概要
東欧に住むユダヤ人によって伝承されていた悪霊で、悪魔憑きの原因であり、取り憑いた者に異常行動を起こさせると信じられている。
この名はヘブライ語で「しがみつく」という意味の「dāḇaq」が語源であるとされる。
自殺などの罪状を犯した者の魂は輪廻転生(ギルグル)を行うことが出来ず、この悪霊に転じて人に取り憑くので、悪魔払いによって追い出さなければならないといわれてきた。
なお追い出されたディブクは地獄に墜ちるが、運が良かったのか生前の行いによるものかギルグルを行えるようになる場合もあるともされる。
元々は東欧のユダヤ人社会限定のイディッシュ語の民間伝承によるものだったが、現代カバラの父と呼ばれる16世紀のユダヤ教神秘学者にして聖地エルサレム・ガラリヤ地方のラビであったイツハク・ルリアが、自らのカバラ体系の中にその概念を採用したために一般化した。
創作での扱い
- ディブック-二つの世界のはざまで
ロシア人の民族学者シュロイメ・アンスキーが1917年に書いた、三幕構成の前世の因縁による男女の悲恋を描いた演劇作品。
※中央上段
詳細は →悪霊ディブク