ノー・ガンズ・ライフ
のーがんずらいふ
頭が巨大なリボルバー銃となっている異形の主人公が織りなすサイバーパンク作品である。2014年から連載が開始され、2021年に連載が終了した。全13巻。
カラスマタスク氏がウルトラジャンプに載せた短編漫画を元にしており、個性的な登場キャラクターと説得力のあるSF的な世界観、そして硬派なハードボイルドテイストのストーリーテリングを最大の魅力としている。
マッドハウスの手によってテレビアニメが制作されており、第1期が2019年10月から12月まで、第2期が2020年7月から9月まで、TBSのアニメリコ枠とサンテレビ、KBS京都、BS11、AT-Xにて放送された。また、FODを通じての独占配信も実施。
なお、2019年11月から2020年2月にかけてtvk、2020年1月から3月にかけてとちぎテレビでも放送されたが、神奈川県と栃木県では本放送から時間が経たない内にに別の地上波局で実質再放送されるという現象が発生した。
拡張技術(エクステンド)というサイボーグ技術が軍事技術として研究され、一般化した世界。
拡張技術を牛耳るベリューレン社が世界を支配しており、拡張技術によって戦争や事故によって失われた手足を補えるようになっており、人々の生活の礎になっている。
その一方で、拡張技術による犯罪や、人体の機能を失うという忌避感による差別も存在しており、それにより、拡張者を嫌うテロ組織なども多く存在しており、拡張者とそれ以外の人間との間には深い溝が存在している。
サイボーグ技術が急激に発展を遂げている一方で、貧富の格差によるものか、民間が使用する技術に何らかの制限がかけられているのか、十三が使用している連絡手段が事務所に置かれている黒電話だったり、Aiによる自動運転が未だに実装されていなかったりと作中で使用される科学技術に大きな隔たりが存在しているのが特徴。
また、この作品世界にはベリューレン社や、復興庁と言った組織の名称は明示されてはいるが、国家の名称は明かされておらず、先の『大戦』についても明確な固有名詞は使われていない為、悲惨な内容であり、先進的な技術が使用された戦争だったこと以外の詳細は不明。
複数の国が戦争を始めた世界大戦だったのか、それとももっと大きな宗教や思想に絡んだ戦争だったのか、或いはテロリストとの戦いだったのかも作中では語られておらず、その全体像は謎に包まれている。
また、作品世界の時代設定も不明であり、近未来の地球なのか、それとも人類が移住した別の惑星の話しなのかもわからない。
個人名も、十三や鉄朗と言った日本人的な名前を使用する漢字や読み方を含めてそのまま使う反面、オリビエやクローネンなどの西洋的な名前を使用されていたりと、文化的にも多くの混在が見られるのも特徴である。
オレの名前は乾十三。あの”大戦”を経て「拡張者(エクステンド)」と呼ばれる身体を機械に置き換えた人間が街を闊歩するようになった。体自体が凶器と言える拡張者と非拡張者との摩擦は熱を帯びる一方で、オレはそんなトラブルを始末する「処理屋」を営んでいる。儲かる商売とはとても言えねぇがな。
初見の奴は大抵驚くオレの銃頭、なんでこうなったのかオレにもよく分からないが、多分大戦中に色々あったんだろう。軍を退役した後も、仕事が仕事なんでトラブルには事欠かない有様だから、かえって重宝してるぜ。
あるときオレは鉄朗っつー奇妙なガキに出会った。ひ弱なガキだがなんとオレみてぇな「拡張者」を意のままに遠隔操作しやがるのよ。街を牛耳る大企業「ベリューレン」から逃げてきたとかで、なにやら面倒な臭いがぷんぷんするぜ。ま、今更だがな。
CV:諏訪部順一
リボルバー拳銃のような頭がトレードマークの「処理屋」。大戦時代に拡張者となり、その戦闘力から周囲に一目置かれている。ハードボイルドな現実主義者だが、意外とむっつりスケベで恥ずかしがり屋。
頭の銃を握られることを嫌っており、よほどのことがない限り他者には触らせない。
メアリー・シュタインベルグ
CV:沼倉愛美
移民街「九星窟」で拡張者向けの整備を営む腕利きの技師。美少女と宣うには目に隈がありすぎる娘さん。柄の悪い格好とは裏腹に口調は丁寧。十三のビジネスパートナーの一人であり、彼の整備や依頼人の保護といった裏方を担当している。
世話好きで優しいお姉さんである。
荒吐鉄朗
CV:山下大輝
大企業「ベリューレン」に身体改造された少年。他の拡張者を遠隔操作できる「ハルモニエ」という装置を内蔵している。十三に警護を求めたことから彼の元で保護されることになった。ベリューレンとは浅からぬ因縁の持ち主。
オリビエ・フォンデベルメ
CV:日笠陽子
拡張者を管理する復興庁のEMS(拡張者対策局)局長。たらこ唇がチャームポイントの美人。十三とは持ちつ持たれつの微妙な協力関係にある。中間管理職故の気苦労が絶えず、ストレスがたまるとシュールストレミングの臭いを嗅ぐ奇癖の持ち主。
クローネン・フォン・ヴォルフ
CV:内田夕夜
EMS実働部隊の班長。生身の人間だが、拡張者の身体に針を打ち込むことで無力化させる戦闘技術の持ち主。腕っ節は確かだが融通の利かない人間であり、オリビエの頭痛の種である。無感情な仕事人間に見えるがクラシックカー好きであり、愛車を傷つけられると烈火の如く怒り狂う。
クリスティーナ松崎
十三の事務所が入っているビルのオーナー。世話好きなオカマであり、癖は強いが劇中屈指の人情家。なかなか人に心を開かない十三とも根気よく付き合っているが、十三がトラブルの度に部屋を破壊することには頭を抱えている。
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