概要
ソードカトラスとは漫画『ブラックラグーン』に登場するカスタム拳銃である。
作中での正式な名称は「ベレッタM92カスタム“プライヤチャット・ソード・カトラス”」(Beretta M92 custom "The Praiyachat Sword Cutlass"special)
カトラスとは、大航海時代に流行した小型の片手剣の一種で、船乗りや海賊が好んで使用したことからその名から肖っていると思われる。
ちなみに「M92」と呼称されているがM92は日本のトイガン等の版権避けの架空の名称から広まった造語であるため正確ではない。
ベレッタ92FS Inoxをロアナプラのガンスミス、プライヤチャットがバレルを6inchに延長、スライドもバレルに合わせて1インチ延長、象牙製のグリップに髑髏と2本のカトラスのワンポイントを埋め込み、スライドの左には「9mm SOWRD CUTLASS」、右にはタイ語の刻印が施したカスタムモデル。
オリジナルの92FSをベースに使用しておらず、実際には海外製のコピー品という設定である。(一部媒体でニッケル仕上げで描写されることがあるが、ニッケル仕様のベレッタは正規には存在しない。)
作者の広江礼威氏は当初、ソードカトラスのベースをベレッタ92Fではなくブラジル製の92のライセンス生産品であるPT92をベースに描く予定だったが、連載当初(2001年)にはまだPT92のトイガンが発売されておらず、資料が足りなかったため結局92Fのままで通すことになったとのこと。(PT92のトイガンが発売したのは2003年になってから。現在は絶版。)
ノーマルの92Fよりもバレルやスライドが長く造られており(コミックス5巻巻末参照)、92F本来のデザインが損なわれているという意見もある。
レヴィはこれを二丁一対で扱う。
片方が破壊された際には上記のPT92を使用していた。
(PT92にこだわりは無いようで、船上で投げてぶつけている)
また、アニメ版ではPT92は登場しない。
銃のカスタム自慢をしたネオナチの行動隊長に対して「撃てて当たればそれで良い」と言った割りに使い勝手の向上という域を超えたカスタムを施したこの銃を扱っているが、このセリフは行動隊長の人を撃つには過剰な口径で最早原型が残っていないワンオフレベルのカスタムを施した銃を批判したものであり、銃に気を使いきちんとしたものを使う事という意味では拘っている。
また、刺青や[ドッグタグ]]のように身元を判別させるためのもの、という意味でも他に使うものが居ないカスタムを施した銃を使っている理由と思われる。
PT92を投げた(おそらくそのまま紛失)際にカトラスだったら泣いているといった発言をしたり、銃規制の厳しい日本にヤクザの使う場末のコピー品ではなくわざわざ「米軍の装備」扱いで持ち込むあたりにその愛着は見て取れるが、ろくに整備もせずに使い倒しているらしく、制作したガンスミスに一点モノのパーツの摩耗をキレられている。
実際にロングモデルのベレッタ92は量産品では実在せず、カスタムパーツも量産品では存在しない。(劇中と同様にガンスミスによるパーツから作ったワンオフ、もしくは少数生産のカスタムパーツがあれば製作可能。92は構造上短くするのは難しいものの、長くするのは比較的容易な為)
ブラックラグーンで有名になってKSCにこのソードカトラスが公式コラボでモデルアップされた後、海外のエアガンメーカーであるWE-Tech社がM92-Lという名称でロングスライドのベレッタ92を商品化している。(シルバーのみでなくブラックも存在。ただし、フルメタルのモデルであるため日本で購入すると違法になる。スライドとフレームを分割して販売している法的にグレーな商品もあるが基本的に組付けるための機構を完全に破壊、もしくは銃口を塞いで発射機構を破壊して金色に塗装でもしない限りは模造拳銃と判断され逮捕されかねないのでアウトと考えよう。ちなみに機構はKSC/KWAのコピーではなく東京マルイのコピーとなっている)
アニメ版の銃声の効果音は後にMGS4で登場したスネーク・カービンと同じものが使われている。
ロングスライドにするということは必然的にスライドの後退速度が遅くなるため、あまり実用性は強いとは言えないが漫画的な見てくれが非常にかっこいい為現在でも人気は高い。
トイガンは上述のKSC社によってコラボモデルとして発売されていたが現在ではプレ値が付いており、定価2万6千だったが一丁でも3~5万はしており、一時期はそれ以上の値が付いたことがあった。しかし、マガジンが他のKSC社のベレッタ92系と微妙に形状が変えてあり互換が無い上に予備マガジンの発売がされていない上で実射性能は若干微妙であるのと、ガス漏れをしやすい欠点があるためサバゲーで使用する難易度がかなり高い。サバゲー用のエアソフトとして期待するよりは観賞用やお座敷シューティング向きだろう。
上述のWE-Tech製はKSCの物と比べて値段が半額以下である上、流通量が多い為、手を出そうとする人もいるかもしれないがメタルスライドのみでも違法で捕まった事例がある上、KSC公式も注意喚起を出しているため、基本的に絶対に手を出さない方がいい。
また、現在では二挺セットのアルゴ舎製の高クオリティな外観の水鉄砲が安価で売られているため、高くてどちらも手が出せないという方はこちらをおススメするが、こちらも再販が行われず値段が高騰している。
また、2021年にブラックラグーン20周年記念で10年ぶりにKSC製ガスブローバックが再販されることが決定した。
Ver.2となり実射性能が向上し、既存のKSC製M9シリーズとも互換がありサバイバルゲームの使用も可能なレベルにまで改善され、定価は物価の上昇に伴い高くなったものの、生産数も増えた為か中古価格の値段も落ち着いている。
余談
デスノートに登場するメロが使う銃はこの銃と酷似しており、刻印も丁寧に9mmソードカトラスと入っている。作画の小畑健氏がこの銃のエアソフトガンを資料にして描いた可能性がある。