波と一対になる長刀。

横須賀で新帝国派のクーデターによって捕らえられたシュルツ達を筑波と協力して助け出すが、日本がウィルキア帝国に降伏したことに伴い今度はシュルツ達の前に強敵として立ちはだかる。

日本ルートでは戦友筑波との因縁の戦いになる一方、ウィルキアルートでは意外な超兵器を率いてシュルツ達の前に現れる。ドイツルートでは空気。

CV:藤本たかひろ

ウィルキア帝国元首。59歳。

元々はウィルキア王国の大将で、軍務大臣として三軍を掌握していた。他国ともコネクションがあり、密かに超兵器の開発と実用化に向けて策をめぐらせていた。

クーデターにより政権を奪取後、超兵器を用いた世界征服に向けて行動する。


用語編集

  • ウィルキア王国

シベリア極東の架空の国。11世紀ごろにベーリング海に到達したヴィルク族を起源とし、12世紀ごろにはモンゴルキプチャク汗国に従属していた。

13世紀にキプチャクを滅ぼしたロシア帝国の支配を受け、地方都市ヴィルクスクとなる。

16世紀ごろには東スラブ民族との混血も進んだことから独自の民族性や文化が醸成されていき、クリミア戦争時にはイギリスの援助を受けて武装蜂起。2年に及ぶ独立戦争の末に講和が成立した。

1856年に国名をウィルキアとして独立。以来ロシアの南下に対抗する最前線としてイギリスおよび日本と交流があり、主に造船技術が発達してきた。

クーデターにより帝国が成立した後、王国政府は近衛艦隊と共に国外へ亡命、「ウィルキア解放軍」として祖国解放のために各地で帝国と交戦する。

  • 漆露戦争

1901年に勃発したロシア帝国によるウィルキア侵攻に端を発した戦争。ウィルキアは日本の協力を得てロシアに勝利。ロシア支配を脱した属領を得るに至った。

  • 欧州大戦

史実の第一次世界大戦に相当する戦争だが、日本海軍が大規模な戦闘に参加しているなどその推移は大幅に異なる模様。

またこの戦争で敗れたドイツ帝国は赤地に十字を描いた白丸というハーケンクロイツを思わせる国旗を採用していたとされる。

  • 駆逐艦「フンディン」

ヴェルナーがストーリー開始時に乗っている駆逐艦・・・という設定なのだがグラフィックはどう見ても扶桑型戦艦。駆逐艦と呼称されるのもあるステージの1か所だけである。

  • ドック艦「スキズブラズニル」

近衛艦隊の保有するドック艦。ドックのみならず装備の開発・製造を行える工場を備え、解放軍の移動拠点として活躍する。

ストーリー開始時点ではドック棟と工場棟で別々の艦になっているが、ストーリーが進むにつれて改修が進み移動工場のような風格になる。

  • 旗艦「イダヴァル」

近衛艦隊並びに解放軍の総旗艦。戦艦であるらしいのだが劇中ではそれらしき姿は確認できない。

  • 駆逐艦「ラタトスク」

ノルウェー沖を警戒していた解放軍の駆逐艦。敵艦発見の通信と共に消息を絶つ。

  • 駆逐艦「大月」

横須賀での戦闘で筑波が乗っている駆逐艦。グラフィックは秋月型駆逐艦

  • 戦艦「常陸」

天城の乗っている長門型戦艦。通常の長門型戦艦を上回る耐久力にミサイルも装備している。


超兵器編集

本作では「超常兵器級」という独自の設定が付け加えられ、古代文明のオーパーツ「超兵器機関」を組み込んだ巨大兵器となっている。

また一部超兵器には部位破壊が実装され、部位破壊を行うと副官の報告と共に超兵器の一部能力が低下する。


ストーリー上で詳細が判明しないまま交戦する超兵器も多いこともあってか、シリーズ伝統となる超兵器接近時の超兵器名コールは廃止されてしまった。

本作オリジナルの超兵器の一部は登場人物同様に米村孝一郎がデザインしている。


詳細は鋼鉄の咆哮シリーズに登場する超兵器の項参照。


PSP版編集

2009年にPlayStationPortable移植版「ウォーシップガンナー2 ポータブル」が発売された。

一部生産不可能だった装備の開発・生産が可能となり、PS2版では頼りなかった航空機も能力が大幅に向上し扱いやすくなった。

また敵艦の攻撃力の強化も行われ、一部の超兵器戦は歯ごたえのあるを通り越して異常ともいえる高難度になった。

BGMも一部が『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー』で使用されていたPC版の楽曲に変更されている。


余談編集

劇中でフランス海軍やイタリア海軍と共闘する場面があるが、フランス海軍はコロラド級戦艦、イタリア海軍はネルソン級戦艦ノーフォーク級巡洋艦を運用している。これは過去作品でフランス艦およびイタリア艦はレーザー兵器を搭載した戦闘艦のグラフィックに採用されていたためと思われる。


横須賀やイギリス近海など一部のマップは『亡国のイージス2035』を流用しているが、『亡国のイージス2035』の「いそかぜ」がインド洋喜望峰を経由してイギリスに至ったのに対し、本作の解放軍は太平洋を横断してパナマ運河を経由してイギリスに至っている。そのためほとんどのマップは新規に作成されている。


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鋼鉄の咆哮

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