概要
ナス科トウガラシ属のカプシクム・キネンセ(Capsicum chinense)の栽培品種の一つ。野菜の一種で果実を食用とする。
一般に「トウガラシ」と呼ばれるカプシクム・アンヌム(Capsicum annuum)の近縁種。
「タバスコの原料」と言われる事があるが、タバスコで使用しているのはキダチトウガラシの品種「チレ・タバスコ」であり、ハバネロではない。(「タバスコ」はマキルヘニー社の登録商標)
かつて「栽培されている野菜で最も辛い果実」として名を馳せた激辛食材。
日本ではバラエティ番組に登場し、東ハトのスナック菓子「暴君ハバネロ」の発売で一躍有名となり、日本に激辛旋風を巻き起こした。
果実は熟する前の緑色の時にはあまり辛くない。熟した実の色はオレンジ色が一般的だが、白、茶色、ピンクなどのバリエーションもある。柑橘系の爽やかでフルーティな香りがする。
日本では京都府の一部で名産品として栽培されており、害虫に気を配れば比較的に栽培は容易である。
ハバネロより辛い唐辛子
唐辛子の辛さは「スコヴィル値」で表され、ハバネロはスコヴィル値30万程である。
しかしハバネロがブームになったためトウガラシの辛さ競走が過熱した。
- 2007年、バングラデシュ産のキネンセ種「ブート・ジョロキア」がスコヴィル値104万を記録し、世界一辛いトウガラシとしてギネス世界記録に認定された。
- エド・カリーにより開発され、2013年にアメリカで登録されたキネンセ種「キャロライナ・リーパー」がスコヴィル値157万を記録し、世界一辛い唐辛子としてギネス世界記録に認定された。
- 2017年、ニール・プライスとノッティンガム・トレント大学の協働でキネンセ種「ドラゴンズ・ブレス」が開発され、スコヴィル値248万を記録した。
- 「ドラゴンズ・ブレス」の発表から数ヶ月後、エド・カリーが開発したキネンセ種「ペッパーX」がスコヴィル値318万に達し、2023年にギネス世界記録に認定された。
クマ撃退用の催涙スプレーのスコヴィル値が220万程なので、危険な領域に達している。エド・カリーがペッパーXを試食した際は、3時間以上も辛みが続き痙攣を生じた。
高すぎるカプサイシンの含有量のため、「取扱いにゴーグル、手袋、マスクが必須」と公式がアナウンスする代物になっている。