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クロエのレクイエム

くろえのれくいえむ

クロエのレクイエムとは、サークル「ブリキの時計」によって作られたフリーゲームである。
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概要編集

少年「ミシェル・ダランベール」が呪われた音楽家の館を探索する、名作フリーホラーアドベンチャー。左上に表示される精神値が全てなくなるとゲームオーバーとなる。手に入れたアイテムは、右手か左手(又は両手)に装備することで謎解きに使用できる。ENDは全部で4種類ある。ver.1.20から新たに2つのEDが追加され、全6種類となった。


厳密に言うと精神値(ゲーム左上に表示されるハート)が全てなくなること自体はゲームオーバーでなく、クロエが死亡することがゲームオーバーの条件である。クロエに話しかけると精神値を回復できるが、全てなくなった状態では...。


2014年11月21日には、小説版が発売。

更に2014年12月29日には、番外編の『クロエのレクイエム -Con amore-』が配信された。


その9年後の2023年には、Steamにてグラフィックや立ち絵を一新、オリジナル音楽新収録の大幅リメイクされたクロエのレクイエム -encore-がリリースされた。

(『Con amore』もクリア後の追加要素として同時にリメイクされている)

ストーリー編集

少年、ミシェル・ダランベールはどこかへ向かっていた。宛先のないどこか。

・・・辿り着いたのはとある有名な音楽家の住む、呪われた館だった。


登場人物編集

ミシェル・ダランベール編集

ミシェルくん

館に迷い込んだ少年。12歳。ある理由でヴァイオリンと演奏を嫌う。音楽の才能がある。

クロエに対し最初はあまり良い感情を抱いていなかったが、段々と彼女の優しさに惚れ込んでいく。

弟ピエールとは親しかったが才能の差が原因で決裂してしまい、後悔と自責の念を抱いている。

自身の才能以外には冷淡な父や、ピエールの事を悪く言うシャルロットに密かな憎悪を抱く。

甘い物好き。


クロエ・アルデンヌ編集

「ミシェル!」

館に住んでいる少女。11歳。有名な音楽家「アラン・アルデンヌ」の一人娘で、ピアノ演奏に長けている。天真爛漫でとても優しく、思いやりがある少女だが、泣き虫な一面もある。

何故かミシェルの事を知っていた。

ネコを2匹飼っており、それぞれ『ノワール』と『ブラン』という名前を付けている。


ピエール・ダランベール編集

頑張り屋さん

ミシェルの双子の弟。ミシェル程の才能はなく、父に若干見限られている。

ミシェルとは仲が良かったが、上記の一件が原因で決裂してしまい、それ以降彼を一方的に無視している。その後、ミシェルへの恨みから父親にある事を告げ口した事が原因で、ミシェルの精神を“最悪の状況”へと追い詰めてしまう。


シャルロット編集

シャルロットちゃんリメイク

ダランベール家のメイドの少女。13歳。とても恥ずかしがり屋で泣き虫な性格。ミシェルに好意を抱いている。

ミシェルを慕う一方、彼を悪く言うピエールの事は嫌っており、非情な態度で接する。

作中用語編集

心の中に強い憎悪の感情が生まれると出現する。呪いは憎悪が強くなっていくごとに段々と人の心を蝕んでいき、ある段階を過ぎてしまうと人の自我さえも喰い尽くしてしまう。呪いに蝕まれた者は感情表現が極端に乏しくなり、人形のように無表情になる。

呪いを解く方法は未だ解明されていないが、「“その人を愛する誰か”の行動によっては奇跡を起こす事ができるという説もある」というが...。

「呪いと深く関わる何か」が、呪いの元凶としてその人の心に住み着く場合がある。作中では2人の人物が「呪いの元凶」として登場するが、それらは元凶である人物を模した「呪いそのもの」であり、元凶となった人物本人ではない。

関連イラスト編集

鎮魂歌

クロエのレクイエム


関連タグ編集


外部リンク編集


※以下ネタバレ注意※編集






















クロレク

本物のクロエは序盤で襲い掛かってくる白髪の殺人鬼であり、本編に登場するクロエは本体から追い出された“残骸”、つまり自我である。(本人曰く「生霊のようなもの」)


クロエは父親アランから歪んだ愛情...虐待を受けており(この凶行に及んだ父親の背景と理由については続編の『Conamore』で明らかになる)、この事が原因で父親を憎む余り、心に呪いを宿してしまう。

一方、ミシェルの父親も自分の利益の事しか考えない冷酷な人物であり、(早い話が毒親)才能がない弟ピエールに辛く当たり続けた事が原因で2人を喧嘩別れさせてしまう。そんな絶望的な日々の中、ミシェルは家に迷い込んで来た愛らしい黒猫に「クロエ」と名前を付け、父や弟から疎まれる毎日の中での唯一の心の拠り所にしていた。しかし、シャルロットと共に「クロエ」の世話をしていた所をピエールに見られてしまい、結果として「クロエ」はピエールの告げ口を受けた父親の命令によって寂れた山に逃がされてしまう。

この一件が発端となってミシェルは父親だけでなく父親の命令に従うしかなく「クロエ」を逃してしまったシャルロットすらも憎悪する様になり、尚も自分を的外れな方法で励まし続ける彼女に激怒してシャンデリアの真下に突き飛ばしてしまう。その結果「何故か」シャンデリアが突然落下し、シャルロットは下敷きになり死亡してしまった。

この一件の後ミシェル自身も呪いに支配される様になり、憂さ晴らしに野良猫を大量に殺し続けるという凶行に走る様になる。(本編序盤でミシェルの感情表現が極端に少ないのはそう言った経歴からであり、ゲーム序盤でとある部屋の鏡を調べると、呪いに支配された真っ黒い姿のミシェルが浮かび上がるという恐怖演出がある)


ミシェルもクロエも自身の呪いと周りの環境に苦しめられ続ける中、ある時開かれた演奏会で初めて2人は出会い、共演する。この時尚もアランはクロエに虐待を働こうとするが、彼女の顔色から事態を薄々察したミシェルに制止される。ミシェル自身はこの時の事をあまり覚えていなかったが、クロエは父親から自分を引き剥がしてくれた彼を心の拠り所にする様になり、その後も父親の虐待に耐えながらミシェルの助けを求め続けていた。


そんなある日、アランはクロエに対して一つの曲をプレゼントする。


クロエ。新しい曲が完成したぞ。

今度の曲はな、お前の為に作ったんだ。

  題名は...『クロエのレクイエム』」


それを聞いたクロエはとうとう完全に呪いに支配されてしまい、アランだけに留まらず母親や館全員の人間を殺害してしまう。

館すらも呪いに支配され、本体から追い出されたクロエの自我は、唯一自分を父親から逃れさせてくれたミシェルに助けを求め、この館に呼び寄せていた。


同じくミシェルも父親の叱責により呪いが進行してしまい、父親を殴り付けメイドを刃物で刺し逃走。そこで逃げた先こそが、クロエの館であった。


当初はクロエに対してあまり良い感情を抱いていなかったミシェルだが、言葉や演奏を重ねる内彼女の優しさに呪いが僅かながらも浄化されていき、段々と人間らしい感情を取り戻していく。

しかし、「クロエ」という名前から彼女と自身が可愛がっていた猫を重ねる様になり、ある時アランのアルバムを読んでしまった事で完全に呪いに支配されかけてしまう。(ゲーム内で「クロエはぼくが殺した」と発言していたのは黒猫クロエを守れなかった自責の念と呪いが絡み合った結果の言動)

しかし、クロエが付けていた日記の中に綴られていた彼女の父親からの虐待や母親からの嫉妬に耐え続ける悲痛な想いを読んだ事で自我を取り戻し、彼女を想って涙を流す。その後クロエに謝罪、館の呪いを解く事により一層尽力する様になる。


最後の演奏曲「ショパン:夜想曲第20番」を演奏後、クロエから真実を告げられた後「呪いに支配された自分の本体を殺し、館を解放して欲しい」とナイフを手渡される。クロエは自分の本体が既に体力の限界を迎えており夜明けまでには死んでしまうこと、呪いを抱えたまま死んでしまうと悪霊になってしまうこと、悪霊になれば館全体が呪われて多くの人間を巻き込んでしまうこと、それを止めるためには本体を殺すことが唯一の方法なのだとミシェルに諭し、「クロエ、貴方の演奏が大好きよ。だから、どうか自分とバイオリンのことを嫌いにならないで」「呪いなんて、持ったら駄目なの」と激励の言葉を贈る。そして「貴方の呪いが愛に変わり、浄化されますように」とミシェルにお祈りを交わして消滅してしまうのだった。

「館の呪いを解き脱出するには、本体の命が尽きる夜明けまでにクロエを殺さなければいけない」という苦渋の選択を迫られるミシェルだったが...


エンディング分岐・条件(ネタバレ)編集



記事冒頭でも述べられている通り、エンディングは「クロエエンド」「トゥルーエンド」「ノーマルエンド」「バッドエンド1」「バッドエンド2」「ゴーストエンド」の全6種類存在する。

殆どのエンディングは、最後クロエと対峙する際の選択肢によって分岐されるが、この内「トゥルーエンド」と新エンディング「クロエエンド」「ゴーストエンド」はクロエ消滅前に「とある条件」を満たしている必要がある。


ハッピーエンド。是非、自身でプレイして確かめて欲しい。

「お守り」「鈴」が必須アイテムであり、この内「鈴」に関しては黒猫ノワールに装着させる必要がある。条件を満たせば、ノワールが回復役となって隠し通路に降りてくる。

通常エンド。ミシェルがクロエの願いを言葉通り叶えるエンドであるが、非常に悲壮感溢れるエンディングとなっている。

1つ目のバッドエンド。ナイフを装着していないか、トゥルーエンドの条件を満たさないままある選択をすると発生。

ミシェルがクロエを殺害する事を拒否し、呪いとなったクロエに殺害されてしまうエンディング。バッドエンドではあるものの、救いのある終わり方であるからか「こちらのエンディングの方が良い」という感想を抱くプレイヤーも一定数いる。

  • バッドエンド2

2つ目のバッドエンド。こちらに関しては文字通りのバッドエンドであり、恐らく作中では1番後味が悪い内容。


  • クロエエンド

トゥルーエンドその2。トゥルーエンドの条件を満たした状態でノワールに話しかけると「黒ずんだ鈴」を渡される。それを持ってクロエの部屋に行き、発生するイベントを行った後隠し通路に降りて来る2匹の猫に話しかければ条件達成となる。

上述のトゥルーエンドに準拠した感動的展開となっているが、「本編でミシェルが接していたクロエの自我と呪いに取り憑かれた本体のクロエは別存在であり、記憶を共有しない」「呪いから解放され、自我を取り戻した本体のクロエは館でのミシェルとの記憶がない」という事実が判明する衝撃的な展開のため、どちらのトゥルーエンドの方が好みかはプレイヤーごとに意見が分かれる。

  • ゴーストエンド

クロエエンドの条件を満たした上で「呪いの元凶」に敗北すると発生。「幽霊となり、クロエと永遠を共にする」という内容で、バッドエンド1と同様救いのある終わり方であるため、一部のプレイヤーからは「メリーバッドエンド」とも評されている。

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