概要
宇宙でお尋ね者であったビーナッツ兄弟が地球に到着、地球征服をたくらもうとする物語である。
しかし、何があったのか2話しか制作・放送されていない。さらに映像ソフト化もされておらず、NHK公式サイトでもビーナッツに関する記述はほぼ確認することができず、2010年代から2020年代初頭にかけては「幻のアニメ」と扱われる風潮にあった。
1997年から1998年にかけて制作され、当時はまだ珍しかった3DCGによる制作であった。
放送形態・再放送
プチプチアニメの枠で放送された5分アニメである。かつては再放送が行われていた、という当時の視聴者の証言があり、NHK公式サイトのNHKクロニクルに記録された当時の放送スケジュールの記録によると、1998年7月~8月の第2話放送が迫ったタイミングで第1話の再放送が行われた。その後、2001年1月26日からしばらく不定期的に、尚且つ全エピソードを行わずにどちらか片方のみ放送するケースも少なくはない形で再放送が行われたが、2004年の11月29日を最後に、20年以上再放送が行われていない。
しかし、再放送が行われていないのは「プチプチアニメ」の枠としてであり、2018年11月18日には、当時存在したBSプレミアムにて放送されたファミリー向けバラエティー番組「ワンワンパッコロ」において、視聴者からのリクエストで第2話が再放送、約14年ぶりにテレビの画面にビーナッツのエピソードが戻ってきた。なお、この回は放送翌日の11月19日、時期を空けて2019年の2月24日、25日と3度再放送されている。
しかし、そこから5年以上再放送に恵まれていない。
ニャッキ!を手掛けた伊藤有壱と宍戸光太郎による制作であったものの、現実は非情であった。
2024年、発掘が行われる
都市伝説解説系Youtuber「THEつぶろ」氏が2024年12月23日に投稿した動画において、本作が取り上げられた。
動画にて投稿者は、当時の制作者のインタビューやインターネット上での書き込みより、製作者の伊藤氏がアイトゥーン社を開設し、そちらの経営に専念したこと、宍戸氏が多忙故に休みを取るために仕事を断らざるを得ない状況にあり、続編制作を断念したのが一番可能性が高い、と考えている。
また、第1話はインターネット上に当時の録画が何度かアップロードされたことがあったが、第2話はアップロードされたためしがなく、、長らく幻の映像扱いであったが、こちらもTHEつぶろ氏の言及翌日に第2話が、上述の2018年11月に放送された番組の視聴者リクエストによって再放送された録画がアップロードされた。この点より、ビーナッツの映像自体は2話ともNHKに残っている可能性が非常に高い。
当時の録画のアップロードに関する動画リンクは著作権の観点から本記事では紹介しない。気になる方は自己責任で検索すること。
登場人物
台詞は全て英語だが、クレジットにも声優が表記されないので、誰が声をあてているのかは不明。
- ビーナッツ・ブラザーズ(メイン画像のキャラ。普段は手は描かれてない。)
宇宙を渡り歩く悪党コンビ。
茶色で声が低い個体と、薄茶色で声が甲高い個体の兄弟だが、どちらが兄でどちらが弟なのかは不明。
前者は参謀役だが、女の子が自分よりも巨大な事に気づかないなど鈍感な一面があり、後者はメカに強いが虫やキノコの不味さに悶え苦しむなどお笑い担当な一面がある。
指名手配されているお尋ね者だが、その懸賞金はわずか100$(正確には、「$」をピーナッツのような形にした架空の単位、宇宙通貨かもしれない。)。
しかし、その後ろに0を6つ描くことで自身の手配書を1億(第2話では「0」が1つ追加されて10億になっている)に見せかけている。
殻付きピーナッツ状の宇宙船を駆り地球に来訪するも、その目的は星の支配者になること。
しかし原因不明の事故で宇宙船が故障し、地球に不時着。命からがら脱出するも宇宙船や多くの装備を失ってしまう。
不時着した近辺の荒地に身を隠し、不味い虫や毒キノコくらいしか食べ物が無い悲惨な暮らしをする最中、たまたま見つけた女の子のサンドイッチに興味を示し強奪。
それに味を占めたのか後日ふたたび女の子のサンドイッチを奪うもそのサンドイッチにはピーナッツバターが塗られており、両者ともそれを食べてしまったショックで「共食いじゃねーか、チクショー!!」と言わんばかりに悶絶する所で1話の幕は閉じる。
2話では冬になっても未だに脱出も侵略も出来ておらず、氷の張った湖で魚を釣って飢えを凌いでいる模様。
寒さに震えながらも特殊な装置で宇宙に向け救難信号を出していたが、後述の宇宙ポリスによりそれを探知され両者とも落花生の殻状の檻に捕えられてしまった。
しかし隙をついてポリスの宇宙船を運転する自動操縦ロボを電波ジャックし、めちゃくちゃな操縦をさせることで脱出に成功。
落花生の殻状の檻の下部分をスノーボードに見立て雪原を滑走し、脱走に気付いたポリスの追跡を撒こうとするもそのさなか湖畔に滑落。
ポリス共々ずぶ濡れになり、風邪をひいてくしゃみをしながら仲良く暖をとるシーンで2話の幕は閉じた。
所有しているアイテムは1話で使用した月を真っ二つにできる威力を持つレーザー光線銃(登場直後に暴発して破損。ちなみに2つに割れた月は2話冒頭で雑に修復されているのが確認できる)、2話で使用した宇宙に救難信号を出せる発信機(使いようによっては電波ジャックが可能で、前述の自動操縦ロボをこの装置でコントロールし暴走させた)。
- 女の子
1話に登場した、とある草原で一人ピクニックをしていた幼い子供。
ピンク色の毛をしたトイプードルを飼っている。草原の近くには家があり、そこの住人と推察される。
ビーナッツ・ブラザーズと比べてはるかに大きいが、あくまでも地球ではビーナッツ達の方が小さいだけである。
最初の遭遇時は突如現れたビーナッツ・ブラザーズにお弁当のサンドイッチを強奪され(抵抗を試みたがもう片方に脅かされて手放してしまった)、大泣き。
しばらく後ふたたび草原でサンドイッチを頬張っていたが、本人も気付かないままビーナッツ達の作戦により残りのサンドイッチが入っていたバスケットを盗まれてしまう。
2話に登場しないため、その後何をしているのかは不明。
- 宇宙ポリス
2話に登場。ビーナッツ達の救難信号を察知し、逮捕するために向かったクルミの姿をした宇宙人。大きさはビーナッツ達より二回りほど背丈が高い。
ドングリ状の宇宙船の外壁には“POLICE”と書かれており何かしらの警察機構に属している模様。
宇宙船内の壁には一面に賞金首の手配書が飾られ、逮捕した証である赤いバツのついた手配書が多いことからかなりのやり手である(ちなみにこの犯罪者達はビーナッツ達と同じく全員何かしらの野菜の姿をしている。また揃いも揃って賞金も5〜6桁であり100$のビーナッツ・ブラザーズがどれだけ低いががうかがえる)。
まずは救助船のふりをしてビーナッツ達を(飯盒で作っていた鍋料理と焚火ごと)トラクタービームで回収。
落花生の殻状の檻に閉じ込め逮捕に成功するも、ビーナッツ達が暴れて飯盒がひっくり返り鍋の汁が焚火にかかったことで煤煙が発生。
自身の体が煤で汚れてしまい風呂で汚れを落とすため檻を離れた。
その隙にビーナッツ達に自動操縦ロボを電波ジャックされ、でたらめな操縦をさせられた。
やがて宇宙船は高山に衝突して壊れ、チャンスとばかりにビーナッツ達は落花生の殻状の檻をスノーボードに見立て脱走。
これを追うべく自らもバスタブに乗り雪原を駆けるも途中で横転し雪玉となってしまった挙句、(逃走の末に湖畔の結氷に突き刺さったビーナッツ達ともども)更に巨大な雪玉と化した宇宙船の残骸の下敷きとなる。
どうにか助かるもビーナッツ達と同じく船を失った上に風邪を拗らせてしまい、寒空の下凍えながら諸共助けを待つ身となった。