曖昧さ回避
- 中世ヨーロッパ悪魔学の造語。
- ファイナルファンタジー6に登場するモンスター。
- Innocent Greyによるアダルトゲーム。本項で解説。
概要
アダルトゲームブランド『Innocent Grey』の処女作。
正式タイトルは『カルタグラ~ツキ狂イノ病~』。
終戦から数年が経過した日本を舞台に、上野と逗子にて愛憎により巻き起こる惨劇と、その中で行動を起こす主人公の姿を描く。
2005年4月に発売され、同年12月には『カルタグラ 〜魂ノ苦悩〜』としてPS2にも移植された。
またDVDとしてだが、2009年にはアニメ化もされている。
2022年には新生カルタグラの鋭意制作中がTwitterより発表されている。
カルタグラとは中世ヨーロッパの悪魔学者による造語であり『魂の苦悩』を意味する。
主な登場人物
高城秋五(たかしろ・しゅうご)
主人公。『ある事件』をきっかけに退職した元警察官。
現在は上野にある遊郭『雪白』に居候し探偵業を営んでいる。
ある日、たびたび仕事を紹介してくれる警察官時代の上司から、逗子の良家息女『上月由良』の捜索を依頼され、かつての恋人である彼女の失踪に複雑な想いを抱きながら捜査を行うこととなる。
正義感が強く優しい心も持ち合わせているが、それ故に事件の関係者などに感情移入しすぎる傾向がある。
上月和菜(こうづき・かずな)
失踪した上月由良の妹。依頼を受け逗子にやってきた秋五に姉の捜索を懇願する。
父に反発して家出し母方の実家に身を寄せていた経緯があり、現在では上野で舞台女優を務めている。
清楚で大人しい雰囲気をまとっているが、性格は明るく活発であり、その言動が周囲を翻弄することも。
逗子に帰ってきた際に由良の失踪を知り、外部への依頼を渋る父を説得した。
初音(はつね)
遊郭『雪白』で働いている少女。戦争で身寄りを亡くした所を雪白の女将に拾われた。
雪白においては食膳運びを担当している他、秋五の身の周りの世話を進んで行っている。
転んで食膳をこぼしてしまうなどたびたび失態を犯しているが、勤務はそれなりに長い為性格は真面目で芯が強い。
秋五に密かに恋心を抱いているが、口には出せないでいる。
高城七七(たかしろ・なな)
秋五の妹。ボーイッシュな口調で喋る上野の私立女学生。
『天才少女』とされ幅広い知識と思慮深さを持つが、兄とは対照的にエキセントリックな言動が多い。
また、興味を向けた事柄に関しては他のことを一切無視して没頭する為、秋五は気苦労が絶えない。
作中では由良の失踪と前後して上野で起きている猟奇殺人事件に興味を持ち、独自に捜査を行っている。
蒼木冬史(あおき・とうじ)
上野を拠点に暗躍する謎めいた組織『死の腕』の幹部を務める女性。
用心棒も兼用しており、隻眼であるにもかかわらず常軌を逸した身体能力を持つ。
秋五が警察官時代に知り合った人物であり交流を重ねていった結果、現在では彼の仕事に力を貸す気の置けた親友関係となっている。
冷徹で後ろ暗い一面を持つが、家事が得意という意外な長所があり、秋五には女性としての包容力も見せる。
雨雀(うじゃく)
遊郭『雪白』の女将。元々は別の遊郭の遊女だったが、引退して雪白の経営に踏み込んだ経緯を持つ。
情に厚い姉御肌な女性で、その性格を見込まれ上野全域の娼館の元締めも任されている。
また遊郭を訪れる客との交友により、人の知らない情報を熟知し情報屋として行動することも。
遊郭で働く人々には厳しい姿勢で臨むが、熱意は周囲にも受け入れられており女性達から慕われている。
凛(りん)
遊郭『雪白』で働く女性。遊女であるが、それを感じさせない人当りの良さを持つ。
秋五とも仲が良く好意を持っているが素直になれず、ついつい自分の気持ちを冗談めかして伝えてしまう。
その為彼女の『愛』は秋五に本気に受け取ってもらえず、関係は進展しないでいる。
内心では娼婦という自身の身の上を気にしている。
綾崎楼子(あやさき・たかこ)
七七の通う学園の同級生で親友の少女。曾祖母が白人だった為、髪がブロンドがかっている。
警察官時代の秋五にとある事件で出会って一目惚れしてしまい、それ以来ずっと仄かな想いを持ち続けている。
良家出身のお嬢様である為か、世間の常識には疎く突飛な行動をよくとる。
おっとりとした性格をしているが、時には押しの強い一面を見せる。
祠草時子(しぐさ・ときこ)
上野の貧民街を彷徨い歩く、謎の女性。
宗教団体に所属しており、姿を見せない教祖に代わって布教活動を行っている模様。
表情の変化が少ない寡黙な性格で、何を考えているのかを窺わせない不思議な雰囲気を持つ。
上野で起きている猟奇殺人事件の容疑者とされているが……。
上月由良(こうづき・ゆら)
秋五を本作の物語に導いた、行方不明となっている女性。
盲目であり、ある事情から人を信じることが出来ない心の闇を抱えていたが、戦前の逗子にて偶然秋五と出会い、恋に落ちる。
その後自分を受け入れてくれた彼に深い愛情を向けるが、戦争により秋五が出兵し、彼女も謎の失踪を遂げてしまった。
捜索の依頼主である彼女の父によると『既に死んでいる』ともされているのだが……。