CV:小嶋一成
概要
人間界と魔女界が交流があった1000年前、先々代の女王様であるマジョトゥルビヨンと恋に落ちたケーキ職人の青年。
トゥルビヨンへのプロポーズに彼女の名にちなんだケーキ「愛しのトゥルビヨン」を贈り、トゥルビヨンを魔女と知った上で結婚。彼女との間に息子であるアンリ・ベネックスを授かり、幸せな結婚生活を送っていた。
しかしある日、妻の好物であるケーキの材料のラズベリーを採りに行った際に山岳から転落し、妻や息子を残したままこの世を去ってしまう。
そして彼の死を切っ掛けに、トゥルビヨンの悲劇が始まったのである。
愛しのトゥルビヨン
「愛しのトゥルビヨン」は、登場当初よりファンによってレシピの探索と同定がさかんに行われようとしていたケーキであり、その結論としてレシピとしては「ビクトリアトルテ」という名で呼ばれているウィーンケーキを参考にしたものではないか、と長らく言われ、ファン間ではこれが通説とされていた。なお、この名はウィーンの老舗パティスリー「ビクトリア」がショップケーキとしてレシピを完成させた事による。
しかし『グレーテルのかまど』2020年9月7日放送分において「愛しのトゥルビヨン」が取り上げられた際、関弘美によって、このケーキのモデルは「カジノ」と呼ばれているフランス発祥の家庭ケーキであると明かされている。(もちろんファンのレシピ探索の候補に、この「カジノ」も挙がっていたが、後述の「形状の問題」により次点候補とされていた)この名称はルーレットの回転をロールケーキの渦巻きで見立てたものである。……そりゃ当時の子ども番組にギャンブル(博打)そのものストレートな、この名は使い辛かったろう。構わずに競馬用語を使いまくった奴はいたが。
ただ、モデルとされるカジノケーキは円柱形のノーマルホールケーキとして作られる事が多い(グレかまでは「どれみ」の劇中表現に寄せるため、あえてボウルを使ったドームケーキとして作っている)一方で、ヴィクトリアトルテはドーム状に作るため、劇中の表現では見た目の上では、どうしても後者に似る。
一方でカジノケーキは『どれみ』劇中にあるように作り上げたケーキの上にジャム(正確には違うが、そのようなもの)を塗るが、ビクトリアトルテで上に塗るのは寒天(もしくはゼラチンゼリー)である、という違いがある。上塗りにジャムを使うと、透明性に難があり劇中表現のような姿になり難い、というのもファンによるレシピ同定の決定打だった。(劇中表現に忠実であろうとしたからこそ、同定先を間違えた、とも言える)
作品に出すアレンジングの過程で、カジノのつもりで作っていたレシピがビクトリアトルテに似てしまった、と理解するのが良いだろうか。(ビクトリアトルテのルーツにカジノがある可能性も否定はできない事も留意が必要)
なお同様のレシピを持つケーキは他にもあり、例えば「シャルロット・ロワイヤル」と呼ばれるものがある。これは「シャルロット(帽子)」と呼ばれるケーキカテゴリに属するもののひとつ。もちろんレシピは、ほぼ同じ。
ちなみにカジノもビクトリアトルテも、(特にカジノは家庭料理と言われるにもかかわらず)ババロアムース生地と上塗り素材を使う関係上、温度管理がものすごくシビアな激ムズケーキだと言われる。少なくとも小学生が作れるケーキではなく、フツーの人が作ろうとする場合には数回失敗する事は前提とする、相当の覚悟で臨んだ方がよいとされる。(なんだかんだ言って、どれみたちには魔法があるし…)