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ドリームガールズ

どりーむがーるず

2006年に公開されたアメリカの映画。およびそれの原作となったブロードウェイ・ミュージカル。
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概要編集

1981年初演のブロードウェイミュージカル。

作曲はヘンリー・クリーガー、脚本はトム・アイン。

シカゴ生まれの女性トリオシンガー「ザ・ドリームズ」がスーパースターに駆け上がる様子を描く。

1982年にトニー賞にノミネートされ、内6部門を受賞している。


2006年にパラマウント映画ドリームワークスにより制作された映画が公開。

脚本・監督はビル・コンドン。ディーナをビヨンセが演じた(本来の主演はエフィ)。

映画版オリジナル曲として「Listen」が追加された。

米国アカデミー賞で助演女優賞(ジェニファー・ハドソン)と音響賞を受賞する等、高い評価を受けている。


日本版は梅田芸術劇場により制作され、2023年2月より上演されている。

演出は俳優座に所属している眞鍋卓嗣。読売演劇大賞を2年間受賞した実力派だが、今作がミュージカル初演出となる。

主演は映画版に準拠しディーナ。演者は望海風斗


最終的にはハッピーエンドを迎えるが、物語中盤から栄華を迎えるにあたって衝突や不正、葛藤が描かれるシリアスな展開を進んでいく。


あらすじ編集

1960年代のアメリカ。

ディーナエフィローレルの3人はコーラスグループドリームメッツを結成し、いつかスターになることを夢見ていた。

そんな彼女らを中古車販売店の販売員だったカーティス・テイラー・ジュニアが見初め、マネージャーになることを進言。

人気ソウルシンガージェームズ・アーリーのバックコーラスとしてデビューを果たす。

エフィの弟であるC.C.ホワイトを作曲家として迎え入れ、ドリームメッツは次々とヒットを飛ばし、遂にザ・ドリームズとして独立が叶った。

ところが独立にあたってリードボーカルをエフィからディーナに変更することを聞かされ、エフィは反発してしまい...。


モデル?編集

公式からは公表がないが、モデルとなったのは「スプリームス」と彼女らが所属していたレコードレーベル「モータウンレコード」。

明言していないのは訴訟沙汰を避けるためであり、見ればわかるがまんま彼らのことである。逆に言えば当時のモータウンの事情を把握しておけばより感じ方も変わる作品である。詳しくは後述。


登場人物編集

  • エフィ・ホワイト: 「ドリームメッツ」時代のリードボーカル。力強い声の持ち主だが、「ドリームズ」としての活動に際しディーナに差し替えられ激怒、脱退する。モデルは「スプリームス」のメンバーだったフローレンス・バラード。脱退後はソロデビューするもヒットに恵まれず、1976年に冠動脈血栓で42歳で逝去した。

  • ディーナ・ジョーンズ: 「ザ・ドリームズ」以降のリードボーカルであり、グループの顔。グループの中で最も器量が良い。しかしスターとしての人生に思うところがあり、女優への転向を試みるようになるが...。モデルは「スプリームス」の顔ダイアナ・ロス。

  • ロレール・ロビンソン: 「ドリームメッツ」および「ザ・ドリームズ」のコーラスメンバー。ジェームズのファンであり、次第に不倫関係に発展してしまう。モデルは「スプリームス」のメンバーだったメアリー・ウィルソン。2021年に78歳で逝去した。

  • カーティス・テイラー・ジュニア: 中古車販売店の販売員であり、後の「ザ・ドリームズ」のプロデューサー。彼女らの才に入れ込み、スーパースターに仕立て上げる。しかし目的のためなら手段を選ばない側面があり、「ザ・ドリームズ」やジェームズの反発を招くようになる。モデルはモータウンレコードの創業者ベリー・ゴーディ。映画版ではより露悪的な人物として描かれ、最終的に制作プロダクションが謝罪する事態に発展した。

  • ジェイムズ"サンダー"アーリー: 人気絶頂のソウルシンガー。マネージャーのマディソンを介して「ドリームメッツ」をバックコーラスとして受け入れた。しかしロレルとの不倫やカーティスとの確執により、物語後半で事件を起こす。モデルはトム・ジョーンズだが、モータウンレコードに在籍していたアーティストの要素も含む。

  • C.C.ホワイト: エフィの弟で作曲家。「ザ・ドリームズ」の楽曲を手掛けている。エフィとは確執を生んでしまうも、ミシェルの計らいで物語後半で和解し、エフィのソロデビューに尽力する。モデルは「スプリームス」の作曲家だったホーランド=ドジャー=ホーランド。こちらはトリオグループである。

  • ミシェル・モリス: エフィと入れ替わる形で加入したメンバー。後にC.C.とは恋仲になる。仲違いしてしまったエフィとC.C.を仲介する等、粋な計らいをする。モデルはシンディ・バードソング。彼女も脱退したバラードと入れ替わる形で加入した。

余談編集

モデルとされているスプリームスのメンバーからは好意的にみられており、ウィルソンは自伝にこの作品のタイトルをつけ、ロスは無料コンサートで本作品の曲を歌唱したことがある。


本作の上演以前にも黒人を主演に据えたミュージカル作品は存在したが、白人目線が拭い切れておらず、アインはよりヒューマンドラマらしさを目指したという。

クリーガーは後に2作品をブロードウェイミュージカルとしてヒットさせるが、以降は引退状態にある。


関連タグ編集

映画 アメリカ映画

ミュージカル

ドリームワークス

パラマウント映画


ヘアスプレー: 本作と同じく1960年代のアメリカが舞台の作品。原作は映画だが、後にミュージカル化し、こちらも映画化された。

ジャージーボーイズ: 本作と同じく1960年代のアメリカが舞台で、映画化もされたミュージカル作品。人気音楽グループの栄華と衰退、葛藤が描かれる等物語の共通点があるが、こちらはモデルが明言されている。

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