風狸
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ふうり
風狸とは中国と日本に伝わる妖怪。
中国の『本草綱目』に記述がある奇妙な獣で、日本においては江戸時代の文献に博物学的なものだけではなく妖怪としても登場する。風生獣、風母、平猴とも呼ばれる。
大きさはヤマネコかカワウソくらい、猿のような体型で尾が短い。目は赤く、色は黒っぽく豹のような模様があり、青い毛が混じって生えるという。
食べ物は蜘蛛や香木で、夜になる滑空し捕えられると憐れみを請うようなしぐさをする。
打ち叩くとすぐに死んでしまうが、なんと風を受けると蘇ってしまう。そのため骨や頭を砕くか、石菖蒲という草で鼻をふさがないととどめがさせない。
その体には刃物や火も通用しないともいわれる。
日本では『耳嚢』にこのような話が載っている。
風狸とは狸の一種で、不思議な草をかざして梢にとまった鳥を落として食べる。
それを目撃した者が風狸から草を奪い木に登って同じことを試すと、鳥は落ちたが自分も落ちてしまったという。
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