概要
ラテン語で『剣』を意味する。鍔はかなり小さい(もしくは無い)。主にローマ軍の槍を持った戦列歩兵の接近戦用の武器として用いられた。闘技場でも用いられ剣闘士(グラディエーター)の語源にもなっている。
特徴
(なお、Gladiusそのものはラテン語で『剣』全般を意味してしまうため、ここではローマ軍の剣といえばもっとも有名な『ヒスパニア型グラディウス』以降の様式について説明する。)
西洋の剣でよくイメージされる両手持ちのグレートソード、あるいは騎士のロングソードのような1m前後もある長剣と異なり、刃渡り40-60㎝、柄も片手持ちを想定した短い造りで、全長80㎝前後の、日本刀では小太刀レベルに短い剣になっている。
流石に2千年前の剣術は不明だが、この剣で明確にわかっている技法は、身体の大半を覆う大きさの盾(スクトゥム)を構え、盾の横から突き出すように刺突することである。
実際、短いながらも両刃で作られ、剣先はものによっては20㎝近くあるため、刺突のためにデザインされたと考えられている。
恐らく密集陣形時に周囲の邪魔にならないよう戦う技法のため、幅広の刃から繰り出される斬撃も、四肢切断や斬首等が普通にできるレベルに鋭いと記述が残されている。
特にポンペイで発掘された剣は反りがない直刃で剣先が短くなりつつも刃幅が4㎝もあるので、短くとも斬撃は相当な威力になったと思われる。
余談
コナミのSTG『グラディウス』と名前が被っているが、これは全くの偶然。
そちらの産みの親曰く、ゲーム製作当時には剣の方のグラディウスの存在を知らなかったとのこと。
何となく響きの良い造語として名付けただけらしい。
ちなみにそちらのスペルは「Gradius」。
『ドラゴンクエスト』シリーズには9・11に短剣系武器の一種としてグラディウスが登場。その上位互換である炎の短剣の名前がサラマンダーになっており、コナミのグラディウスの続編『沙羅曼蛇』と掛かっているのはスクウェア・エニックスのスタッフの遊び心と思われる。
『ファイナルファンタジー』シリーズへの登場はDQよりも早く、6で初登場して以来短剣系の常連武器。
何故か聖属性を持ってたり、最強の短剣だったりすることが多い。
ちなみにFF6の海外版では「Graedus」と全くスペルが違う。最強の短剣だから、ただの剣のグラディウスとは綴りを変えたのだろうか。
SRPG『ファイアーエムブレム』シリーズには『最強の槍』として登場するが、こちらはシリーズ初代主人公の名前の由来でもあるローマ神話の軍神マルスの異名である「グラディウス(Gradivus=進軍する者)」から名付けられたと思われる。
また、カジキの一種であるメカジキの学名(の種小名)にも使われている。
関連タグ
グラディウス(無印)