書式を統一するため、この記事ではJRA-VANでの表記「ネイティブトレイル」を使用する。
表記揺れ→ネイティヴトレイル
プロフィール
生年月日 | 2019年2月3日 |
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欧字表記 | Native Trail |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Oasis Dream |
母 | Needleleaf |
母の父 | Observatory |
生産者 | Le Haras d'Haspel |
馬主 | Godolphin |
管理調教師 | Carlie Appleby |
父Oasis DreamはジュライC、ナンソープS、ミドルパークSとG1を3勝。
母Needleleafは不出走。
経歴
2歳時(2021年)
サンダウン競馬場7fの未勝利戦でデビュー。1番人気に応えてデビュー戦を勝利。
2戦目はスーパーレイティヴS(G2)に出走。中団後寄りからレースを進め、直線の追い比べを制して重賞初勝利。
3戦目は初のG1挑戦となるヴィンセントオブライエンナショナルS。今回も中団追走、直線一気に抜け出し3馬身差を付けて勝利した。
続くデューハーストSでも中団から力強く抜け出してG1・2勝目を挙げた。その後、年内休養に入った。
無敗でのG1・2勝が評価され2021年のカルティエ賞において最優秀2歳牡馬に選定された。
3歳時(2022年)
これまで7fを走っていたネイティブトレイルだが、2000ギニーを目標にするにあたり、距離延長に挑むためマイル戦のクレイヴンS(G3)に出走。ここも抜け出して勝利。
迎えた本番、英2000ギニーではWillam Hillの単勝オッズで5/4(2.25倍)という圧倒的支持を集めたが、同厩のセカンドホース、コロエバスに最後差し切られ、初黒星の2着となった。
続いて愛2000ギニーに出走。ここでも圧倒的支持を受け、直線早めに抜け出して粘り切り勝利。クラシックタイトルを手にした。
その後更に距離を延長し、9f209y(約2002m)のエクリプスSに出走。同期のフランスダービー馬ヴァデニを際どく追い詰めたが届かず、最後追い込んできたミシュリフにアタマ差交わされ3着。
10f路線に手応えを感じた陣営はジャックルマロワ賞を回避してインターナショナルSを選択。やや掛かり気味に3番手を追走し直線追い出されたが明らかに手応えが悪く最後失速、6頭立ての5着と大敗を喫してしまった。
愛チャンピオンS、QEⅡS、英チャンピオンSへの出走登録がされていたが、9月3日にチャーリー・アップルビー師から愛チャンピオンSの回避が明言された。
さらに10月7日に年内全休がアップルビー師から発表された。
4歳時(2023年)
マイル路線に舵を戻してクイーンアンSを目標とし、ここまでニューマーケットのローリーマイルコースで3戦2勝2着1回の好成績を収めていることから、4歳初戦は同コースのベット365マイル(G2)に決定。単勝8/11(約1.73倍)の1番人気に推されるが、序盤から手応えが悪く促しながらの追走になり仕掛けても今ひとつ伸びきれず、2着は死守したものの1着ムタサーベクからは3馬身と離されてしまった。
そして大目標のクイーンアンSでは、モダンゲームズの出走によりついにセカンドホースの証である白帽を被り、初戦から鞍上を務めてきたW.ビュイックもモダンゲームズ騎乗のためJ.ドイルに乗り替わることとなった。スタートは五分、道中の手応えは悪くなくモダンゲームズの後ろにぴったり付けて中団から進めたが、追い出されて伸びることもなく、残り1/2fを切ったあたりから半ば流す形で8着に終わった。
競走3日後の6月23日、電撃引退と種牡馬入りが発表された。ダーレーグループがアイルランドに所有するキルダンガンスタッドにて2024年から供用が開始される。
特徴・エピソードなど
欧州では馬体重を計測する文化がないため正確な数値は分からないが、推定540kgほどもある雄大な馬体が特徴的。レース映像を見ると分かるが、周りの馬より明らかに大きい。
基本的に中団やや後ろの方からレースを進め、差し切って勝つ展開が多い。しかし、余裕を持って勝ったレースであっても追い出しのタイミングが非常に早く、1完歩ずつじわじわと詰め寄るような末脚が特徴である。ズブさのある馬と言えるだろう。
未勝利とスーパレイティヴSではフランス式鼻革(日本で最もよく見る形の鼻革)を使用していたが、3戦目のヴィンセントオブライエンナショナルS以降はクロス鼻革を使用している。
同厩のコロエバスが英2000ギニーを、本馬が愛2000ギニーを勝った後、更に同厩のモダンゲームズが仏2000ギニーにあたるプール・デッセ・デ・プーランを勝利したことにより、チャーリー・アップルビー厩舎は同年にそれぞれ別の馬で三ヶ国の2000ギニーを制したこととなった。これは史上初の快挙である。