概要
週刊少年ジャンプ2021年52号から2022年39号まで連載されていた。作者は大須賀玄。
あらすじ
力と勇気が刀となる。退妖ファンタジー!
突如として現れた人に仇なす怪異・モノノケ。
喧嘩無敗の佐々木ドラは、亡き母との約束を果たすため、侍を目指す。
心優しきモノノケのクサナギと出会い事態は急転する。
用語
モノノケ
50年ほど前、突如現れ始めた人を襲う怪異。
都市部では3日に一件の頻度で事件を起こし、昨年度だけで4049人の犠牲者を出している。新月の夜に最も妖力が高まるとされ、妖力を帯びた攻撃でなければ駆除することができない。
致命傷を与えると「ドロンッ ドロンッ ドロロロンッ」という擬音と共に独特のエフェクトを出して煙のように消える。
怪生界(かいせいかい)
モノノケ達の住む世界。
イザナギ隊
公務員としてモノノケの討伐を専門で行う組織。現場でモノノケの駆除にあたる隊士は帯刀を許可され、「侍」と呼ばれる。妖力を持たない人間は入隊することができない。
侍の序列は上から「上士侍(じょうしじ)」、「中士侍(ちゅうしじ)」、「下士侍(かしじ)」に分けられ、モノノケ駆除数、妖力値、身体能力値等を考慮し昇進試験を受けることができる。
本部がある武蔵国神威にいる上士侍の数は七名。
月魄刀(げっぱくとう)
侍が持つ刀。自分の妖力を纏わせることで妖力を出力し増幅させることができる唯一の武器。
妖刀術(ようとうじゅつ)
上士侍だけが使える特殊剣術。刀に封じたモノノケの力を解放することができる。
武蔵国(むさしのくに)
物語の舞台となる国の首都。神威(かむい)という街にイザナギ隊の本部がある。防人塔(さきもりとう)と呼ばれる複数の塔が建ち、本部を中心にドーム状の強力な結界を張ることでモノノケの侵入を防いでいる。
登場キャラクター
CVは関連動画の公式ボイスコミックの配役
主要人物
- 佐々木ドラ(ささき ドラ)
CV:内田雄馬
主人公。侍を目指す赤髪のヤンキー青年。モノノケに母親を殺されている。
クサナギと出会いモノノケ退治を始めたことでギンチヨの目に留まりイザナギ隊にスカウトされる。
妖力量が0のため侍の素質は無かったが、クサナギの妖力を纏うことで上士侍並みの妖力を出すことが可能。時間をかけてクサナギと一体化することで人妖一体(じんよういったい)という特殊な妖力を使うことができる。
ドラとふたりで「しあわせな優しい世界」を目指す心やさしいモノノケ。
姿かたちを自在に変えモノノケを倒す武器となる。普段はヘッドフォンに擬態している。
ドラ焼きが大好物。
- 柳生ギンチヨ(やぎゅう ギンチヨ)
CV:嶺内ともみ
柳生神速剣という剣術を使う中士侍のエリート侍。ドラとクサナギをイザナギ隊にスカウトした。かわいいものが好きでクサナギを「クーちゃん」と呼ぶ。
とある理由から誰よりも早く出世することにこだわっている。
- 冨田トウマ(とだ トウマ)
雲林院組に所属する長身の侍。自称ドラのライバル。
高校時代、四ヶ月に渡ってドラにケンカを売り続け毎回一撃でやられていた。ケンカは弱いが妖力値は高い。
仲間思いで人当たりが良く、同僚達からも慕われている。
イザナギ隊
総隊長
- 塚原ゴウキ(つかはら ゴウキ)
イザナギ隊の創設者。眼鏡をかけた坊主頭の老人。
自身の鍛錬と後進育成のため、隙があれば一本取るよう上士侍たちに頼んでいる。同時に切り掛かってきた上士侍全員を軽くいなすほどの実力者。
大隊長
- 柳生ユウサイ(やぎゅう ユウサイ)
イザナギ隊創設メンバーの一人。長髪の白髪頭で左頬に十文字の傷がある。ギンチヨの祖父。
人間とモノノケのコンビであるドラとクサナギの処分を保留し、活躍の機会を与えた上でヘイスケに二人の手綱を取るよう任せた。
上士侍
- 雲林院ヘイスケ(うじい ヘイスケ)
本部で二年連続モノノケ駆除数トップの上士侍。ドラとクサナギの直属の上司となる。実力はあるが、態度と言動のせいであまり慕われていないことに悩んでいる。
妖刀術は健啖怪ネブトリ(けんたんかネブトリ)。妖力ごとモノノケを喰らうことができる。
- 上泉ナオトラ(かみいずみ ナオトラ)
ドラのことが好きな上士侍の女性。普段は恥ずかしがりやだがモノノケを見ると性格が豹変する。通り名は戦闘狂(バーサーカー)。
妖刀術は爆鳴椒コダマネズミ(ばくめいしょうコダマネズミ)。爆発を起こすことができる。
- 細川ルイ(ほそかわ ルイ)
ハデな髪色をしたポニーテールの女性上士侍。一人称は「あっし」。
妖刀術は繋縛髪ウシロガミ(けいばくはつウシロガミ)。背後を取った相手を拘束することができる。
- 北畠ナミシロウ(きたばたけ ナミシロウ)
声と体のデカイおっさん上士侍。上士侍の中で最も経験豊富で身体能力が高い最強の鉄人。
妖刀術は冥護然イソナメ(みょうごぜんイソナメ)。発動すると自動で身を守ることができる。
- 成田ハジメ(なりた ハジメ)
上士侍の男性。眼鏡をかけている。
妖刀術は金城槌ヌリカベ(きんじょうづちヌリカベ)。分厚い壁を作ることができる。
- 柳生ユウジン(やぎゅう ユウジン)
ほんわかした雰囲気の上士侍。ユウサイの息子でギンチヨの叔父。
頼まれたら断れない性格で、剣に天賦の才があったため半ば強制的に侍になるレールを敷かれた。任務をたくさんこなしているため常に疲弊しており会話の途中で急に眠ることがある。
妖刀術は酷烈帝ライジュウ(こくれつていライジュウ)。時間をかけて「蓄電」することで強力な電撃を放つことができる。
- 足利サコンタ(あしかが サコンタ)
最年少で上士侍になった小柄な男性。ドラに対して挑発的である。
妖刀術は剪翔風フウリ(せんしょうふうフウリ)。刀を速く振れば振るほど威力の上がる斬撃を飛ばすことができる。
その他の侍
- 諸岡(もろおか)
侍歴15年のベテラン男性。熱い男。
- 真壁(まかべ)
諸岡の小隊に所属するアフロヘアーの男性。
- 小早川イチハ(こばやかわ イチハ)
ドラとクサナギの関係に憧れる2年目の若手侍。
- 峰(みね)
トウマと同期の侍。タメエモンに潰されて死亡した。
イザナギ隊第五十一支部の女性研究者。ギンチヨ一筋で彼女のために力を尽くす。
人間
- 宮本ハンゾウ(みやもと ハンゾウ)
妖力を抑える黒い包帯で全身を覆った人物。
50年ほど前は塚原ゴウキの兄弟子であったが、「イザナギ流」の跡目にゴウキが選ばれたことに激怒し、モノノケを出現させる禁術に手を出す。世界を混沌に陥れたすべての元凶。
齢は70を越えるが禁術よってモノノケと融合したため若々しい姿のままである。ゴウキの捨て身の一撃で大ダメージを受けドラとクサナギにとどめを刺され死亡し、モノノケ達は元の世界へと帰った。
モノノケ
- 大猿天狗(おおざるてんぐ)
天狗と猿を合わせたような姿のモノノケ。ぷりぷりの人間の肉が好物。子分の猿天狗を従えさせるほど強いがドラとクサナギに一刀両断され消滅した。
- 魚坊主(うおぼうず)
全身が硬い毛(鱗)で覆われたモノノケ。御幣のようなヒゲが生えている。「~なのね」が口癖。一般的な侍の刀では歯が立たず、簡単に折れてしまう。クサナギの刀で体を貫かれ海に落ち「スゴッ」と言い残し消滅した。
- 邪馬鯨(やまくじら)
ぐるぐる目にイノシシの頭にクジラの体を合わせもつモノノケ。角髪のような髪型をしている。地中に潜んで人間を襲い、ボリボリと噛み砕くのが好き。クサナギを呑み込むが腹の中を掻きむしられて吐き出し、頭半分を斬られ消滅した。モデルは妖怪の「山鯨」と思われる。
- 百目小僧(ひゃくめこぞう)
一つ目のモノノケ。正体は小さな目玉のモノノケの集合体で少しくらい倒されてもすぐに再生する。般若牛鬼に針を与えられ人間100人のノルマ達成を目前にしていたが、ドラ、クサナギ、ギンチヨの連携によって撃破された。
- 独楽鼠(こまねずみ)
ネズミの顔に下半身が独楽の形をしたモノノケ。ラーメンマンのような中国人顔で鯰髭を生やしている。般若牛鬼に民間人を捧げようとしていたところをドラとクサナギに阻止される。機嫌を損ねた般若牛鬼に命乞いをしたが粛清された。
- 般若牛鬼(はんにゃぎゅうき)
ドラの母親を殺したモノノケ。一年前に中士侍7名、下士侍12名、民間人46名を殺害する大災厄を起こして行方をくらませていた。刺さった相手が一週間痺れて動けなくなる針を飛ばすことができる。ギンチヨが囮となり、針を出す瞬間に柔らかくなる針山を狙ったドラとクサナギによって倒された。
- 大若芽蛸(おおわかめだこ)
水棲のモノノケ。防人塔の結界を抜けられるほど弱いが、雨が降ると妖力が上がる。ドラ、クサナギと巡回中のナオトラによって駆除された。
- ドウサン
象のような鼻を持つモノノケ。怪生界で指折りの妖術使いで霧を操る。弱者のふりをして相手を騙し、他のモノノケや人間の妖力を吸引して喰らっていた。
吸引したモノノケを意志を持たぬ駒として顕現させたり、吸引した者の記憶から幻を生み出し意識を奪うことができる。
ドラとクサナギから人妖一体の妖力の吸引に成功するが、手駒を倒されて弱っていたところをカンベエがが持つ鉧に吸い込まれて消滅した。
- べとべと姥(べとべとばば)
カンベエが餞別としてドウサンに渡したモノノケ達。お団子頭に手足が生えている。ドウサンの妖術で顕現されたが、一体化したドラとクサナギには敵わなかった。
ドウサンの手駒の中で最強のモノノケ。怪生界で暴れ回っていた二体一対のモノノケで、片割れを失うことを極度に恐れていたところをつけ込まれて吸引された。
手にした金剛杵から、鉄入道は妖力の塊を、銀入道は斬撃を飛ばすことができる。鉄入道は一体化したドラ、クサナギに弱点の目を攻撃されて消滅、銀入道はナオトラの妖刀術によって倒された。
- なめぞー
怪生界でクサナギと仲の良かったモノノケ。ドウサンに騙されて吸引される。
- フタクチ
イチハの体を乗っ取っていたモノノケ。「っす」体で話す。侍達の動向やドラとクサナギが持つ特殊な妖力の情報をカンベエに提供していた。
- アマビエ
最終回に登場したモノノケ。ヌエに襲われていた所をクサナギに助けられた。
人型のモノノケ
人間に近い姿をしたモノノケ達。高い妖力を持つ。
- ヒデヒサ
般若牛鬼の腹を破って現れた人型モノノケ。背中に生えた8本の黒いヘビ状の触手から妖力の弾を放つ。ヨシヒメの死を嘲笑うがヘイスケに瞬殺される。
- ヨシヒメ
女性の人型モノノケで糸の妖術を使う。ヘイスケに半身を斬られ、再生する間もなく健啖怪ネブトリでトドメを刺された。
- タメエモン
マワシを締めた巨漢の人型モノノケ。酒好きで人間の血を混ぜた酒を呑み人間をツマミとして喰らっていた。変身すると髪色と体色が変化して腕中からトゲが生える。三ノ段まで一体化したドラとクサナギに半身を斬られ消滅した。
- カンベエ
おかっぱ頭でキツネ目の人型モノノケ。宮本ハンゾウと組みノブナガの復活を目論んでいる。
ドウサンが吸引したドラとクサナギの特殊な妖力を奪い、防人塔の結界を破壊した。
分身体を操り各地でモノノケ達の活動の糸を引いていたが、そのことを見抜いたヘイスケにまとめて駆除された。外に出てきたノブナガに話しかけるも自我を失ったノブナガに話は通じず殺された。
不死のモノノケ
- ノブナガ
宮本ハンゾウが引き連れてきた中で最も手強かったモノノケ。再生能力が凄まじく駆除できなかったため、ゴウキの師が命を賭して封印した。
イザナギ隊本部の地下に幽閉されていたところをハンゾウによって解放されたが、長い封印で気が触れてしまい駒として使いものにならなかったため吸収された。
伍怪将(ごかいしょう)
ノブナガに仕える最強の側近であるモノノケ達。
- 伍怪将(骸骨)
慇懃無礼な態度の伍怪将。人間が持つ「強き心」に興味がある。読者からの通称はホラーマン。
ナミシロウと交戦し命を奪うが自身も右腕を失う。ナミシロウの遺体を食らって妖力が回復しても腕を復元することが出来なかった。ハジメに体を破壊され人間が持つ不思議な力を讃えながら消滅した。
- シンゲン
炎に包まれた輪入道のような伍怪将。派手に燃(い)きたがる暑苦しい性格。
- 伍怪将(女)
女性口調の伍怪将。氷の妖術を使う。シンゲンとは反りが合わない。
シンゲンと共に「蓄電」が完了したユウジンに一撃で倒された。
- ゴエモン
水を操る色魔の伍怪将。相手を水中に閉じ込め上手く喋れず必死になる様を見て興奮する変態。
ナオトラとルイに敗れ、恍惚の表情を浮かべながら消滅した。
- 伍怪将(子供)
常に空中に浮いている伍怪将。神たまに愛されていると嘯き、心を読むことができる。
子供ほどの体躯で口調も少女のようだが猫をかぶっている。サコンタに駆除される際に本性をあらわし口汚い言葉を発しながら消滅した。
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読み切り版
1~3話 完全版
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