概要
クワガタムシ亜科に分類される属の一つ。
学名は「Macrocrates」。
体長は30mm程度で、小型種の部類に入る。
名前の「オオズ(大頭)」が示す通り、オスの頭部が分厚く肥大化するようにして発達する。その特徴的な見た目から、しばしば「アリを大きくしたようなクワガタ」と例えられる。また、大顎は褐色を帯びる。
触覚はクビボソツヤクワガタと同じように長く発達する。
メスは一般的なクワガタムシのメスと似たような外観となる。
上翅はイエロー型と呼ばれる黄色くなるタイプとメラニック型と呼ばれる黒くなるタイプに分けられる。
生息数が少なく、一部の専門店でも少数しか流通しない。初入荷時の価格は成虫1ペアで50万円以上、メスのみで約30万円と非常に高額であったが、現在は少数だか繁殖個体が出回っており、成虫1ペア20万円代で価格は落ち着いている。とはいえ、ウエストウッディに次ぐ高額希少種である点は相変わらずである。
主な種
ブケファルスオオズクワガタ(M bucephalus)
単にオオズクワガタとも呼ばれる本属の基準種で、サンタカタリーナ州に生息する。
大顎は直線状に伸びる。
イエロー型が多く出回るが、地域によってはメラニック型も存在する。
アウストラリスオオズクワガタ(M australis)
パラナ州、サンタカタリーナ州に生息。大顎は根元に内歯が付き、下がるようにして湾曲する。
上翅はメラニック型が大部分を占めるが、稀にイエロー型も採集される。
また、本種に似た種として通称ホソミオオズクワガタ(名前は世界のクワガタムシ大図鑑(2010)より)と呼ばれる不明種が存在しているが、詳しい分類は不明。
ギャランオオズクワガタ(M galantorum)
サンタカタリーナ州に生息。内歯が生え揃った大顎が特徴。
昔からベルギー王立自然史博物館に標本が所蔵されている不明種として知られており、2012年に記載された。その後、しっかりと生きた個体も発見されている。
ギャラントルムオオズクワガタとも呼ばれる。
インヴェニレウスオオズクワガタ(M invenireus)
リオグランデ・ド・スル州に生息。まっすぐに伸びた長い大顎に一対の突起がある特徴的な姿の種。珍しい。