概要
中国の『本草綱目』に記述がある奇妙な獣で、日本においては江戸時代の文献に博物学的なものだけではなく妖怪としても登場する。風生獣、風母、平猴とも呼ばれる。
大きさはヤマネコかカワウソくらい、猿のような体型で尾が短い。目は赤く、色は黒っぽく豹のような模様があり、青い毛が混じって生えるという。
食べ物は蜘蛛や香木で、夜になる滑空し捕えられると憐れみを請うようなしぐさをする。
打ち叩くとすぐに死んでしまうが、なんと風を受けると蘇ってしまう。そのため骨や頭を砕くか、石菖蒲という草で鼻をふさがないととどめがさせない。
その体には刃物や火も通用しないともいわれる。
日本では『耳嚢』にこのような話が載っている。
風狸とは狸の一種で、不思議な草をかざして梢にとまった鳥を落として食べる。
それを目撃した者が風狸から草を奪い木に登って同じことを試すと、鳥は落ちたが自分も落ちてしまったという。
なお現在では、元々は東南アジアに棲むヒヨケザルのことを指していたのではといわれている。
創作での扱い
陰陽師~平安妖奇譚~
パズドラ
「豹紋の妖異・風狸」。ありんす言葉の着物娘。ステータスが低いためにスキル上げの素材として使われることが多い。
陰陽師(ゲーム)
最後まで生き延びるのは、この俺だ!
(CV:逢坂良太)
伝説の風狸は、刀剣で切られても怪我一つしないと言われる。
如何ほどの重傷でも、風に吹かれば直ちに生き返る。
──だがそれはすべて虚言妄言。
本当の彼は生まれつき臆病者で、仕方なく戦から己の命を必死に守ってきた。
彼の「芸当」を見物したい奴らは、何度も何度も彼を最も危険な場所に送り込んできた。
任務も遂行しなければ、命も守らなければならない。
臆病者だが、それでも己の信念だけは貫きたいものだ。
(陰陽師「式神図鑑」より)
魔装機神
※画像左のキャラクター(CV:野田圭一)
ホワン・ヤンロンが風生獣のイメージから作り出したファミリア、ランシャオが登場。
どういう訳か外見は黒豹そのものであり、風生獣というよりバビル2世のロデムに酷似している。
CVをロデムと同じ野田圭一氏が担当しているのも外の人つながりのネタである。
主であるヤンロンに比べると口調は丁寧だが説教臭い性格は引き継いでおり、二人を怒らせると多重音声による長時間の説教が待っている。