『…垣根帝督以外の何かになろうとする必要なんてどこにもなかった』
「…私の、名前は……『未元物質』を操る学園都市第二位の超能力者、垣根帝督です」
概要
カブトムシ05とは、とある魔術の禁書目録に登場するキャラクターの一人。
学園都市第二位のレベル5垣根帝督が自らの能力である『未元物質』を使って生み出した『白いカブトムシ』の兵器の一つ。大きさは平均15m程度で、ヘリコプターに引けを取らない大きさ。羽の振動で人工音声を作り会話する事が出来る。
「作戦行動に支障をきたす要因を残らず撃破しろ」という命令を創造主の垣根帝督より受け、打ち止めたちを追撃する。しかし「現状、浜面達に脅威を感じられないことから、作戦を続行することでオーダーリスト全体が崩壊する危険がある」と判断して、一旦自らを盾に浜面を逃がそうとするが、フレメアと打ち止めが「カブトムシ05を見捨てたくない」という、彼(?)曰く「純真だが理論が成立してない」理由により残ったので、個人的な感情も関係して結果的にマスターである垣根帝督に敵対し、他の『白いカブトムシ』、そしてフロイライン=クロイトゥーネからの逃走を開始する。
しかし、創造物でしかないカブトムシ05は、マスターである「垣根帝督」の命令を拒否し続ければ、いずれ「垣根帝督」という主柱を失い、崩壊するという危険性を孕んでいた。そして、遂には垣根帝督の幻覚すら見え始めてしまう(恐らく、滝壺が起死回生の一手として不完全ながら「自分だけの現実」を与えたため)。さらに、垣根帝督から直接打ち止めとフレメアを抹殺するよう命令を言い渡され、絶体絶命の状況に追い込まれる。
が、自らを「垣根帝督」と定義するという、プリセットにはない解法(=自分だけの現実)を得た、カブトムシ05…いや、垣根帝督は「垣根帝督」というシステムを乗っ取り「垣根帝督という全てのシステム権限」を得て、マスターであった「垣根帝督(であった何者か)」に決定打を加え、一方通行と共に止めを刺した。その姿は、全身が白く、碧眼の「垣根帝督」そのものだった。
一端覧祭編後はフレメアのキーホルダー兼保護者となり、うっかり屋で、忘れ物をすることが多いフレメアに手を焼いている様子。だが、フレメアの事は非常に大切に思っており、恋査との戦闘時、彼女が「どうして…(そこまで必死に戦うの?)」と言った問いに対して、「それはあなたが心配するような事じゃない」と、即答するほど。
人格
そもそも復活した垣根帝督が「未元物質」によって生み出した肉体達には、さながら妹達のように様々な意思が現れていたらしく、マスターであった「垣根帝督」も原作15巻時点での垣根帝督に近かった存在というだけで、本物の「垣根帝督」ではない。カブトムシ05もそんな「垣根帝督」の一側面に過ぎず、謂わば「垣根帝督」の中の優しさが表面化した個体といえる。
そういう意味で原作15巻における正真正銘、全ての意志を備えた「垣根帝督」は未だに復活してないと受け取ることもできる。
事実、新約八巻において垣根帝督の臓器から「垣根帝督」が復活を果たした。(もっとも、これも元の垣根帝督に一番近い個体だっただけなのかもしれないが。)
口調は基本的に丁寧語で、一人称も「私」。しかし一度だけ恋査戦の時に厳しい口調になったが、チンピラ時とは程遠い口調だった。
余談
カブトムシ05が白いことと、垣根帝督の姿となったカブトムシ05も白いことから「白垣根」という表現が多く使われる。当初の「未元物質」で生み出された垣根帝督のシステム権限をもっていた「垣根帝督」はそれと対比して「悪垣根」や「黒垣根」という呼称で呼ばれる。
汚い部分が消え去って綺麗な部分だけ残ったという点ではきれいなジャイアンと共通するところがある。そのため、ファンの間では「綺麗な垣根」という表現がよく使われる。新約6巻の展開を短くまとめるなら、元のジャイアンがこの世から消滅し、きれいなジャイアンだけが残ったようなものだろう。
ちなみに、恋査との戦闘時に無限増殖を使わなかったため、垣根帝督(カブトムシ05)には「未元物質の使用に制限がかかっているのでは?」と疑問に思った読者もいたようだが、恋査が仕掛けた爆弾を撤去する際に最低でも15m級のカブトムシ50体に分裂している。ただ、考えなしに増殖すると、かつての自分のようにマスターに反逆を起こす個体が出てくる可能性があるため、と言う用心である。
『レベル5をあまり甘く見るんじゃない』