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キアロスクーロ

きあろすくーろ

キアロスクーロ(イタリア語:chiaroscuro)は、美術分野における第1義としては、グラデーションによって立体感を表す明暗効果、および、技法としての明暗法をいう。その以外の語義などについては本文を参照のこと。
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美術における第1義編集

美術分野における第1義としての「キアロスクーロイタリア語chiaroscuro)」とは、漸進的諧調(グラデーション)によってに生み出される三次元性(立体感)の高い明暗の効果であり、その技法をも指す。この技法の雛形は古典古代から存在したが、現代の意味のおけるそれはルネサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチによって生み出された。さらにその1世紀のち、バロック期になってミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョが爆発的に広めたことにより、後世の芸術家に多大なる影響を与えるものとなった。


原語であるイタリア語 “chiaroscuro” の初出は1680年代(※OED =Online Etymology Dictionary)。語構成は[ chiaroscuro < chiaro(キアロ、キアーロ|= clearbright、明るい、輝くような、澄んだ、色が淡い、鮮明な)+ oscuro(オスクーロ|= darkobscure、暗い、闇の、黒っぽい、くすんだ、不明瞭な、曖昧な)](※OED)。"bright-dark"「明-暗」の意味合いで造語されている(※OED)。

日本語では仮名転写して「キアロスクーロ」と呼ばれるほか、「明暗法」「陰影法」ともいう。なお、英語発音(その仮名転写例:※Cambridge Dictionary、英辞郎)は、イギリス英語で「キアーラスクアラウ」、アメリカ英語で「キアラスキュロウ、キアラスクロウ」。


漸進的諧調による三次元性の表現が充分にできており、明暗のコントラストが大胆で、それが作品全体に多大な影響を及ぼし、全体の構成を決定づけている場合、この技法が用いられている(この技法での描写に成功している)と言ってよいであろう。

ルネサンス期やバロック期とは違って様々な美術的技法が駆使されている現代において、キアロスクーロは珍しい技法でなくなっているため、これをいちいち挙げていたのでは切りが無いが、際立ってその特徴が現れている作品については、タグ付けすることにも意味があるに違いない。


なお、本項の初稿編者は、なるべく、作品投稿者の活動拠点が日本語圏の場合に限って日本語タグ「キアロスクーロ」を使い、それ以外の場合は英語タグ “chiaroscuro” を使うようにしている(※作品投稿者のタグはロックされているため、そこはカバーされていない)。


※参考文献

大日本印刷株式会社『現代美術用語集』、ほか。


関連イラスト(美術における第1義)編集

「キアロスクーロ」と「chiaroscuro」のいずれかでタグ付けされている作品群より抜粋。

Merry raysBride時間のプリンセス平安京


美術における第2義編集

「キアロスクーロ素描(英語:chiaroscuro drawing)」。「モノクロミー(単彩明暗画)」とほぼ同義。一色を用いた絵画やドローイング、着彩紙でハイライトに白色を塗ったものをいう。彫刻を模す「グリザイユ」描法や陶器表面にカメオを模す「カマイユ」技法を含む。


美術における第3義編集

「キアロスクーロ木版画(英語:chiaroscuro woodcuts)」。木版画の一技法。ハイライト部を白抜きにし、中間部と陰影、輪郭のためにそれぞれ明度の異なる3色を用いて重ね刷りにしたものをいう。


映画や写真の分野におけるキアロスクーロ編集

映画写真の分野では、明暗を強調した照明効果を指す。


文学におけるキアロスクーロ編集

文学などの分野では、「キアロスクーロ」または「明暗対照法」と呼ばれる表現法である。


表記揺れ編集

chiaroscuro


関連タグ編集

美術 レオナルド・ダ・ヴィンチ ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

技法:グラデーション明暗陰影コントラスト

効果:三次元性(立体感)、深み奥行き

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