概要
木星産クロスボーン・ガンダムの2号機。
パイロットは木星タカ派「オリンポスの下僕」の暗殺者"薄紅姫"イオ。
「オリンポスの下僕」側からは単に『トゥエルブ』と呼称される。
木星独自の技術との折衷案として設計された機体で、頭部は木星式のモノアイに加えデスフィズのようにつばが左右に広がっておりアンテナは左側頭部に1本、四肢も木製帝国のMSによく見られる曲面的な意匠になっている他、「テンタクル・スラスター」と呼ばれる異形のフレキシブルスラスターは多関節式で触手のようにしなり一節に2基ずつ、一本につき計10基のノズルを備えている独特な構造をしており、その容姿は過去のクロスボーン・ガンダムとは大きくかけ離れた物になっている。
機体のバイオセンサーと強化人間であるイオの全身に張り巡らされたバイオチップが連動する事で、あたかも自分が巨大なMSになったかのような直感的な操作が可能となっている。
分かりやすい様に劇中では時折X-12が巨人と化した(全裸の)イオとして描写されている。
ただこの特徴は機体ダメージを自分の体へのダメージとして誤認してしまうと言う弱点にもなっており、「敵機に捕縛された腕を切断して逃げる」といったX-12の四肢を敢えて犠牲にする判断に心理的抵抗を感じ、行動が遅れてしまう。
一度は完成した物の、X-11と『同等』の性能では納得しなかった好戦派の主導で調整と改造が続けられている。
しかし本家クロスボーン・ガンダムに見られたフレキシブルスラスターのX字の配置、フェイスオープン、コア・ファイターとの分離合体等の特徴は概ね受け継いでおり、装備の規格もX-11と共有している。
コア・ファイターのコックピット部が非変形だが、これは大気圏内運用を考慮した旧来のコア・ファイターと違いX-12のは宇宙空間以外での運用を想定していない為。
しかしコックピット形状は変形した旧来のモノと相似しており、若干の違いはあるが本体部のロック機構は動作するため、問題なく換装可能。また非変形であるため、X-11のモノより若干だが居住性が高い。
現在のパイロットに合わせて装備とカラーリングも変更され、パイロットの別名でもある「薄紅姫(ペイル・ルージュ)」と呼ばれている。また、彼女の特性に合わせ、超高収束率のビームサーベル「ニードル・フルーレ」を主兵装としている。
劇中ではカーティス・ロスコがパイロットのイオを一旦無力化した後に返却されるが、その際まだ洗脳が解けきっていない彼女にフルスペックのX-12を与えるのは危険と判断されたためX-11とコアファイターを交換する事でイオとのリンクを弱められている。
同時にこれは彼女を道具として使い潰そうとしている「オリンポスの下僕」の呪縛から解放する為の策でもあったが、これが後にX-11に思わぬ力を与える事になる。
バリエーション
X-12(U.C.0159年時)
『LOVE&PEACE』にロールアウト直後の姿で登場。
背部スラスターはテンタクル・スラスターではなく、X時型スラスターを装備。形状は木星特有の曲面構成だが、ノズルのレイアウトはクロスボーン・ガンダムを踏襲している。
武装はニードル・フルーレの他、肩にビーム・サーベル2本、脛部にヒート・ダガーを内蔵。フロント・アーマーも1基だけとはいえシザーアンカーとして使用できるが、イオは使い方が分からず使用されていない。
オミットされたのは頭部バルカン砲くらいである。
武装
- ニードル・フルーレ
超高収束率のビームサーベル。フェンシングをベースにする「薄紅姫」の戦闘スタイルに合わせて選定された。
ビームザンバーのビームシールドごと「切り裂く」というコンセプトに対して「貫く」という設計思想に基づいている。
ビームを受けると蒸発することで本体を保護する布状のリアクティブアーマー。構えた時に敵に向ける事になる左肩部に装備される。
- ブランド・マーカー
両腕の手首部に内蔵され、4本の杭状ビームを発生する。
なお手首部分に固定されており、手首が90度内側に折れることで腕部先端に移動する。
- ブレンネン・クゥラー
特異な性質を持つ分割型のビームライフル。大腿部のペイロードに格納されている。
通常運用では封印されている本体の「ある機能」(ネタバレ注意)に依存しており、この機能の解放状態でなければ使用できない。