で、どんなやつなの
リアス・グレモリーの母方のいとこ。バアル家の次期当主。小説では5巻から、アニメでは第3期『BorN』から登場。
生まれつき「滅びの力」が遺伝されなかったどころか、悪魔が持っている魔力をかけらも持たなかったがために実母・ミスラともども実父をはじめとした周囲から迫害を受け、同年代の悪魔達からもバカにされいじめられていた。それに対抗するために、実母の「魔力が足りないなら、それ以外の力を身につけて補いなさい」という言葉を信じて基礎的な体力を鍛え続け(人間で言う筋力トレーニング)、次第に若手悪魔のナンバーワンと称されるまでに上り詰め、次期当主と定められた「滅びの力」を持った腹違いの弟を倒して次期当主の座を得て現在に至る。
将来的なビジョンとして「成果を上げた者ならば身分を問わずそれにふさわしい地位につける社会」を目指している。基本的に領地での問題を自分が直接足を向けて解決する不器用な性分だが、その実現のために血統主義が前提にあるバアル家で表向きには後援者を得ることに成功する程度には世渡りもできる。またその過程で弟のマグダランの立場を奪ったことには思うところがあり、彼からの嫌がらせを受けても自分が受けるだけならば甘んじて受け、さらにその一件でほぼ冷遇といってもいい扱いを受けているマグダランを一人だけ「家族」として接していた。
イッセーとは徒手空拳を基本としたスタイルを取ることや努力でのし上がったという共通点から意気投合し、互いを励ましあっていることがしばしばある。
一切魔力を持たないながらもその戦闘能力は驚異的であり、生半可な上級悪魔は手合わせだけで再起不能になるほどのショックを受けるほど。イッセーとの模擬戦においても両手両足に封印を施した状態で、プロモーションを使ってない状態とはいえ禁手状態のイッセーを圧倒したほど。イッセーはこの後最も相性がいい戦車の駒にプロモーションしたが、それでも封印を施したままのサイラオーグの方が優勢だった程。
アニメ第3期『BorN』でのPVでは、イッセーとのカッコイイ戦闘シーンが描かれた。
アニメ第4期『HERO』では、グレモリー眷属とのレーティングゲームでまさにラスボスとして立ちふさがり、ゼノヴィア、木場祐斗、ロスヴァイセをたちまち蹴散らした。(彼ら3人としては、腕一本を切り落としてフェニックスの涙(完全回復アイテム)の使用を強いただけでも大健闘と言えた)イッセーとの最終決戦はまさに死力を尽くしたものとなった。ここで、サイラオーグのバランスブレイカーである「獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)」が披露される。この記事の見出しイラストはまさにその姿である。結果はぜひともアニメか原作10巻でお確かめを。原作者曰く「これ以上の2人の戦いは自分には書けない」とのレベルの名勝負である。
決戦後は、リアスと主従関係から恋人関係へ踏み出そうとするイッセーの後押しをして感謝され、イッセーにとっては最も尊敬する人物の一人となった。それ以後は、イッセーたちの頼もしい仲間として共闘することになる。12巻でイッセーが生死不明となった際は、意気消沈するリアスとグレモリー眷属を鼓舞し、イッセーの生存を確信する言葉をかける。そして、冥界の子どもたちを人質に取る英雄派のヘラクレスに対し、拳のみで圧倒。彼に改心フラグを立てるほどの壮快な活躍を見せた。
16巻以降は対テロチーム「D×D」に眷属を率いて参戦している。
またアザゼル杯に置いては和解したマグダランの眷属をサブメンバーにする形で参加。直前の大王派主体のいくつもの不正が強さの根幹ではないかと疑われたが、英雄派との試合で再戦したヘラクレスたちの発言や行動もあって疑惑を払拭。彼らとの試合こそ判定負けで終わったが、本選トーナメントに予選落ちしたシーグヴァイラのチームを取り込みながら参加。一戦目を勝利。優勝最有力候補である帝釈天のチームと激突する予定。
……ただ上述の通り「イッセーとの再戦は原作ではない」と明言されている上、トーナメントの組み合わせ上、この試合の勝者はイッセーか彼の対戦相手のどちらかのチームと激突することになる。
イッセーが主人公であることを考えると、彼が帝釈天に勝つと上述の明言に引っかかるため、事実上敗北か出場権停止は確定事項という残酷なネタバレが読者視点を襲うことになった。
基本的に肯定的な意見が多い人物ではあるが、「ゲームであろうと実戦と同じ」心構えで行動しているため「たとえ模擬戦であろうと敵の心身を殺しにかかる」点がある。このため上述の上級悪魔や、若手悪魔同時のレーティングゲームにおけるゼファードル・グラシャラボラスといった再起不能者を続出させてしまっている。