カブ(ハウルの動く城)
かぶ
「ハウルの動く城」に登場するキャラクター。「カブ」の名称は本作の主人公ソフィー・ハッターによるもの。
縦に長い木の棒に、やや短めな木の棒を上寄せ気味の十字に組み合わせた案山子(カカシ)。羽付きの黒のハットを被せた顔の彫刻とポンプに似せた木片を刺してある蕪(カブ)製の頭部に、擦り切れた黒の紳士服を被せた胴体、両腕に相当する横棒の先端に手袋を引っ掛けた姿をしている。
何らかの魔法がかけられており、自分の意思で動く。案山子ゆえに言葉での意思疎通は不可能だが、掃除婦としてのソフィーを援護したり、雨のなか号泣するソフィーの元へ傘を開いて駆けつけたり、ハウル一家が危機に瀕した時は自分を犠牲にして一家を守ろうと奮闘するなど、器用さと良心的な性格を随所で見せる。そんな彼の正体は…。
あらすじ
荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老婆へと変貌したソフィーは、自身の姉妹が席を外している隙を見て自宅を、そして街を抜け出した。
盗賊の噂の立つ丘陵でソフィーただ独り放浪していると、生垣に杖代わりになりそうな「木の棒」が引っ掛かっているのを偶然発見。
すぐにでも使おうと思いっきり引っ張るが予想以上に重いではないか。それもそのはず。ソフィーが引いたのはカブ頭の案山子だったのだ。これでは背高過ぎで杖には使えない。
そのまま置き去りにするが、案山子は魔力がかけられており、自立しているだけでなくソフィーの後を着いていくようになった。ソフィーに冷たくあしらわれながら、ハウルが所有する巨大な城が移動しているのを発見、玄関にたどり着いたソフィーから別れを告げられる。
しかし城が歩行を停止し、掃除婦の肩書きをかかえたソフィーが周辺を調べていると、茂みにまた「棒」が引っかかっていた。もしやと思ったソフィーがマルクルと二人がかりで引き抜くと、その正体は「自立する案山子」だった。それ以来、カブと呼ばれる物はソフィーと共にハウルの家族の一人として行動を共にすることとなる…。