概要
鳥綱・チドリ目・ウミスズメ科・ウトウ属に分類される海鳥の一種。
全長37cm、体重450~500gでエトピリカ程度の大きさ。
北日本からカリフォルニア州までの北太平洋に広く分布し、繁殖期以外は陸に上がることはない。
繁殖期には上の嘴の付け根に突起ができ、目と嘴の後にも眉毛と髭のような白い飾り羽が伸びる。5月から7月にかけ、険しい断崖の上に集団で営巣。浅い巣穴を掘って草や羽毛を敷き抱卵・育雛する。親鳥は嘴に魚を多数ぶら下げ、カモメ類を避けるため日没後に巣に戻り、雛に給餌する。
日本では北海道の天売島、大黒島、渡島小島、岩手県の椿島、宮城県の足島などが繁殖地となっており、特に天売島には約100万羽がやってくる。
水中を飛ぶように泳ぎ、イカナゴ、オキアミ、イカなどを捕食。
長野県塩尻市の民話「善知鳥峠」に子を奪われて「ウトウ、ウトウ」と鳴く鳥として出てくる。