概要
ビッグガンガン2013Vol.10より連載開始した『咲-Saki-』のスピンオフ作品で、正式タイトルは「シノハユ the dawn of age」。
『咲-Saki-阿知賀編episode of side-A』同様、小林立(原作)と五十嵐あぐり(作画)が再びタッグを組む。
そのため、第0話は『阿知賀編』のエピローグも兼ねている。
サブタイトルは“旧約青春麻雀物語”(バーナルマージャンストーリー)となっており、本編で活躍している現役プロ雀士や若輩監督たちの青春時代が描かれる物語である。
その舞台として、瑞原プロの出身地、島根県松江市を舞台としている。
単行本や雑誌の表紙には制服姿が描かれているが、物語は彼女たちの小学生時代から始まっていたが、第28話からは中学生時代に突入した。
『シノハユ』(偲はゆ)とは、しのばれる、自然に思い出される、という意味。
登場人物
主要人物(湯町小学校・湯町中学校)
小学生編から登場
- 白築慕(しらつき・しの)
本編の主人公。母子家庭で育つが、その母親が小学4年生時に蒸発。以降は叔父に育てられる。
- 白築耕介(しらつき・こうすけ)
慕の叔父。慕を引き取って、男手一つで育てている。質屋やラーメン屋の友人がいる。
- 白築ナナ(しらつき・なな)
慕の母。蒸発するまでは娘に家事をさせて寝ている姿も見られたが、娘思いの良い母親であったようだ。彼女に自分の活躍を見てもらい再会することが慕が麻雀を打つ目的である。
- 石飛閑無(いしとび・かんな)
当初は瑞原はやりをライバル視する女の子だった。麻雀は「勝つためにやってる」と言い切り、「麻雀が好き」な慕と反発するが、対局を経て親友となった。麻雀の実力も慕やはやりに引けを取らない程の実力者である。
かつてインターハイ準決勝で同卓を囲んだ面子を呼び出す(第0話)。高校は朝酌女子。北堀小学校5年生として第2話から登場。駄洒落(おやじギャグ)が好きなお母さんも登場している。小学3年~5年までの3年連続で島根県松江大会を制している実力者。中学校から慕達と同じ湯町中学校に合流した。
- 稲村杏果(いなむら・きょうか)
湯町小学校。閑無の同級生の中では比較的重要なポジションにいる女の子。6年生時に大会に初参戦し、決勝まで勝ち進んだ。お母さんが何気に色っぽい?
- 本常玲奈(もとつね・れな)
同じく閑無の同級生。水泳に力を入れるようになってからは麻雀をする描写は少なくなったが、時々登場する。麻雀の実力も決して低くは無い。水泳好きのせいか、夏になると元気になる。5年生時の身長は139cm。
このほか湯町小学校の同級生は、金沢陽葵(かなざわ・ひまり)、杉谷悠人(すぎたに・ゆうと)、古川大地(ふるかわ・だいち)の3人。
中学生編から登場
- 野津雫(のづ・しずく)
湯町中学校の2年生で慕たちの先輩にあたる。興奮すると大声が出ることがあり慕たちを驚かせることも。慕たちが初めて参加した子ども麻雀大会に出場した過去をもつ。団体戦レギュラーでは副将にオーダーされる。
- 多久和李緒(たくわ・りお)
同じく湯町中の2年生。ポップコーンが大好物で左手で箸を使ってポップコーンを取りつつ右手で麻雀を打つ「ポプ麻」を実践する。左利き。午後練より朝練の方が真価を発揮しやすく、朝練に限ってみれば部内3位になるほど。
- 山本亜搖子(やまもと・あゆこ)
湯町中3年。湯町中では部活が必修のため一番楽そうな麻雀部に入ったこともあって、部活動に熱心ではない。洞察力があるようで李緒のスタメン入りを顧問に進言するほど。顧問の千沙をからかって遊んだりするほどいい性格をしてる。
- 勝部美凛(かつべ・みりん)
湯町中3年。受験を控えていることもあり、部活動に熱心でない。
- 坂根千沙(さかね・ちさ)
湯町中学校教諭。第五中出身。170cmと何気に長身でスレンダー。顧問とは言っても名ばかりで指導をほとんどしないものの引率などは真面目に行う。生徒の面前で部活顧問の待遇について不平を漏らすなど若干捻くれた性格でもある。かつて中学時代に顧問から過酷なシゴキを受けて友人がリタイアした過去を持つために、練習で生徒に負担をかけることを恐れている。
島根の強者たち
- 本藤悠彗(ほんどう・ゆえ)
七類小学校5年生として初登場し、6年生時に麻雀大会に参戦。決勝戦に進むことができなかったことで、麻雀に対する考え方が変わっていった。お母さんが漁師でお父さんが専業主夫をしている。なお、「(普通の)オタク」を自認していて、東京等の都会に憧れがあった。でも地元(島根)大好き娘である。
- 森脇曖奈(もりわき・あいな)
万原中学校に通う麻雀部に所属する中学生。悠彗とは幼なじみ。小学生時代には大会に出場しなかったにもかかわらず底知れない実力を誇る。その実力は全国小学生大会で三位となった慕や県内屈指の実力者の閑無や杏果ですら勝ち越せないほど。
- 若杉さくら(わかすぎ・さくら)
魚瀬中学校2年。小学5年生の時に松江の子ども麻雀大会で慕と対戦経験のあった少女。そして松江市大会で中学生に上がってきた慕とそれを上回る実力を持つ曖奈と対峙する。
- 行長柚葉(ゆくなが・ゆずは)
島根県にて7年連続で県大会を突破するほどの屈指の実力と実績を誇る名門、菰沢中学校の2年生。中学入学を機に千葉から島根に移住してきた。島根に引っ越してきて間もなく海岸を散歩していた時に千尋と出会った。県大会団体戦にて慕を相手に堅実に打ち回す実力を持つ。9巻の表紙にて千里山女子の制服を着ているが――。
- 永見知子(ながみ・ともこ)
菰沢中2年。試合をサボっていた千尋を迎えに行っていた。1年の時には個人戦で市大会を突破してきた湯町中の3年を圧倒的な実力で打ちのめしている。慕たちを交えた県大会の団体戦では次鋒として閑無と対戦。勢いに乗っていた閑無を相手に狙いうち、トップを阻止した。
- 椋千尋(むくのき・ちひろ)
菰沢中1年。肝心な市大会をサボるほど態度は不真面目な部分もあるが、1年にしてスタメン入りするほどの実力者。慕たち湯町中が市大会を突破した知らせを聞いても歯牙にもかけないほどの傲岸不遜な自信を持つ一方で、緊張すると逃げ出したくなる小心者の一面も持つ。島根に遊びに来ていた麻雀プロ二人(片方はインターハイチャンピオン経験者だった)を圧倒したとされている。これが事実なら、咲-Saki-に登場する雀士に匹敵するかそれ以上の実力を持つことは間違いないと思われるが真相は――。8巻の表紙では柚葉同様に千里山女子のものと思しき制服を着ている。
全国小学生大会に出場した選手たち
- 鈴木兒生(すずき・るい)
慕の横浜時代の友人の一人で、6年生時に全国大会へ出場。とってもお洒落な髪型をしている。
- 与那嶺若菜(よなみね・わかな)
沖縄県那覇大会の優勝者で首里小学校6年生。かなりの強気キャラで大きな声で相手をビビらせる戦術を取る。それ故に悪者キャラに見られてしまう。
- 小禄心(おろく・こころ)
沖縄県名護大会の優勝者で運天原小学校5年生。実は同じ沖縄の与那嶺若菜より、さらに強気かつ、麻雀の実力も高い。
- 丹羽菜緒子(たんば・なおこ)
愛知県名古屋大会の優勝者で撞木小学校6年生。名古屋予選決勝戦では10万点を獲得しての圧勝だった。かなりのドS気質。
- 宗像芽依(むなかた・めい)
福島県安積(あさか)小学校5年生。ツインテールに花飾りが可愛い女の子。2回戦で慕、与那嶺若菜と対戦。初登場時には名前が不明だった。若菜のビビらせ戦術に嵌まり、また、その後の慕の活躍により2回戦で敗退するも、若菜の乱暴な行動から庇ってくれた、慕の3回戦を応援する様子が描かれた。
- 高橋知代子(たかはし・ちよこ)
東京都北芝小学校6年生。「ようこそ3回戦へ、私の引き立て役たち」とのたまうなど、龍門渕透華を髣髴とさせる高飛車お嬢様タイプ。菜緒子に「ロン、5800」と点数を請求された直後に「やだ」と駄々を捏ねる辺りは、まだまだ子供といった感じである。結果、心に高い点数を放銃して最下位で敗退し、自分自身が引き立て役になってしまった。
- 星野沙夕菜(ほしの・さゆな)
新潟県白山浦小学校6年生。身長161cmの長身女子。自称、麻雀好きのメンドくさがり屋さん。ネット麻雀でタイトルが狙えるほどには鍛えていた模様で実力は確かだが、終盤での慕への跳満放銃が響いて敗退となる。
第0話にて、阿知賀女子のインターハイ決勝進出が決まった日、『昔なじみ』に呼ばれる。小学4年生時に全国大会に登場し準決勝で慕と対戦した。また稲村杏果を押し退けて単行本第5巻の表紙に抜擢され、阿知賀女子学院の冬服を纏って決めポーズを取ってくれた。勿論、あの『赤いネクタイ』もバッチリ決まってます!阿知賀編の回想シーンでしか見れなかった高校生時代の「晴ちゃん」です。
激戦区の神奈川県横浜市の大会を勝ち抜き、2年連続(小学2・3年生)で全国大会に出場している。
大阪府難波大会の優勝者で堂島小学校6年生として登場。はやり達と同学年であることが判明した。
その他
- 春日井真深(かすがい・まふか)
当時の「牌のお姉さん」で、少女時代の瑞原はやりに多大な影響を与えた人物。
- 野依理沙(麻雀プロ)
晴絵と同じくはやりに呼び出される。新道寺女子出身と判明。はやりや健夜達より1学年下である。今のところは第0話のみに登場。
- 小鍛治健夜(麻雀プロ)
同上。かつて晴絵が牌を握れなくなるほどのトラウマを与えた。第61回IHで土浦女子を優勝に導いた。今のところは第0話のみに登場。