概要
学名:Rhinecanthus rectangulus
体長:30㎝
生息域:インド洋から鹿児島、沖縄近海を含む西部太平洋の熱帯域の浅瀬やサンゴ礁に広く分布
形状:他のモンガラカワハギ類と同様、著しく側扁した平べったい体が特徴で体側を斜めに走行する黒色の帯状模様と、尾柄部のV字模様を持つ。鰭に関しては腹鰭が無く、3本の棘条と23-24本の軟条で構成された背鰭と13本の胸鰭、20-21本の軟条で構成された臀鰭が有る。カラーリングも白と黒と黄色の三色と派手。
警戒心が強く、興奮するとまるで豚の様に「ブーブー」と鳴く。近隣種にムラサメモンガラがおり、ハワイでは共に「フムフムヌクヌクアプアア」と呼ばれ、1984年と2006年に州の州魚に指定された事も有る程のメジャーな魚である。
フムフムヌクヌクアプアア
地元ハワイの言葉で「豚のように鳴く角張った魚」と言う意味であり、上記の豚の様に鳴く生態が由来となっている。
美しい外見のイメージと裏腹に、豚のイメージが付き纏うこの魚を語る上で忘れてはならないのはハワイ神話に登場する点。ハワイの創世神話「クムリポ」において、オアフ島の半神カマプアアが火山の神ペレとの戦争に敗れた際、タスキモンガラに変身して熔岩流で煮え滾る川を逃走したと言う話がある。この神話に因み、現代でもキラウエア火山近辺で実施されるペレを奉る催しでは、豚やタスキモンガラが捧げられる。