AEIOU
あえいおう
ア~↓ア~↑アッ! エッ!エッ!エッ!イッ!イッ!イッ!オッ!オッ!オッ!アッ!アッ!アッ!エッ!エッ!エッ!ウッ!ウッ!ウッ! アエイオウ!!
上記のようなフレーズが流れる砂アニメを知っているだろうか?これこそ日本全土の子供達にトラウマを植え付けた伝説の砂アニメ「AEIOU」である。
イタリアにて制作された本作は、日本でもまず1970年代にNHK総合の『おかあさんといっしょ』内で放送され、その後1990年代にはNHK教育(現Eテレ)の『プチプチアニメ』で再放送された。
内容は「5人の子供達のうち1人が冒険に出向く。そして敵や騒動などに遭遇し、5人全員で魔法のバイオリンを演奏して解決する」といったものが多い。
それに加え動きも妙に気味悪かったのである。
また、本作には日本語吹替どころか原語版の時点で台詞らしい台詞が無く、息遣いや唸り声、うめき声などで登場人物の感情を表現している。
主な視聴者である児童はひたすら平面的に動く砂の世界に加え、何故かマトモな言葉を発しないキャラクター達のやりとりを見る羽目になったのである。不気味に感じるのも頷ける。
一応、制作側に「子供達にトラウマを植え付けよう」などという意図はないと思われるが、本編のストーリー自体にも極めてブラックな展開が多い。
例として第一話は「お城に侵入した子供が触るものが全て金になってしまう呪いをかけられた王様に遭遇。嘆き悲しむ彼を助ける為、金になった食べ物を魔法のバイオリンで元に戻し王様に食べさせる。しかし、欲に駆られた王様は思い通りにならない子供に怒り始め、やがて彼を金に変えようと襲ってくる。慌てて仲間たちの下に舞い戻った子供は5人全員で魔法のバイオリンを演奏。それを聞いた王様の身体は金に覆われていき、黄金像と成り果てて沈黙した」というもの。これを「ハッピーエンド」扱いにしているのである。そりゃトラウマだろう。
本作にはこの他にも「主人公を執念深く追い回す悪役が出現。それをコミカルかつ残酷な手段で撃退(実質的に殺害)する」といったエピソードが多い。