概要
東方Projectにおける「自機組」のグループ構成の捉え方の一つで、『東方天空璋』における自機である博麗霊夢、霧雨魔理沙、チルノ(『天空璋』作中では「日焼けしたチルノ」)、射命丸文の四名によるグループ。
原作で「チーム~」という呼称があるわけではなく、 ファンの間で『天空璋』の自機のメンバーを指す場合に用いられる語である。
この内、霊夢と魔理沙は上海アリス幻樂団単独作品(STG)の前作にあたる『東方紺珠伝』などから引き続いての自機としての登場であり、チルノは『妖精大戦争』、文は『ダブルスポイラー』以来の自機としての登場である。
また『天空璋』は「第16弾」という、その作品ナンバリングに小数点を含まない作品であり、チルノと文が花映塚を除く小数点を含まない作品に自機として登場するのはいずれも本作が初である。
上海アリス幻樂団と黄昏フロンティア共作による弾幕アクションではチルノと文はそれぞれ『東方非想天則』、『東方緋想天』にもプレイアブルキャラクターとして登場している。
自機にまつわる歴史などについてのさらに詳細な内容は「自機組」記事も参照。
「四季異変」と服装
本作では幻想郷内で同時に様々な四季が展開する場所が発生するという気候にまつわる異変が発生しており、自機の面々もそれぞれが触れた四季に合わせた弾幕を展開する。
服装についてもこの気候の変動の影響が表れており、例えば魔法の森の「冬」を体験した魔理沙はピンク色のマフラーや手袋を着込んで登場し、作中で「夏」が支配的な場所を訪れて予想外のその熱さに驚いている。
チルノなどは指摘されるまで各々の場所ごとの「四季」の変化に気づかなかったが、指摘されて以後はやはり肌でその気温の変化を感じ取っている。
また従来通り衣装アレンジもキャラクターごとに登場しており、例えば文のスカートには普段の暖色系の意匠ではなくカラフルなデザインが描かれたものとなっている。
「日焼けしたチルノ」
チルノは『東方紅魔郷』に初登場して以後たびたび作中に登場していたが、本作では肌が日焼けしたような様子の「日焼けしたチルノ」として登場している。
東方Projectでは、先述の通り作品ごとに衣装デザインなどに新しい要素が加わったりアレンジがなされたりすることが多いが、ゲーム作品に「日焼け」という変化を伴って登場したのは『天空璋』でのチルノが初である。
またチルノのみ、作中で「 後戸の国 」へと赴くに至るプロセスが異なる。
霊夢、魔理沙、文の三名は矢田寺成美の背後の「 扉 」から後戸の国へ入り込んだが、チルノは自らの背後に出現していた「 扉 」のある背中に成美が触れたことでこの地に導かれた。これはチルノもまた異変の影響下にあったことが具体的に示される最初のシーンでもある。
またチルノはその力量から摩多羅隠岐奈らの求める人材として適さなかったが、チルノのポジティブで向こう見ずな姿勢に隠岐奈も興が乗るなど、(実際は「 暴走 」という状態ではあるものの)「日焼け」はしてもいつも通りのチルノ前向きさもまたそのまま健在である。
このチルノの変化やその後のチルノの様子については『東方三月精』でも語られており、『天空璋』作中でも見られたように『三月精』でもチルノはこの「日焼け」(と本人が思っている変化)を誇りにしている。特に同作では「日焼け」の状態から元に戻るという前後の時系列の様子も描かれているなど、『天空璋』と深くリンクするエピソードも展開される。
自機格と「他種族」
先述の『紺珠伝』の整数ナンバーとしての前作『東方輝針城』まで、異変解決に挑む「自機」には主に人間か、人間としての要素ももつ存在が設定されてきた。例えば半人半霊の魂魄妖夢(『東方永夜抄』)、現人神の東風谷早苗(『東方星蓮船』他)などがそれにあたる。
しかし、整数ナンバー作品である『紺珠伝』において、人間ではなく玉兎である鈴仙・優曇華院・イナバが自機として登場したことで、ファンも自機にまつわる新しい可能性が拓かれたことを体験することとなった。
そして『紺珠伝』に続く整数ナンバーの作品である『天空璋』に妖精であるチルノや妖怪(天狗)である文が自機として登場したことで、ファンの間の考察でも自機格となり得る前提条件の設定見直しや自機の可能性の拡大が語り合われ、あるいはこれまでの自機にまつわる慣習的条件が必ずしも該当しないステージに入ったのではという視点では、これまでの慣習的条件を前提とする場合は自機として該当し得ないと考えられてきたそれぞれのキャラクターにも自機としてのスポットが当たり得るのではないかという、それぞれのファンとしての期待も込められた考察も展開されている。
これまでも「自機が誰になるか」というテーマはファンの間でも二次創作でも話題となってきたものであり、『紺珠伝』や『天空璋』を経て、新作の展開への期待と並んで今後の自機の展開にも新たな方面での期待も高まっている。