概要
イングランドの伝承に伝わる、何世紀にも続く旧家に現れる妖精、もしくは亡霊の一種。
また一説によると白い服を着た女性の亡霊「白婦人」の一種であるともされる。
灰色か白のサラサラしたシルク(絹)の服を着た女の妖精で、一説によれば、彼女が動いた時にそれが擦れてサワサワと音を立てる所からその名が付けられたとされる。
住人の家事の手伝いをしてくれる心優しい妖精だが、一度怒らせると嫌がらせをしたりポルターガイストなどを起こして怖がらせ、その家から住人を叩き出してしまうといわれており、ニューカースルのデントン邸で暮らしていたホイル姉妹にまつわる話では、姉妹が生きていた時、シルキーは姉妹の家事を助け、そんな彼女に姉妹たちも感謝していたが、姉妹が亡くなった後に屋敷に引っ越してきた男は性格が悪かったので、シルキーから様々な嫌がらせを受け、遂には家から追い出されてしまったという。
また、ノーサンバーランドのブラック・ヘドン(ニューカッスル市の西郊)にある領主ヘドン・ホール氏が住んでいた屋敷に19世紀頃まで住んでいたとされるシルキーは少々捻くれた性格をしていたらしく、散らかした物はちゃんと片付けるが、逆にきちんと片付いていれば片付けている物を散らかす天邪鬼で、その殆どを一晩中、人工池の傍にある老木に恋掛けて過ごしていたとされる。
また彼女はそこに座って、馬車や馬を止めて良く悪戯を働いていたが、「ナナカマドの木で作った十字架」を身につけていればその魔力から身を護る事ができたといわれている。
ところがある日、土地の名主邸ヘドン・ホール氏の宝が見つかった時から、彼女は姿を見せなくなった為、このシルキーの正体は財宝を天上裏に隠したことを誰にも言わずに死んだ人の亡霊だったのではないかとされる。